真夏の空がどこまでも続く
夕暮れは心なしか涼しいそしてどことなく寂しい田舎でのこと
スイカ切ったよ
妹の奈津がスイカを運んできた
兄ちゃん
塩を振ったひと切れが手渡される
一口かぶりつくと子供の頃を思い出した
亡くなった母の連れ子で奈津はまだ一つか二つ
父が引き取って一緒に暮らすことになった
兄ちゃん
兄ちゃんはもしかして童貞か
スイカの種をふいた
奈津が男にしてあげようか
高校を卒業したばかりで家にいた妹にからかわれるようでは
冗談だよ
それ以上は突っ込まれなかったものの黄色のワンピースからのぞく生足に束の間鼓動が早まった
今帰ったぞ
そこへ父が帰宅した
おお、スイカか
妹の食べ残しをチュウチュウと吸いながら皮のほうまでかじり始めた
あけ放たれた窓からは涼しい風が入ってくる
眠くなって隣の部屋へ行き寝てしまった
夜中聞きなれない音で目が覚めると隣の部屋では何か取り込んでいるようだ
おとん
やめて
妹の声だった
何か抵抗しているようだ
お前は俺の子じゃないんだ
一転部屋は静まり返った
やがてヌチャヌチャと湿った音に加えリズミカルな振動がこちらにも伝わってきた
兄ちゃん
奈津はたった今女になりました
ご覧になりますか
点けっ放しだった蛍光灯のまぶしい光
指で開かれた亀裂の向こうには五円玉の穴のようにぽっかり空いた空洞が
その日以来父と兄を妹はあなたと呼ぶようになった
それから数週間後町内会の盆踊りの日だった
おじさんたちに呼ばれているから出かけてくるね
ああ、楽しんでおいで
浴衣姿で出かけた妹だったが帰りはだいぶ遅かった
あなた
今日はいっぱい種付けしてもらったわ
浴衣の裾をまくり両足を開くと股間の奥の空洞はなすび一本分もあろうかと思うほど押し開かれ閉じられてはいなかった
ほんの穴埋めのつもりであてがったあそこはただただ乾燥した砂漠のような感触
もう粉も出ないよ
あなたもたまっているコメとぎ汁出したらさっさと寝なさいよ
つかれたのか女はたちまちいびきをかき始めた