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Mの原石-条件反射
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
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1:Mの原石-条件反射
投稿者: 穂佳 ◆rumy2AtFyc
電車を降りて駅からご主人様の宿泊先のホテルへと急ぐ。
ご主人様との待ち合わせに10分ほど送れそうだった。

このホテルは駅からとても近いので、立地条件的言えば不便があるような所ではない。
駅のコンコースから入ると直ぐにエレベーター前。

(このエレベーターに乗るのって、これで何回目だっけ?)

そんなことを思いながらエレベーターを待つ。
程無くやってきたエレベーターに一呼吸してから一人で乗り込んだ。

初めてあった日から今日で2ヶ月と15日。まだ調教が始まって日も浅い。
それでも初めて一人このエレベーターに乗った時に比べたら随分とスムーズになったのでは?と私は密かに思う。
確かに未だ足が震えたり、顔が引きつったり。怖さがまるで無いわけではないのだが。
“椅子の無いエレベーター”を降り、ご主人様へメールを送った後、慌てた為に崩れた身だしなみを整えようとお手洗いへ向かった。

女性が一人、私の後に来たので正直ドキッとした。その人が出るまでトイレの個室の中で音楽を聴きながら気持ちを落ち着かせながら待った。
少し長めの一曲を聴き終わり、ヘッドホンを外す。

(もう居ないよね?)

音楽を聴いていた為、(勿論ではあるが)ドアを開閉する音も聞こえていなかった。
個室から出るとそこには予想通りもう誰も居ない。

被っていた帽子を外す。洗面台の鏡を見てハッとなった。
帽子を被って急いだせいで後れ毛がだらしなく乱れており頭頂部には所謂“アホ毛ちゃん”が目立っていた。
髪と服を整える。そして手を洗いタオルで拭う。

(よし…、これでいい)

鏡で再度確認して、お手洗いを後にした。

携帯を取り出してメールの確認をすると、ご主人様はチェックインを終わらせ既にお部屋に居る様だ。
部屋番号を記載してあるメールが2通届いていた。

ご主人様に返事を返すことも忘れ、もう一つの“椅子のあるエレベーター”に乗る。
不安と期待、わくわくや緊張。様々な感情が一気に押し寄せて私は息が詰まりそうになった。

すぐにエレベーターは来た。
メールに書いてあった4桁の数字から、最初の2つの数字の階のボタンを押す。今回は最上階から5,6階下のとても高い部屋だ。

エレベーターには私の他に女性が一人乗った。私はゆっくりと椅子に腰掛ける。
徐々に上がっていくに連れて気圧が変わるのか耳が聞こえ辛くなり、少し痛さも感じた。
欠伸をすると良いと前ご主人様が教えてくれたのを思い出して欠伸の真似事をする。

ボコッ
耳の中で大きくその音が鳴ると同時に、聞こえも良くなり痛さも無くなった。

エレベーターは女性を降ろし私一人だけになる。更にエレベーターは上昇を続ける。
鏡を見ると顔は引きつり、不自然なほどに汗が出ている。勿論タオルで汗を拭うのだがまた直ぐ汗が滴る。
早くエレベーターを降りて、早くご主人様に逢いたかった。私はとにかく早く止まれ!と心の中で念じていた。

そしてようやく指定した階にエレベーターが着いて、ゆっくりと扉が開く。
いよいよこれからだ、と心で呟いてからご主人様の待つ部屋へ向かう私は心底穏やかだった。
2011/09/06 02:47:59(dvgjCx6H)
2
削除済
2011/09/08 08:16:33(*****)
3
投稿者: 穂佳 ◆rumy2AtFyc
ピンポーーン

私は間延びしたチャイムの音にハッと我に返り慌てて手を離す。
無事に着いてホッとしたのか、それともこれから始まる調教に対して緊張しているのか私には解らない。
ただ時間が一瞬止まったかのような変な感じがした。

勿論間延びしたチャイムの音を部屋の中に居たご主人様も聞いており白い扉が開いた。
そしてご主人様が紳士的対応で私を部屋へ迎え入れた。

「こんにちは、よく来たね」
「いえいえ。ご主人様、こんにちは」

涼しい部屋。入った瞬間小さくクシュンと崩れたくしゃみが出た。照れ隠しで顔をタオルで拭く真似をして隠し「ンフフフフ」と笑ってしまう。
だがご主人様は私がくしゃみをしたことも、笑ったことも気がついていない様子だった。
私は汗を片手で拭いながら、サンダルをもう一方で脱ぎ、揃えてから部屋の中へ歩を進めていく。

「今日も暑いねー…。エアコンの温度自由に下げて良いから。っていうかこの時期ジャケットは暑いだろ」

笑いながらご主人様がそう言う。私は首を縦に動かして答えた。
確かに暑い。間違いない。暑かったら涼しい服をと思うのだが、次の日に備えて暑さに慣れておこうという意味合いを込めての服装だった。

「まぁジャケットぐらい脱いだら?」
「はい」

インナーは袖が無い白のノースリーブ。そしてジャケットには汗滲みが直接つかないようにポリエステルの裏地が付いている。
これがまたなんとも脱ぎにくい。袖を引っ張っても簡単に脱げそうにない。

「んー…、んー…」

ジタバタと茂垣ながら何とかジャケットを脱いだ。そしてご主人様に失礼ながらも背を向けて背もたれにジャケットを掛ける。
そのすぐ後ご主人様はそれまで仕事をしていた手を止め、椅子から立ち上がり後ろから私をぎゅっと抱きしめた。

「きゃ…」

吃驚したのと嬉しさが混じり私は小さく声を上げる。そしてご主人様からのフレンチキス。
それだけで私は目が蕩けた。

「手を上げて、アレ見せてご覧」

私はおずおずと手を上げる。

実は前回に約束を破った罰として、また童顔なために(若干強制的ではあるが)大人としての成長を見るため腋毛を伸ばすように二週間前にご命令があった。
電車ではつり革に捉まる事を躊躇し、夏でありながら半袖を着る事も躊躇った。
処理をするのは当然の事だと思っていたし、処理をしない事が有り得ないと思っていた。

「ほら、もっと手を上げなさい」

だが今の私は違う。
処理をしない事が有り得ないと思っていた私の腋毛は伸びている。

もたもたしているとギュッとご主人様に強い力で腕を掴まれ、そのまま上げられた。
唇をギュッと噛み、恥ずかしさで声が出るのを堪えた。
自分で見ないようにギュッと目も閉じた。

「記念写真、撮ろうか」

最初は余計な事を言わないご主人様の優しさ。ご主人様の言葉を聞き再び目を開ける。
そしてご主人様の目をふと見た時に気がついた。私を見るその目は決して厳しい目ではなく小動物を見るようなとても優しい目であった。
私は恥ずかしさで「いや…」と言ってしまった。

ご主人様が一旦離れて携帯を片手に戻ってくる。
私はその様子を腕を下ろし目で追っていた。

「ほら、腕上げて」
「…はい」

そう言われ、腕をゆっくり上げた。
ご主人様が見ている…、そう思うだけで私は恥ずかしくも蜜を滴らせた。

「もう少し上げなさい」

腕を上げるとご主人様がそっと手を添えくれた。くすぐったくて恥ずかしくて、赤面は止まらない。
それなのに何故か身体が反応を示す。口から熱い吐息が漏れ、陰部は蜜で濡らした。
携帯のシャッターの音が響く。近くからパシャッ…、少し離れてパシャッ…。
その音が私の気持ちを昂ぶらせる。

「良いよ、素敵だ。子供みたいなおま×ことのギャップ、恥らうお前…」
「んん…。駄目です、恥ずかしい…」

目を開けるといつの間にかご主人様は離れていた。勿論途中からは腕も自由だった。
だが私は目を開けるまで腕を上げたまま赤面しながら息を荒げていた。

「…いい子だ」

その一言で緊張が解けたのか急にくしゃみが出た。
恥ずかしくてくしゃみをした時に閉じた目が開けられない。
私はそのまま床にしゃがみこんだ。
11/09/08 08:30 (5N3cC/QQ)
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