きっかけは覚えていない。覚えていないぐらいだから大してことではなかっ
たのだろ
う。きっかけよりも今こうして彼女が横にいることの方が大事である。こう
していろ
んなことを考えながら運転している間にも、彼女は私の横で玩具で執拗に自
分の弱い
ところを攻めている。その玩具は私が今日のドライブのために手に入れたも
のだ。
彼女はもうすでに何度も果てているはずだし、家に着くまでにあと何度も果
てるだろう。
私は運転をしながら、彼女の敏感な部位を運転に邪魔にならない程度でもて
あそぶ。
彼女が激しく声を上げながら大きく果てた・・・
私のズボンをまさぐりだした。私も少し腰を浮かし、彼女のしたいようにさ
せる。私
自身が彼女の生暖かい舌に包まれる。時に運転を放棄したくなる衝動に駆ら
れるが、
何とか自制しつつ、また左手で彼女自身に触る・・・
こんなことの繰り返しを何度しただろう・・・

至福の喜びの時間だ。
彼女は私のことをどう思っているのだろうか？
自分の表情と言うのは自分で見ることができない。
彼女が車に乗ってきたときから、彼女は私の顔をじっくり見ていたに違いな
い。
私は運転をしているので、彼女の事を見ることができない。
おそらく、私は冷たい目をしていることだろう・・・
今こうして彼女が私自身をいとおしく舐めているときも冷たい眼をしなが
ら、彼女の事を見ているだろう・・・
内に燃え上がるような欲望を秘めていながらも、傍から見れば、極めて冷静
に見えるはずだ。
彼女は私の冷たい視線と熱い掌、指先にギャップを感じながらも、私の命令
に従うことで、
己の欲望の箍をはずしてしまった・・・
彼女自身の欲望の扉を開けるために、彼女も、私も暗黙のうちに主従関係を
作り上げ、
彼女は「この人に命令をされている。これは私に意思ではない・・・」と自
分に
言い訳しながら自分の欲望を満たしている・・・
私の欲望は彼女が、彼女自身に対し言い訳をしながらも私の言うことを聞い
ている姿、
いや、言うことを聞いている「ふり」をしながら彼女の欲望を満たしている
姿を見ることである。


その日、夕方待ち合わせをした。お互いほとんど初対面に近い状態だった。
メールでは何度もやり取りをした。
しかし、私はほとんど彼女のことはわからないし、彼女も私のことはほとん
どわからないはずだ。
ただ、彼女は私の提案した、「混浴露天風呂に行こう」と言う提案にすぐに
食いついてきた。
「条件はバスタオルを使わずに小さなタオルだけで」この条件にものってき
た。
あとは、私は彼女の奥に眠る欲望を引き出すだけだった・・・
彼女は私の車を覗き込み、すぐさま乗り込んできた。最初の数十分はとりと
めのない話をした。
とはいえ、私にしてみればその話の内容の中に彼女の欲望を見出すには十分
の話だった。
最初のパーキングエリアに停まった。そこで最初の命令に入った。
私の準備したワンピースの着替えさせた。実際着てみるまでは不安だった
が、予想通りののみためになった。
豊満な体に小さめの体のラインを強調したワンピースで、当然のように下着
の着用は禁止した。
かろうじて下の毛は隠れていたが、胸は徐々に小さな乳首が自己主張を始め
た。
さぁ・・・始まりだ！
車がスピードに乗ってきた。ふと前を見ると先ほどパーキングエリアにいた
中学生の修学旅行生を乗せた観光バスが法定速度を守って走っていた。
彼女の手には、私は彼女に与えた玩具が握られていた。
バスの横について並走をした。
「中学生に見せてやりなさい。」
彼女は私の言葉に躊躇した。私のほうからは見えないが、彼女のほうからは
彼らの表情まで見えるはずだ。
間違いなく何人かの中学生は社内の友達との騒ぎとは別に、窓の外に目を向
けていた。
そこに妙にスピードを落とし併走している車が来た。当然彼らはその車に興
味を惹かれるだろう。
そこには・・・
彼女が奇声を発しながら玩具を動かし始めた。
見られたのだ。いや、見られているのだ。時間にしてみれば数十秒のことだ
ろう。しかし、
中学生の彼らにしてみれば、衝撃的なことであろうし、彼女にしてみればこ
の上なく刺激的なことだったに違い。
これから始まるであろう事の前戯としてみれば申し分ない出来事である。
私はそのまま車のスピードを上げた。彼女も玩具を動かすスピードを上げ
た・・・
何度も果てたようだ。
また、パーキングに入り私はトイレに行った。彼女にジュースを買ってくる
ように命じた。
あえて１０００円札を渡した。彼女はジュースをとるのとおつりをとるのに
お尻を突き出さないととれない。
私は車の中で待っていると彼女が走って車に戻ってきた。明らかに上気した
顔つきだった。
感想を聞くと彼女はいろいろ話し出した。私にとって重要なのは彼女の感想
を聞くよりも彼女が感想を言うために先ほどの事実を思い出すこと、そして
そこに興奮した彼女自身を再認識させることだ。
下着を着けていない彼女の股間に手を伸ばしていた。
池だ。しかし表面は池でも底は浅く、その奥には永遠に続く沼があっ
た・・・
私は一本の指をその沼に差し込んだ。ほどなく二本目も吸い込まれていっ
た・・・
静かな車内に彼女の声と「ぴちゃぴちゃ」と沼をかき回す音だけが響いた。
彼女はまた果てた・・・

現地に着いた。傍から見れば普通のカップルである。よく見れば彼女の格好
が温泉に入りに来たような格好ではないこと意外は、普通のカップルに見え
たはずである。
男女別々の更衣室に入った。男性の更衣室は服を置くだけの棚があるだけで
ある。
かろうじて女性のほうは覆いがしてあり扉もある。
私が着替えだすといきなり底にいた男性が話しかけてきた。
「掲示板の方ですか？」
彼は極めて小さい声で聞いてきた。
「そうですよ。あなたのHNは？」
私もつられて小声でしゃべった。彼は見慣れたHNを名乗った。
「今着替えてますからしっかり見てやってください」
続けて私がしゃべった。緊張のためか武者震いなのか、かすかに身震いを感
じながら・・・

「さぁ始まりだ」

私は心の中で雄叫びをあげた。見た目にはまったくわからない。私の心の中
だけの叫びだ。

彼女が更衣室から出てくるのを待った。
彼女が出てきた瞬間、その場の空気が変わった。明らかに彼女の体にそこに
いる男性の視線が集中した。
私自身かなり高ぶっていたので、空気が変わったように感じただけかもしれ
ないし、男性が皆彼女を見たように感じただけかもしれない。しかし私には
そう感じたし、それは彼女にとってもそうだったようだ。
それで十分なのだ。彼女が必要以上に周りの目を意識して、観られることに
集中するだけで、
それは彼女の体質と言うか性癖にしてみれば、十分前戯なのだ。彼女の体は
見知らぬ男性の視線に晒されるだけで、無数の手で体中を愛撫されたり、体
中を舐められたりするのと同じことなのである。
彼女が更衣室から出てきたのを確認して、私は湯船のほうに歩いた。彼女も
私に遅れじと小走りでついてきた。
私は躊躇する彼女を横目にかけ湯をしてすぐに湯に浸かった。大きな湯船の
奥のほうに陣取った。
彼女は私に目で助けを求めながらも私に付いてきた。
彼女が私の横にたどり着くや否や、まるで砂場に磁石を投げ込んだかのよう
に男性が集まってきた。
遠くにいる男性も視線を吸い寄せられている。
メールでやり取りした男性が数名はなしかけてきた。
不思議なものだ・・・皆私の目をうかがいながら、私の目を盗みながら何と
か彼女の体に触れようとしていた。
中には彼女に膨張しきった彼自身を握らせる男性もいた。彼女の明らかに温
泉とは違う潤み方をした彼女自身を触るのに躍起になっている男性もいた。
皆、彼女には余り気を使わず私の目を気にしていた・・・
彼女も私の目を気にしながら押し寄せる欲望と快楽と、自制心の狭間で熱い
視線を私に投げかけていた。

至福の時間だ・・・

何度か口走っていた
まさに私にとってその彼女の姿を見るのが至福の時だった。
数時間の間に彼女は初対面の人間に対し、自らの裸体を晒し、もてあそばれ
た。
そしてその行為はある種の女性が本来密かな願望と言う形で心の奥底に秘め
ているものであり、
たいていの女性はその行為を経験することなく一生を過ごすものである。
彼女はそれを経験してしまった。
自分の住む街から離れ、非日常を創る事により、彼女は欲望を満たそうとす
る一匹の雌にになった。
そこには飼い主の存在が不可欠であり、飼い主の存在により彼女は自由にな
った。

また戻るところがあるからこそ、自由になる喜びを知ったのである。

温泉から上がり帰路に着いた。
帰路の途中、彼女は私のものになる洗礼を改めて受けた。
半日かけた長い長い前戯の末、彼女は私のもになった・・・

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