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黒い下着2の7
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:シナリオ 官能小説
ルール: エロラノベ。会話メインで進む投稿小説
  
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1:黒い下着2の7
投稿者: まさ ◆72/S7cCopg
 白井が不機嫌になった理由は、風邪をひいて学校を休んだ日、僕が水谷と
下校していたことを知ったからだった。水谷が白井に、
「白井先輩は優しい彼氏がいていいですね」
 などということから話し出して、そのうち僕と並んで自転車を走らせたこ
とまで話したらしかった。部活が終わって、白井と帰っている途中、白井は
ずっとつんつんしていて、話しかけても素気ない返事しかしないので、どう
したのかと問い詰めたら、そのことを言ったのである。僕は、これはまずい
と慌てて、ただ話をしながら一緒に帰っただけなのだから、何もやましいこ
とはない。どうか誤解せずに、機嫌を直してほしいと言った。しかし白井の
機嫌は中々直らなかった。
「何も無かったって言ってたじゃない」
 白井は、そのこと自体よりも、僕が彼女の見舞いに行ったとき、彼女に何
か変わったことはなかったかと問われ、特になかったと答えたこと、つまり
隠そうとしていたことに腹を立てていた。それは確かに悪かった。そのこと
については、素直に謝る外なかった。
「ごめんな」
 そう言っても、白井は、
「ふん」
 と言うばかりで、許してはくれなかった。その後も何べんとなく謝罪した
が、白井は態度を軟化させようとはしなかった。
 やがて僕らは黙ってしまった。二人並んで自転車を走らせているのに、お
しの如く無言でいた。端から見れば、何のために二人でいるのかわかりかね
る、奇妙な光景であったろう。空気が頗る重苦しく、僕はいやになった。い
やになると、白井の態度に苛立ちを覚え始めた。許すか、許さないのか、許
さないのならば僕はどうすればいいのか、はっきりしてほしかった。しか
し、悪いのは僕なのだから、こちらが上になってものを言うことはできず、
白井が黙っている限り、僕は彼女が僕を許す気になるのを待つしかなかっ
た。
 結局、白井のマンションの前まで、無言のまま来てしまった。白井は自転
車を降り、ハンドルからは手を離さずに自転車を支えながら、僕を見た。僕
も自転車を降り、白井と同じようにして、僕を見る白井の眼を見た。僕らは
やはり沈黙していた。このままでは埒があかない。明日になれば少しは機嫌
も直るだろうと思って、
「じゃあ、また明日」
 と言った。白井は頷いた。
 翌朝、いつものように白井と合流すると、白井は、
「おはよう」
 と自分から言った。しかし表情は固かった。僕は、まだ怒っているのかと
思い、そう訊くと、彼女は、もう怒っていないと答えた。そう言う割には、
態度がよそよそしく、前日よりは話をするものの、沈黙しがちであった。僕
はきちんと仲直りしたいと思ったが、怒っていないとは言うし、話せば一応
答えるので、こういう場合、どう言っていいかわからなかった。そうしてぐ
ずぐずしているうちに、白井の態度は平生に戻っていった。表情は柔らか
く、よそよそしさもなくなった。それで僕は安心をしたが、ちゃんと問題を
解決した上での和解でなく、どこかあやふやにしたような感があったので、
それが胸につかえて残った。
 夏休みになった。が、合唱lコンクールは毎年八月にあるので、それが終
わるまでは部活は休みにならない。授業がない分、普段より多く練習をす
る。七月末頃には合宿がある。河口湖近辺の民宿に三泊四日して、朝から晩
まで練習する。合唱の他、弦楽や吹奏楽なども練習ができるように、音楽用
のホールが備えられている。とはいえ、合唱部ごときがわざわざ河口湖くん
だりまで来て合宿する必要があるのかという気もする。気分転換にはなる
が、練習のために良いかと言えば、たいていの奴は浮かれてしまって、練習
の能率はむしろ落ちるので、良いとは言えない。しかし、せっかく旅行がで
きて楽しいのに、わざわざそんなことを言い出す奴はいない。皆、練習は練
習で真面目にやるが、それ以外のところでは大いにはしゃぐつもりである。
 この年も、例年通りに合宿が行われた。バスを借りて合宿所へ。河口湖の
辺りまで来れば、富士山がとても大きく見える。東京から見る富士山は小さ
い。みんなほとんどその小さな富士山しか知らぬから、雄大な富士山を見て
感嘆する。僕も、やはり富士山は日本一だと、わかりきったようなことを思
う。それから、その辺りは、東京と違って空気が澄んでいる。思わず深呼吸
をしたくなる。空気にも味があるのだなと思う。こういう時には、空気の美
味しさに喜びながらも、東京の空気の汚さを実感し、しょげてしまう。
 民宿は、所詮民宿だから、約六十名もの合唱部員が来れば、全部屋満員で
ある。当然、貸切状態である。音楽用ホールには、さすが音楽用というだけ
あって、グランドピアノが置いてある。倉庫にはドラムまであった。しか
し、合唱部にドラムは必要ないし、ピアノも一台では四つあるパートの練習
には不十分である。そこで、持参した鍵盤ハーモニカの出番となる。何とも
頼りないが、普段の練習で音程はわかっているので、はじめの音さえとれれ
ばあとは歌えるから、それで十分なのである。練習の内容は普段と変わらな
い。だから、合宿なんて必要あるのかと思うわけだが、良い環境で練習すれ
ば、普段より気分がいいのは確かなので、やはりたまにはこういうのも必要
なのかなという気はする。
 一日目は、着いて、荷物などを部屋に置いたら、早速練習をした。まあ、
練習自体は普段どおりにこなした。食事は、食堂でみんな揃って食べる。毎
日部活で顔をあわせる仲だが、全員そろって食事をするというのはこの時を
おいて他にないので、とても楽しい心持ちがする。女子でも、意外とよく食
べる人がいたりすると、なお楽しい。白井は、普段はよく食べるのに、こう
いうときは恥ずかしいのか、遠慮がちである。普段はおやつ代わりにパスタ
を平らげるような女である。しかし太らない。やせの大食いというやつであ
ろう。ちっとも食べないより、健康的かつ頼もしくてよろしいと僕は思って
いる。食事を終えると、風呂である。残念ながら浴場は広くないが、やはり
みんなと一緒だと楽しい。合唱部だから、湯に浸かりながら大声で歌う。浴
室というのはたいてい音がよく響くので、いつもの倍はうまくなったように
感じられて、気分が良い。入浴を済ませばあとは寝るだけだが、消灯までは
少し時間があるので、それまでは自由時間となる。男子と女子は当然別の部
屋なので、女子の部屋で何が起こっているのかはわからない。男子の部屋で
は、布団をマットにしてプロレスをしたり、枕投げをしたり、高校生でも男
子というのは全くガキである。と言いつつ、楽しいので僕もやる。やがて消
灯時間になり、みんな布団にもぐり、暫くはその体勢でぶつぶつ喋っている
が、そのうちみんな寝てしまう。毎年、オールナイトは三日目の夜と決まっ
ているのである。
 朝は、河口湖まで歩いて行って体操をする。これが歌となにか関係あるの
かという気もするが、体を動かして寝惚けた頭を覚ますのは重要だ。体がし
っかりしていなければ良い声は出ない。湖の近くは、真夏でも、空気がひや
りとしていて、いい気持ちである。再び東京と比較するが、東京の夏はいつ
もじっとりべたべたしていて、いい気持ちなんぞと思うことは稀である。そ
ういう空気に慣れているから、環境の良いところの空気というのは格別なの
である。そうしてそれから、民宿に戻り、朝食、練習、昼食、練習、夕食と
いう具合に過ぎていく。三日目も同じようである。が、夜になると、みんな
このときを待っていましたと言わんばかりに浮かれ出した。まるでそれだけ
のためにここまで来たというような様子である。実際そうなのかもしれな
い。
 風呂からあがり、部屋に戻ると、先にあがっていた男子数名と、女子数名
が、すでにトランプで遊んでいた。女子は、僕が気に入っている一年生女子
であった。水谷はいなかった。
「先輩もやりましょうよ」
 笑顔でそう言われて嬉しい僕は、仲間に加わることにした。トランプは、
大富豪とかいうゲームをして遊んだ。僕は勝ったり負けたりした。Tシャツと
ジャージという、気楽な恰好の女子と遊んでいるので、それだけでも楽しか
った。
 僕ら以外にも、それぞれの人が、それぞれの部屋で、遊んだり談笑したり
しているようであった。部内に好きな人がいる者は、この合宿の日を狙っ
て、告白をしたりする。この年も、某君が某さんに告白するらしいなどとい
う噂が流れていて、みんなその動向を気にしていた。
 僕はふと、白井はどうしているかなと思った。交際しているのはみんなに
知られているが、さすがにみんなの前でいちゃつく気にはなれないので、一
緒にいられないのは残念だが、仕方ないと諦めている。が、気になることは
気になる。男子の部屋の方には来ていないので、大方女子どもと何かしらを
して楽しんでいるだろうと思った。水谷と同じ部屋だったはずなので、付き
まとわれて困っているかもしれないなどとも思った。
 そこへ、また新たに女子数名が遊びにきた。自然な成り行きで、その子ら
も一緒にトランプをすることになった。その子らは、白井や水谷と同室の子
らであった。僕は何故だか嫌な予感がした。
「白井は?」
 白井と同室なのだから、そう訊いても不自然ではあるまいと思って、そう
訊いた。どうしてかわからないが、訊いてはいけないことを訊いているよう
な心持ちがした。ちなみに、白井のことは、人前では下の名前を使わずに、
白井と呼ぶ。いかにも慣れているというところを見せ付けるようなのが照れ
臭く、いやだからだ。
「私たちが部屋を出るときは、部屋にいましたよ。唯ちゃんと一緒に」
 僕は慄然とし、つい、
「二人で?」
 と言った。女子たちは頷いた。僕は何だか、とても、とてもいやな気持
ち、不快を感じた。どうしてそう思うのかわからなかった。
 いや、わかっていた。僕は様子を見に行きたいと強く思った。しかし、想
像に過ぎないことで、和気藹々と盛り上がっているその場を去るのは、不自
然であるように思われて、できなかった。結局、下らない妄想をしすぎたと
自らに言い聞かせて、うわべは何でもないように、大富豪を続けるしかなか
った。
2006/10/23 22:13:17(S9QzlajD)
2
投稿者: ぷりんちゃん ◆A2jmCQfU6Q
うっわー 超気になるぅぅ~ヾ(≧∇≦*)ゝ
part2の1から一気に読んだからこんな時間になっちゃった 笑
part1で終わるようなこと言ってたから残念に思ってたけど番外編を発見したときはうれしかったのに さらにpart2まで書いてくださってとってもうれしいです(^-^)/
この先どうなっちゃうんでしょうか…すっごい楽しみ(^ε^)♪待ってま~す♪(*'-^)-☆
06/10/24 05:55 (La9TtCcj)
3
投稿者: (無名) ◆KnFHojOWaA
やばい
気になり捲り過ぎる
06/10/24 08:48 (xAbFHbrt)
4
投稿者: (無名)
バッドエンドゎやだなぁ
06/10/24 16:04 (bEDXmd8Y)
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