僕は高校を出て、地元の郵便局で働いています。母と二人暮らしのいわゆる
母子家庭です。父は建設技師でしたが、僕が高二のころ現場の事故で亡くな
りました。僕は進学をあきらめて、母を助けてあげようと、就職することに
した訳です。二人で働いてなんとか生活のメドがついてきたと思います。

僕は小さい時から母のことが好きでした。優しい母です。小柄でちょっと太
り気味ですが、足がとってもきれいだと思います。足首がきゅっと締まっ
て、太腿から腰にかけては肉がみっしりと、スカートがはちきれそうです。
顔はごく普通で特に美人でもありませんが、ほっぺたがぷっくりしているの
と、特に鼻が可愛いです。大きくはなくて、つんもりと少し上を向いてい
て、食べてみたくなるほどです。

僕が高校を卒業して、まだ勤めが始まっていなくてぶらぶらしていた頃、そ
んな母と変なことになってしまいました。前から母のことは好きだったので
すが、ふとしたはずみで、無理やり押し倒して、スカートをめくって、僕の
いきりたったものを押しつけて、でも、僕はその時まだ女の人を知らなかっ
たから、どうしたらいいか判らなくて、押しつけている内にパンツの中で射
精しちゃったんです。そうして、一時の興奮が収まると、ああ、大変なこと
をしちゃったと、後悔の気持が沸き起こってきたんです。僕の好きな、僕の
大事な母さんに、大変なことをしてしまった、これで母さんに嫌われてしま
ったらどうしようと。

それまではとても仲のいい母子関係だったのですが、そのことがあってか
ら、母は僕のことを避けるように、狭いマンションの中ですから、避けると
いっても限度はありますが、顔をそむけるようにして、必要最低限のことし
か話もしません。

１週間ほど経ってから、そんな空気に耐え切れなくなって、僕は思い切って
母に切り出しました。

「母さん、こないだのこと、ごめんね。僕、とっても後悔してるんだ。で
も、あのときは、僕、たまらなくなって・・・母さんが、好きだから」
「そんなこと、いまさら言われても・・・」
「母さんは、僕のこと、どう思ってるの？」
「それは、裕之のことは、息子だし、好きだわよ。でも、急にあんなことさ
れると・・・」
「嫌いになった？」
「嫌いとかじゃなくて・・・母さん、どうしていいか、わからないのよ。裕
之とはこれからも一緒に暮らして行くわけでしょ。あなたがお嫁さんなんか
もらっちゃって、この家から出てゆくまでは・・・」
「僕、結婚なんかしないよ。母さんが好きだから、ずっと母さんと一緒にい
るよ」
「そんな・・・それって、どう言うこと？」
「言ったと通りだよ。僕はどこにも行かない。ずっと母さんと一緒にいた
い。だから結婚なんかしない」

「でも、それじゃ、あなた、困るでしょ」
「ううん、それでいいんだ。母さんさえ、いいと言ってくれれば・・・あの
ときは、無理やりしちゃって、ほんとにごめん。でも、好きなんだ。母さん
が好きなんだよ、ぼく」
「ほんと？　　ほんとにそう思ってくれてるの？」
「ほんとだよ。僕、母さんさえいいって言ってくれれば、一生母さんを守っ
て一緒に暮らすよ」

母は黙ってじっと僕を見つめました。真剣なまなざしでした。ぼくも真面目
な顔で母を見つめていました。やがて母が思いつめたような口ぶりで言いま
した。

「わかったわ、裕之、かあさんも裕之のこと、好きだから、一緒に暮らせる
なら、うれしいわ」
「えっ、母さん、いいの？」
「いいのよ。・・・あの時ね、裕之に押し倒されて、びっくりしちゃった
の。でも、裕之の気持が判らなかったから、どうしたらいいかわからなかっ
た。・・・でも、でもね、いま、裕之のほんとの気持が判ったから、母さ
ん、うれしいの」
「僕、本気だよ、本気で母さんのこと、好きなんだ」
「うれしい、母さんも、裕之のこと、本気で好きよ」

僕は母の前に座って、そっと母の肩に手をやりました。母はじっと僕の顔を
見つめています。僕も母の目をじっと見つめました。すると母は目をつむっ
て、そっと僕の方へ顔を寄せてきたのです。唇をすこし上に向けるような感
じで・・・。僕は思わず、母の唇に僕の唇を押しつけていました。初めての
キスでした。高校のころ、女の子とふざけ半分でキスしたことはあります。
でも、本気でするキスは初めてでした。しかも、母と・・・。