居間へと一歩一歩近付くにつれ亜矢子の胸中には不安が募り、鼓動は早鐘
を打つようであった。
　今日息を引き取ったばかりの亡き夫の亡骸が眠る部屋。そして今しがた晋
吾が見せた亜矢子自身の痴態の映像と、直後の情欲に満ちた笑みと言葉。そ
れが意味するものを薄々感じ取り、その余りの背徳さとそれが死者へのこの
上無い冒涜であること。それをこれから自分は晋吾からされてしまうの
だ．．．。
　もし断れば、恐らく晋吾のこと。何をされてしまうか．．．。或いは娘ま
で、晋吾ならその毒牙に掛けかねない。今の自分には晋吾の言いなりになる
他に選択肢が無いことを同時に亜矢子は悟っていたのだった。
　居間に亜矢子を招きいれた晋吾はそのまま亜矢子の手を引き、棺の中で眠
る靖に「靖君、亜矢子の事は心配しなくていいぞ。今晩から俺が君の代わり
にたっぷりと可愛がってやる」「よっぽと溜まっていたんだろうよ、君が死
んだばかりだというのに、もうその日の晩に早速風呂場でマンズリしてたん
だからな．．．はははッ」
　晋吾の言葉に思わず「やめてッ、言わないでッ」と悲鳴を上げる亜矢子。
そんな亜矢子に「静かにしろ、こいつを美沙ちゃんや取引先の連中にばら撒
いてもいいのか」と一喝する晋吾。
　亜矢子が押し黙るのを鼻で笑いながら「見ものだったぞ、自分で股おっぴ
ろげてオマンコ全開でな、潮は吹くわ、挙句の果てには小便まで撒き散らし
て何度も逝きまくってたぞ。全くとんだ淫乱だな」晋吾の言葉が続くにつ
れ、顔を覆いながら「イヤ、イヤ」と小さな声で嗚咽を漏らす亜矢子。
　そんな亜矢子に情けをかける晋吾ではない。低い声で「脱げ、亜矢子」と
だけ告げる。断れば何が起きるか．．．。（あなた、ごめんなさい。私を許
して．．）心の中で亡き夫に詫びの言葉を述べながら、その亡骸の傍で身に
つけているものを一枚ずつ脱いでいく。その度に瞳から涙が零れ落ちてい
く。だが同時に自らの女の源泉からは牝の淫汁が肉奥から溢れ、純白のショ
ーツを淫らに穢していったのだ。
　羞恥の余り、豊かな双丘を思わず両腕で覆い晋吾と靖に対して背を向けて
しまう亜矢子。白い布で覆われた豊かな熟尻に熱い視線を送りながら「オ
ラ、隠すんじゃない」と亜矢子に罵声を浴びせる。そしてその熟尻に平手を
見舞っていく晋吾。乾いた、それでいて淫靡な音と同時に「ヒイッ、い、痛
いィ、や、ヤメテェ」と悲鳴を上げて許しを請う亜矢子。晋吾の平手を受け
るその尻肉が赤みを増すにつれて、尻の間から太ももに淫液が伝っていくの
を晋吾は見逃さなかった。　
　「分かったんならこっちを向いてさっさと脱ぐんだ」晋吾の冷たい声に従
い亜矢子は二人の方を向く。背を向ける前に僅かにだけ垣間見えたときより
ショーツに出来た染みは明らかに大きくなり、その奥にある茂みさえ透けて
見えるほどだった。
　「尻を打たれて感じたな、亜矢子」その目に獣の色を宿らせて晋吾は詰問
する。亜矢子は「か、感じてなんか」と否定するが、その表情はこれまで自
分自身でさえ知らなかった性癖に戸惑いつつも羞恥心からそれを隠そうとし
ていることをはっきりと示していたのだ。（痛みしか感じないはずの行為
に、ましてやこのような状況で自分が感じている）それを今最も知られたく
ない相手に暴かれてしまったのだ。
　晋吾が重ねて訊く、「尻を打たれて感じたな」と。僅かの沈黙の後亜矢子
は「はい」と小さく答える。「もっと大きな声で言うんだ」「はい」今度は
更に大きな声で答える。「尻を打たれて何処を濡らしたんだ」「．．．」
「答えろッ」再び平手を再開する晋吾。「ヒイイッ、ヤ、ヤメテェ、い、言
いますからァ」
　懇願する亜矢子がとうとう「お、オマンコです、オマンコを濡らしまし
た、嗚呼ァ．．」と白状する。その瞬間亜矢子の肉奥から更に愛液が溢れ畳
に淫らな染みを作っていき、同時に亜矢子の中の牝の本性が更に心の中を支
配していく。
　「脱げ、亜矢子」の声に抗うことは最早出来なかった。震える手で最後の
一枚を脱ぎ去り、その裸身を二人の前に晒す。そんな亜矢子の姿に満足しつ
つも、（これからが本番なんだよ、よく見ていろよ）と傍らで眠る靖に対し
て冷酷に告げる晋吾なのであった。

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