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ママの手
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:シナリオ 官能小説
ルール: エロラノベ。会話メインで進む投稿小説
  
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1:ママの手
投稿者: 浦島プウ
知らない街を行けばビデボに当たる。
 そう決まってはいないが休憩がてら駐車場に車を乗り入れたのは数十年ぶりの個室ビデオ鑑賞店だった。
 ただそうはいっても若いころと違って抜き目的では到底なかった。
 最近の気候よろしく朝晩はめっきり冷えてあちらのほうも立たなくなっていた。
 性欲がないというか興奮することもなくなってきた。
 
 六本まで借りられますが五本でいいんですか。

 年齢的には娘いや孫娘のような女優さんのものを選んだが五本しかなかった。
 
 グッズは。

 うん。そうか。グッズか。ええと。
 貫通型と非貫通型。筒状のグッズが並ぶ。
 いや。そもそも立たないんだから駄目だこりゃ。
 あきらめかけていたその時。
 わっ
 
 お客さん。
 さすがはお目が高い。
 
 そう言ってすすめられたのはママの手と呼ばれる手首から指先までだけのグッズだった。

 これをかぶせておくだけで望みがかなうといわれているんですよ。

 また。
 信じる者は救われる、か。
 
 お買い求めありがとうございます。どうかよい夢を。

 おいおい夢なのかい。
 ちょっとぞっとしないそのグッズを買って、個室に入るとすぐ眠気に襲われた。

 ふと気づくと枕元にはお気にいりの女優さんが普段立つことのない股間の一物を手でしごいていた。

 初回限定のサービスで3回まで願いが叶います。
 1回目はこの私の手で。

 あと2回願いが叶うというわけか。

 遠い昔死別した母さんに会いたいなあ。
 そう思うや否や女優さんは跡形もなく消え去った。

 ドアをたたく音がする。
 うちカギはかけておいたが。
 くれぐれも間違ってドアは開けないようにとのことだった。
 それでは誰がドアをノックしているのだ。
 鍵をかけているのが分かったのかノックの音はだんだん大きくなってくる。
 母さん。母さんなのか。
 もうやめてくれ。
 するとドアをたたく音はやんだ。

 お客さん。何回抜いたんですか。

 鏡を見ると頬がこけげっそりと青ざめた男の顔が映っていた。

2020/10/21 09:33:18(YB8XbxrI)
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