人には言えない悩みや苦しみがあります
ことに、人の世は男と女、くっついたり、はなれたり、時として反目しあう
二つしかないのにうまくいかない
そんな人生の相談にお応えします

トゥルルル、トゥルルル
「はい、電話人性相談です」
「あの～、出生届に父親の記載がなくても受け付けてもらえるんでしょうか」
「はい、大丈夫ですよ」
「ああ、良かった」
「どなたのお子さんがお生まれですか」
「いや、まだ生まれてはいませんが、娘が妊娠しまして」
「あら、お父様ですか。年齢からお伺いしますか」
「はい、42です」
「42歳ですか、高齢出産ですねぇ」
「いえ、私が42です」
「あれ、それじゃ、娘さんは？」
「あっ、いや～・・・・　12です」
「12歳で生ませる予定ですか」
「ええ、娘は生みたいと言っています」
「それも、父親が誰かはわからない」
「はぁ、わからないでもないんですが」
「何か訳ありのようですね。奥さん、娘さんのお母さんはいらっしゃいますか」
「いえ、4・5年前に男を作って出ていきまして」
「あら、離婚なさったの」
「はい、それからは、娘と私二人暮らしで」
「ああ、大変でしたね、それにいつの間にか娘さんが妊娠と」
「いや、娘は悪くはないんです。妻がいなくなって、小さいながらも一家の主婦としてけなげに家事をやってくれています」
「あらそうですか」
「お父さんと娘さんの仲はよろしいんですね」
「ええ、とっても良くしてくれています。今でも一緒にお風呂にも入りますし、寝る時も同じ布団で抱き合って寝ます」
「うっ・・・そ、それじゃぁ・・・」
「はい、実は、娘の子供は私の子供なんです」
「えっ！」
「小学校の高学年になるにつれて、女らしい体形になって、仕草も分かれた妻の若い頃に似てくるにつれて、私は娘のことを女として見るようになっていました」
「はぁ、娘さんは、そんなお父さんのことを何と言っています？」
「ええ、娘も私のことを父親としてだけでなく、一人の男として好きだと言ってくれています」
「それでは、家の中ではもはや夫婦同然？」
「ええ、その通りです。それで娘が妊娠して、私も娘も二人の愛の結晶ができたととてもうれしいんです。娘も生みたいと言っており、私も娘の子供をこの手に抱きたいと思っています」
「でも、あなたは娘さんの父親でしょう。その娘さんを妊娠させるなんて許せないことですよ」
「どうしてですか。私も娘も愛し合っています。できれば、娘の子供も認知して私の子供として娘と二人で育てたいと思っています」
「えっ、でもそれじゃ、お孫さんになるんじゃ、でもあなたの子供でもあって…」
「いいんです。娘もその子供も私の子供であって、娘は私の妻でもあるんです。世の中が許そうが許さなかろうが、私たちには関係のないことです」
「・・・・」
「ああ、娘が学校から帰ってきました。今日は帰ってきてすぐに愛し合う約束をしてましたので、これで失礼します」

（プツッ、ツー、ツー）