日本国の慣習が変わった。
それは、性別をきちんと目視で確認すること……
今まで、人間の性別は自己申告で決まっていたが、それは正されることになっ
た。

－－ある高等学校の合格発表日－－
合格発表の後、合格となった中３生の女子達が、一部屋に集められた。
高校教師の私は当たり前のように言う。
「えーでは、これから、合格者の方の性別の確認をさせていただきます。受験
番号の順番で一人ずつ隣の保健室にお呼びしますので、お待ちください」

受験番号0002番の、相川涼子という女子が一番最初に保健室に入室した。
背が小さく、顔も小さく、素直そうな女である。
私は当たり前のように言う。
「それでは、服を脱いでください」
入試前に配る生徒の募集要項には『合格決定後、女子生徒については性別を教
師が確認いたします。なお、確認を拒否したり、妨害する者は、合格を取り消
すことがあります』と規定されている。
この性器確認の命令の際にモジモジして脱がなかったりした場合、即座に合格
を取り消されることになるため、女子生徒側も必死である。

私の指示に対して、受験番号0002番は素直に頷き、おもむろに服を脱ぎ始め、
元気にこう言った。
「脱ぎました！」
気をつけの体制で、堂々と前を向いて起立している。とても元気で健康的、そ
して素直な女子だ。
胸はAかB程度、乳首の面積が少し広い。一糸纏わぬ股間には▼型に陰毛が生え
ている。素っ裸になっても堂々としている。

「では、そこのベッドの上で体育座りをしてもらって、両脚を開いてもらえま
すか」
受験番号0002番はまた素直に頷き、命令した体勢になった。
特に指示しなかったが、両脚は適度に開かれ、アソコがよく見える。
毛は上のほうにしか生えておらず、一本線の筋になっている。さすが健康的な
女子、アソコもきれいだ。
私は顔を0002番の股間に近づけた。
「おちんちんが付いていないかどうか、確認しますね」
「はい…」
自分の股間の目の前に顔を近づけられた0002番は、さすがに声を震わせてい
る。

「ちょっと広げま～す」
私は彼女の股間の両端の皮膚に両手をやり、クイッと広げた。
「ぁっ…」
0002番は、声にならない声を上げた。
「恥ずかしい？」
「大丈夫です…」
声が上ずっている。
小さなクリトリスが見えたので、ちょんちょんと触りながら聞いてみた。
「これ、おちんちんじゃないよね？」
0002番は目をつぶり、唇を噛み締めながらプルプルと首を横に振った。
「違います、違います！」
首をかしげる私に、彼女は強い口調でこう言った。
「もっとよく見てください！」
彼女は両脚をさらに広げて、私に股間を見てほしいとリクエストした。
でも、目をつぶり、唇を強く噛み締めたままだ。
自分の股間を見られたくない気持ちと、見て欲しい気持ちが錯綜して混乱して
いる様子だ。
「私…この高校に入りたくて勉強頑張ったんです！お願いします…お願いしま
す…」
涙目になっている0002番を見て、さすがに意地悪は止めにした。
「わかったよ。じゃあ、合格にしてあげる。でも、１年後にもう一度再検査す
るからね。調書には本当は『クリトリス大きめ』と書かなきゃいけないんだけ
ど…許してあげる」
0002番の顔に笑顔が戻り、元気な声で「ありがとうございます！」と私に礼を
言った。

0002番は服を着て、教室に戻っていった。
教室の黒板には、大きな文字で『0002番　女性　特に問題なし』と書かれた。
性器確認の結果は、広く公平に公表されることに決まっているからだ。
ここで『0002番　クリトリス大きめ　性器確認再検査要』などと書かれると、
３年間男子生徒の笑いものになってしまうことになる。

【続く】

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