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回春ドッグ純情
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:空想・幻想小説
ルール: あなたの中で描いた空想、幻想小説を投稿してください
  
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1:回春ドッグ純情
投稿者: 浦島プウ
百日紅の街路樹がしばらく続く。そこは町はずれの住宅地だったが、赤や紫、白い花まで色とりどりの百日紅の満開の花が、道の両側で咲き乱れているのだった。
『俺の夏はとうに終わって、冬の日が射しているんだがな、今日この頃は』
直近の樹にとまったミンミンゼミがひときわ激しく鳴き始めた。それはこの夏の暑さに加えて、狂おしいばかりに鳴き叫ぶのであった。
『俺も、あんなふうに生の限りに夏を謳歌したいものだ』
男は急にめまいがして、歩道にうずくまった。
車のクラクション。何だろう、と思って振り返ると、運転席の男は見覚えのある顔だった。
「増岡さんじゃないですか」
いかにも、増岡久三はこの私だが、はて、オタクさんはどちらさんだったかな。
だが、そんなことより、後部座席の女は、万由里ちゃんじゃないか。
車は先の路肩にとまった。
この暑いのにご苦労さんだねえ。
「先輩。今度僕たち、回春ドッグ始めたんです。一度お試しください」
男がそういうと、女は、
「コードネーム由万里です」
仰天の自己紹介は、かつて部下だった美人OLの万由里ちゃんその人だった。
しかし、他人の空似ということもあるし。
男は、といえば思い出したぞ、ヤリ逃げの〇〇ちゃんじゃないか。
赤いタンクトップに黒のタイトミニ。清楚系のイメージとはだいぶかけ離れていたが、相も変らぬ美脚に現役時代の胸の高まりをひとしきり覚えたのだった。
「予約できる?」
「今日はだめですが、明日なら」
「午後遅くなってもいいんだが」
「じゃ、四時半ご自宅にお邪魔いたします」
へえ。変われば変わるもんだな。社員厚生の裏コマンドか。
家に帰ると薬局で買い求めた回春サプリを一錠、水で飲みこんだ。
「ゆうべ生まれて初めてちんこのジュース、飲みました」
ケータイで検索した案内ではゆまりさんはそうコメントしていた。
同時に、来た、それは下半身を襲うある種の戦慄だった。
シャワーを浴びた後、二人はベッドで向き合っていた。
「私、どうすればいいですか」
脱いでもスタイルの良いかつての部下に、
「激似だよ。万由里ちゃん」
つい、思ったことを口走った。
女の表情が少し曇る。
「その子は会社を辞めました」
そ、そうだったのかい。
細い足を押し広げると、お寿司屋さんでおなじみの赤貝が目に飛び込んできた。
「どうしたんですか、鳥肌が立ってますよ」
寒いわけではなかったが、望外の展開に、私の息は乱れ始めていた。
ああ。
赤貝を舌で攻めると、女はなまめかしい声で鳴く。
私の船は大海原で帆をあげる。
波に揺られ、順調な船出だ。
「入れますよ」
女は、穂先にゴムをつける。
「上になりますか」
「ええ、上になってください」
「・・・入りませんね」
女は申し訳なさそうな顔をした。
ゴムをつけたまま指でしごいてくれる。
とても優しげな笑顔だ。
「おちんぽミルク、いっぱい出してください」
あ、ああ。
汗が噴き出る背中をのけぞらせて、私は昇天する。
「いっちゃいましたか」
女はゆっくりとゴムを外した。
その日の夜、ゆまりさんは、
「今日も見知らぬあなたと。いえ、昔お世話になった上司に激似の増尾覚三さん」
専用サイトでそうコメントしていた。


 
2023/08/21 04:36:03(Knm7d/Pu)
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