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ペニス人間
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:空想・幻想小説
ルール: あなたの中で描いた空想、幻想小説を投稿してください
  
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1:ペニス人間
投稿者: 陽一 ◆zY2UBMbZrI
あれは、突然の雨の夜だった。
 僕は、マンションの通路を急ぎ早に歩を進めていた。
 雨によって滑った通路に足を取られ転倒してから、しばらく記憶がない。
 幸い記憶を司る脳の後遺症は回避されたらしい。
 一週間の昏睡から覚めた時、雨夜の記憶が戻ってきた。
 ああ、転んだんだ。
夜の病院の天井を見つめながら、生きている感覚が甦った。
 起き上がろう。しかし、頸から下の感覚が麻痺している。まったく動かない。
意識は覚醒している。意識を緊張させ、動く箇所を探してみた。
 かろうじて眼球は動く、あとはどこが動く? 動かない。どういうことだ。きっと麻酔だろう。

 麻酔でないことに気づいたのは、しばらくしてからだった。
 覚醒した意識と視界のみが、僕の存在のすべてであることを受け入れるのに、多くの時間は必要なかった。
 まるで全身がギプスによって固めたられた存在として、僕はある。
 
 一月後、僕はある変化を感じた。ペニスだ。
 ペニスの感覚が闇の底から甦ってくる。
 他の箇所は? 必死に探ったが、どうやらペニスのみらしい。
 一月間、射精してない。
 射精の感覚のみが、脳に鋭く突き刺さってくる。
 体内に蓄積された精子とそれを包み込む粘液は、まるで檻に監 禁された猛獣の叫びのように、僕の存在すべてを支配してくる。
「きっとこれが本能というやつだ」僕はそれを勝手に本能と名付けた。
 その本能とやらの出口は、ペニスにしかないらしい。
 出したい・・・そう思った咄嗟、
「違う。出たいんだ。この不完全な肉体から俺は脱獄して、粘液に保護されながら、外の世界に粘着したい」
 精液が僕なのか、僕が精液なのか、もはや区別がつかない。
 まったく狂人になってしまっている。
 普段なら、すぐさま手淫をなし、精液を支配できるのだが、それができない。 
 一月経って僕はとうとう狂ってしまったのだ。
 病院では、半身不随の男性が狂人にならないようするプログラムがあるらしい。
 きっとマニュアル通りなんだろう。
 定期的に若い看護師が巡回してくるようになったのは。
 
「佐藤さん。自分を取り戻しましょうね」
 排尿と排便とは異なった空気で、ペニスはゴム手袋をつけたであろう看護師の手によって取り出された。
 僕のペニス、いや僕そのものの意識は、海綿に注がれ、信じられないくらいに勃起している。
 きっと、その勃起を観察した誰かが、マニュアル通りに通報したんだろう。
 眼球しか動かない僕は、周りで話し合われている音も聞こえない。
 わかるのは、天井のシミと、光の加減だけ。
 ゴム手袋に、生温かいローションが塗られ、ペニスの付け根から亀頭の部分にかけて、三本の指が陰茎を包み込む。
 
 指は強弱をつけながら、上下にゆっくりと僕を摩る。
 この指はきっと、若い女性に違いない。僕はそう確信した。
 その刹那、僕はまるっきり動物だった。高等生物ではない。アメーバレベルの生物だ。
 ただ、本能だけで動き、性欲が存在のすべてであるような原始の生物。種の保存のためだけに動く生き物。
 「あー 気持ち良い」
 ペニスになった僕は、若い女性の手のひらに包まれた。
 指の関節も、手のシワの刻みも、全部が僕を優しく刺激する。
 「こんなセックスを僕はしたかったんだ・・・」
 看護師の右手に左の手が加わった。
 亀頭の周りへの感覚が強まってくる。
 陰茎の根元まで粘液が纏わりつきながら。
 ただ、ペニスだけが感じている。脳で感じる快楽ではなかった。
 僕という存在の歓びがペニスと共にそこにはあった。
 身体のすべてが震えている。
 地溝の裂け目から、劫火が吹き出すようだ。
 もう、「イク」という感じではない。
 「イク」の次には「イッた後」が想定されている。
 今の僕には、その後が想像できない。いったいどうなってしまうのだろうか。
 看護師の手によって、僕はクライマックスを迎えつつあった。
 きっと看護師は慣れているんだろう。
 でも、僕にとって、それは、まるで天使だった。
「ありがとう・・・やっと肉体の檻から放出されるよ、僕は・・」

 ペニスと一体なった僕は、精液という形となって、肉体から解放された。
 粘液と一緒になって、僕はとうとう、飛び散ったのだ。存在そもののと共に。

 「五分くらいでしたよね」
 「そうですね。標準的な時間でしたね」
 
 新米の刑務官たちは、作業が終了した旨を報告書に記載していた。
 
 「これで、怨霊にならずにしねただろう」
 「はい。どんな犯罪者でも、しぬ間際には、人権がありますからね」
 「じゃあ、次の作業に移ろうか」
 
  彼らは、淡々と職務を執行したのであった。
  彼ら職務地の名称は「性犯罪者処刑場」であった。

2018/08/28 06:19:44(oQ3KYaJq)
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