「あの事」を、相談しようと考えていた駿は、翌日の深夜に、かおりの部屋
に行った。
「叔母さん……駿です。ちょっといいですか？」
　かおりの部屋の襖を引いた。
「どうしたの？こんな遅くに…」
「話したい事があって…」
「わかったわ、じゃ、入って」
「すいません…恭子ちゃんが寝てからじゃないと」
　駿は、かおりの部屋に入ると、適当に腰をおろした。
「なーに、改まって、何の話？」
「実は、おれと恭子ちゃんのことで……」
　駿は、かおりの顔をじっと見据えていった。
「駿くん…あの事をいいたいのかしら」
「ま、あ……」
「あなた、ゆうべ、恭子を本気で抱いて気づいたのかもね。自分の偽りのな
い恭子への気持ちが、ねっ！、そうじゃないの？」
　かおりは、駿の心を見透かしたように、駿の眼を見ていった。
「……そうかもしれません」
　駿は、素直に答えた。
「もう少し、もう少し待ってくれない？今、それを話したらあの娘…学校も
やめるかもしれないわ。もうすぐで、クラブの夏の合宿があるし、それまで
わたしに考える時間もらえないかしら」
　かおりの意見には筋が通っていて、これには駿も、賛同する以外にないよ
うだった。

　夏休みに入り、恭子は、クラブの夏の強化合宿で、約一ヶ月行くことにな
った。
　かといって、かおりと駿の生活状況が、変わるでもなく、平々凡々と時間
は過ぎていった。
　恭子が、合宿に行ってしばらくすると、ある夜かおりが、身体を求めて駿
の部屋にきた。
「駿くん……たまには、いいでしょう？わたし、欲しくて…」
「・・・・・・」
　かおりのいたいけな気持ちを、駿は突っぱねることができずにかおりを迎
えいれていた。
　駿は、いきなりかおりのパジャマを脱がした。かおりは、ブラジャーをし
ておらず、駿は、露わになった胸を荒々しく揉みながら、かおりに唇を這わ
し強引に押し倒した。
「あ…！ちょ…！乱暴にしないで…駿くん！あっ！」
　駿は、下衣も、まるで聞き分けのない強姦魔のような乱暴な手つきで強引
に引き下ろすと、両膝を掴んで股を開き、股間に顔を埋めると、舌全体を使
って舐めはじめた。
「しゅ、駿くん！強引にしないでッ！こんなのイヤッ!」
「．．．．．．でもこんなに濡らして、フフッ．．．。」
　駿は愛撫をやめずに、舌先の動きは更にエスカレートした。
「あん!こ．．．んな．．．あっはぁ!ううっ．．．」
「チュルッ．．．チュルルッ．．．ビチャッ！」
　駿は舌の根から舌先へと、蜜をこぼさないように下から舐め上げる。
「ヒ…ヒィヤァッ！あううん．．．とってもいいっ！あん．．．！！」
　肉襞に舌を添えつつ、両手はかおりの乳首を指ではじいたり、クリクリと
ネジってみたり、思いのままに弄んでいた。
「クゥ．．．ウッ、あっ、あああん！、ああっ．．．！かっ、感じるっ！」
　溢れ出るかおりの蜜を、吸っては舐め、舌を交互に使い分けると、かおり
から淫らな喘ぎ声が、次々と漏れてゆく。
「そ．．．それっ！ああ．．．いい．．．！！あん．．」
　駿は、上目遣いにかおりの淫らな肢体を覗き込むと吹き上がる欲望を止め
ることはできず、勢いよく起き上がると、かおりを反転させうしろから花園
を愛撫した。
「いや～ん．．．こんな、あん！
　．．．は、恥ずかしい、あ、あふぅん、あぅ．．．．．．」
　駿は、かおりの上体をわずかに反らせ、下からペニスを押しあてると、腰
を斜めに上げながらゆっくりとペニスを挿入させた。
「あ．．．！！あ、あ、あ、な．．．なに？これっ．．．！
　うう．．．あっんん．．．！！気持ちいい～」
　かおりは、頭から仰け反ると歓喜の呻き声を上げた。
　駿は、乳首を挟みながら胸を撫で回し、背中に舌を這わせ、腰を小刻みに
震わせながら突き続けた。
「うっ．．．ん、あああ．．．！そこよォ×××××あっ！
　×××××だ．．．だめェ！いいッ．．．！！」
　かおりは頭を俯かせ、狂喜のあまり大声で悶え声を上げ、背中に汗をした
たらせながら震え始めた。
「だめよォ．．．だめェ．．．ハァ～～．．．
　××××××あ．．．だめなの．．．アゥゥ」
　駿は、そのまま寝そべると、かおりの両腕を引っ張って、身体を反らせ一
気に貫いた。
「ああ～入ってるぅ．．．あっ．．．！あっ奥までェ！
　きてェ．．．ああ．．．！きてェ．．．．．．」
　駿は、微妙な快感を下半身に感じると、息つくまもなく腰に力が入る。
「ううう．．．ハァ～～ハァー．．．」
「あんっ．．．！いいっ！．．．イクッ、イクゥ．．．．．．」
「．．．．．．．．．ウッ！！」
「あああ．．．！！アヒィ．．．だめェ！だめェ！あ、
　あああ．．．イ．イク．．．」
　かおりは、快感の絶頂に達すると、駿の身体とは反対方向に倒れた。
　駿も、肩で息をハァーハァーさせながら、快感に酔いしれている。
　かおりが、駿の胸に抱きつき顔をみつめると、不思議そうに喋った。
「？？？駿くん．．．激しかったわね。どうして？」
「．．．．．．お、叔母さんの身体のせいですよ」
　駿が、静かに口を開いて、かおりにいった。
「まあ！お世辞でもうれしいわァ．．．」
　駿は、また、黙り込んでいる。
　<叔母さんは、魅力的でどうしても熱くなってしまう>
　駿の正直な気持ちだった。
　確かに、かおりの身体は、綺麗で艶かしい肢体をしていて、まるで吸い込
まれるように夢中になってしまう。この素晴らしいかおりの肢体を抱いてい
ると何もかも忘れ、セックスに溺れてしまう駿が、そこにいる。
　娘の恭子も同じような感覚で、虜にしてしまうほどの女のフェロモンが、
駿を包み、夢中にさせてしまうのでないかと思ってしまう。
　駿は、この母娘の艶かしい肉体から抜け出せなくなっていることに、まだ
気づいていない。その感覚を、身体だけが記憶しているからだが．．．

「あの事を、恭子ちゃんに話すべきか迷っています．．．」
　駿が、かおりの顔を見ていった。
「そう…本当は、「血」の、繋がりが無いことを、恭子が知ったらどういう
　態度であなたに接するか、それが心配なんでしょう？」
「ええ。ただ……少しずつ恭子ちゃんを愛しはじめている…そんな自分がい
ることも、否定できません」
「なら、自分の気持ちに正直になるしかないわよね」
「・・・・・・・・」
　駿は、考えた。恭子は、十六になったばかりである。いくら恭子に迫られ
て、処女だった恭子を抱いてしまったことは、事実に変わりは無い。
　その責任からなのか、それとも、純粋に恭子を愛しているのか……今の駿
の頭の中は、その二つが入り乱れていた。
　
　恭子の、合宿が終わろうとする頃、駿の勤務するイタリアンレストランで
も、あるトラブルがおきていた。　

　駿が、レストランに出勤すると、見習いの古村が、駿のもとに駆け寄る
と、信じられないことを口にした。
「武田先輩！イタリアのフィレンツェ本店で、欠員が出て、この店から急遽
二人ばかり本店に引っ張られるみたいですよ！」
「そんな！急に…」
「今、オーナー、マネージャー、金沢チーフが、話し合いしてます。武田さ
んが来たら、すぐにオーナー室にと……」
「わかった！すぐいく」
　駿は、足早にオーナー室に駆け込んだ。
「オーナー！本当ですか！今、古村に聞きましたが」
「ああ、ベテラン二人が、他店に引き抜かれたらしい。すぐには腕の立つ料
理人なんか見つかる訳も無く、こちらから派遣するか検討中なんだ」
「そうですか……」
　駿は、そのことを聞いて肩を落とした。まず、自分が行かなくては、ここ
のオーナーと本店のオーナーに、義理が立たないことを十分把握しているか
らだ。
「とにかく……武田にはしばらくの間、本店を支えてもらうことになるだろ
うなァ」
　腕を組んで、むつかしい顔をしながらマネージャーがいった。
「わかってます！本店のオーナーにもかわいがってもらいましたから、お役
に立てるなら…」
「すまん…武田。帰ってきて半年もたたないのに……」
　オーナーが申し訳ないと、駿に頭をさげた。

　駿は、その夜どう切り出そうか迷っていた。
　<恭子ちゃんが、帰ってくるのは間に合うかな…>
　駿は、イタリアに戻ることを、かおりに話した。
「ええ！せっかく日本に戻ってきて一緒に暮らせたのに…」
　かおりは、驚いて言葉を詰まらせた。
「で、いつ日本を発つの？」
「五日後です……」
「じゃ！恭子が帰ってくる前に……」
「そういうことになりますね」
「・・・・・・・・・・」
　かおりは、押し黙ると、目から涙が、ぽつり、ぽつりと落ちていた。

　恭子の合宿が終わる、一週間前の夜だった。

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