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憑依(ひょうい)
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:空想・幻想小説
ルール: あなたの中で描いた空想、幻想小説を投稿してください
  
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1:憑依(ひょうい)
投稿者: MTOP-X
日曜の夜。
 俺はいつものファミレスで、親友の広志と待ち合わせをしていた。
 広志は中学のときの同級生で、卒業前に交通事故で死んでしまった。
 だが、広志は生きていたのだ。
 魂だけの姿となって……

 「ヨッ、待たせたな」
 俺の前に30才くらいの勤め人らしい女が現れた。
 スーツを着て髪を後ろで束ね、メガネをかけている。
 ウエイトレスが来ると妙に色っぽい声で「私もコーヒーをお願いします」と言った。

 「お前、いつも女ばっかりだな」
 「女の方が居心地がいいんだ。母親の胎内に戻るような安らぎを感じるっていうか……お前だって、毛むくじゃらの男より女の方がいいだろ?」
 「前から聞こうと思っていたんだが、その女の人、どうしてるんだ?」
 「どうしてるって……ちゃんとここにいるさ」
 「ふざけるなよ」
 「ふざけてなんかいないさ。ちゃんとここにいる。失神してるんだ。隅の方に追いやられてな」
 「体の中に二人の人間がいて、変なふうにならないのか?」
 「目を覚ましたりはしないよ。眠っているしかないのさ。何しろこの体は俺が今、使用中だから」

 俺と広志はこの1週間に起こった出来事を、この篠浦真理という女性の口と耳を借りてひとしきり話した。そして広志を元の世界に帰すため店を出た。
 「タイトスカートにハイヒールじゃ、やっぱ歩きにくいな」
 目の前を若い女が尻を振りながら歩いている。
 失神した人間が歩いているのかと思うと、何だが妙な感じだ。
 俺と広志はいつものとおり、夜の公園へと向かった。

 「このあたりでいいだろう」
 広志は公園の芝生に入ると、天に昇る準備をした。
 「じゃ、あとは真理ちゃんを頼むよ。ベンチにでも寝かせてやってくれ」
 広志はそう言うと、体をまっすぐに伸ばして天を仰いだ。
 そして口を大きく開くと、ぼんやりと光る白い煙のようなものを吐き出した。
 全てを吐き出してしまうと女は白目になる。
 脱ぎ捨てられた肉体がくたくたとその場にくずおれ、がっくりとひざをつくと顔から芝生の中へと倒れ込んでいった。
 やがて白い煙は丸いかたまりとなって、ゆっくりと天に昇っていった。

 女は完全に失神していた。
 元のように動けるまでには30分くらいかかるらしい。
 俺は女の上体を抱き起こし、近くのベンチまで引きずっていった。
 憑依するときは、強い念力で相手の口を強引に開かせるという。
 その瞬間に相手は失神してしまうのだそうだ。
 無理もない、自分の体に別の誰かが入り込んでくるのだ。
 その精神的ショックは計り知れないものがあるだろう。

 女は手足をだらんとさせ、頭をがっくりと垂らして意識を失っている。
 やわらかい体の感触が手のひらに伝わり、思わず股間を刺激する。
 胸のふくらみがいやでも目についた。
 俺は邪念を振り払い、女をベンチに寝かせた。
 そして「ご苦労さま」と声をかけるとアパートへと戻っていった。

 次の日曜日、いつものようにファミレスで広志を待っていると
 「浩介君。待った?」
 と、聞き覚えのある声がして、俺は思わず顔を上げた。
 そこにはなんと中学のときの同級生、森美貴子が立っていたのだ。
 「あ、あれ……森さんが何でここにいるの?」
 実は、俺も広志もひそかに森美貴子にあこがれていたのだ。
 「私ね。前から浩介君のことが好きだったの……」
 「そ……そんな……」

 「ハハ、馬鹿だなあ。サービスだよ、サービス!」
 「お前か!」
 「当たり前だろ。お前のことを一番良く知っているのは、親友であるこの俺さ」
 「お前……見たのか?」
 「バカ! なんてこと聞くんだよ。ああ、美貴子のモノは見たよ。2時間も前からこの体に入ってるんだ。トイレくらいは行くさ」
 「立ったか?」
 「バカ野郎! 立つわきゃねえだろ。女の体に入ってるんだ。チ○ポなんかねえよ」

 「広志! 頼む……」
 「わかってる。美貴子を抱かせてやるよ。そのかわり条件がある。お前の体を貸せ」
 「俺の体……」
 「美貴子の体から抜けたあと、しばらくは失神している。その間に俺がお前の体に入って美貴子を犯す。どうだ?」
 「そんなことをしたら……俺は……」
 「ああ、何も覚えちゃいないだろうな。だが、体は間違いなく美貴子と一つになるんだ。どうする?」

 結局、俺は広志の言うことに従った。
 公園に行き、広志が美貴子の体から抜け出るのを待った。
 美貴子が芝生に倒れるのと同時に、俺は見えない力で口を思いきり開かされた。
 生暖かいものが口いっぱいに入り込んでくる!
 情けない話だが、俺は2秒ともたずに失神してしまった。
 その恐怖といったら、この世では味わうどんなものよりも超えていたからだ。

 目が覚めたとき、美貴子の姿はなかった。
 そして広志も二度と俺の前に現れることはなかった。
 おそらく思いを遂げたことに満足し、成仏してしまったのに違いない。
 俺の体は確かに美貴子を抱いたのだ。
 そう信じるしかなかった……

※ 空想ものは初めてです。よろしくお願いします!
2013/07/13 20:54:29(bYqYFyd9)
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