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週末の金曜日、仕事帰りの松田圭介はいつもの帰り道を歩いていた。
繁華街を通り過ぎ、公園の前を通る。 普通は定時で帰れるのだが、金曜日はその週の終わらない業務を行うことが多く、ここを通るのは21時、22時になることが普通であった。 公園の前には若い女性が何人かいる。 誰かを待っているように立ってたり、道路にしゃがみ込んでスマホをいじったり。 皆、短いスカートや肌を露出させた服装で、群れる事なく。 そう、ここは週末になるといわゆる「立ちんぼ」の女性が支援してくれる男性を求めている場所なのだ。 それほどその界隈で有名な場所ではないのだが、わかる人はわかるらしく、時々声をかけ交渉している男を見かけたことがあった。 圭介はできるだけ関わらないように、道の端の方を歩いていたが、何気なく公園の方に目をやった。 そこには周りの女性よりひときわ若そうな女の子がいた。 長い髪をツインテールにして、ゴスロリというのだろう、黒ずくめでアクセサリーがジャラジャラ付いた服装で、道に座りスマホを眺めていた。 「あのコ…未成年じゃないのか…。絵里香とそんなに変わらないみたいな…」 圭介の娘、絵里香と同じくらいのその女の子に目が行ってしまった。 圭介が見ていると、女の子は不意に顔上げ、圭介と目が合った。 すると、女の子は何かを含んでるような感じでニヤリと笑い、両脚を開いた。 圭介からは、その女の子の下着が丸見えになっていた。 黒ずくめの服装から伸びる女の子の色白な肢体、その中心に白い下着が目に飛び込み、思わず圭介は目を逸らし、足早に家路を急いだ。 日曜日 圭介は、たくさんの買い物袋を持って帰宅した。帰る途中で雨が降り出し、家に着いた頃は土砂降りとなった。 圭介はおととし離婚している。原因は、圭介の浮気だった。それは10年も前の話で、一旦は妻も許してくれたが、何かあるたびその事を思い出し、ケンカすることが多かった。 今、妻は娘の絵里香と妻の実家にいる。 絵里香は通学途中にある圭介の家に時々来ることはあった。 家に帰って、食材等をしまい、ようやく一息つける。 圭介は早めのビールを開けようとしていると、スマホに絵里香からの着信があった。 「もしもし、お父さん?今カラオケ来てたんだけど、スゴい雨でさぁ、迎え来てくんない?」 なんだよ…とは思ったが、 「わかったよ、どこのお店?あぁ、じゃあ20分くらいで着くから。」と言って、電話を切った。 そしてビールを冷蔵庫にしまい、車でカラオケの店に向かった。 到着すると、店の中から絵里香が土砂降りの中走って出てくる。その後をもう1人、女の子は追ってくる。 2人は勢いよく後部座席に座り、 「ヤバかったぁ〜」濡れた服をハンカチで拭きながら 「友達、家まで乗せてって」と言った。 あぁ、いいよ、と言ってバックミラー越しにその友達を見た。 「あれ?このコ、どっかで…」圭介は見覚えがあるような気がしたが、思い出すことはできなかった。 そのまま車を出し、その子が言う所に送っていった。 「ここで大丈夫です。」その子が言ったところで車を止めた。 「じゃあ、明日。またね。ありがとうございました。」と、絵里香と圭介に挨拶をして車を降りた。 長い黒髪で、ちょっと痩せ過ぎと言ってもいいくらいか細い身体だった。 圭介は車を走らせると、絵里香に聞いた。 「学校の友達だよね?」 「そう、藍莉。去年までクラス一緒でよく遊んだりしてんの。」 「そうかぁ。あ、どうする?うちに寄ってくか?」 「ん、いいや今日は。まっすぐ帰って」 そう言われて絵里香を妻の実家に送っていった。 次の週の金曜日。今日も圭介は残業だった。昨日が給料日ということもあって、仕事が終わってから部下と飲んだ帰りですでに23時を過ぎていた。 その日もあの公園の前を通った。 公園前はいつもより遅い時間に通っているせいか、賑やかだった。 何人かの女性の前に立って、話している男達。若い男や、中には圭介よりも歳が上であろう中年男性の姿も見えた。 「こんな事して…結局売春だろう…捕まっちまうぞ…。」彼らを横目で見ながら公園を通り過ぎようとしていた。 すると、こないだのツインテールの女の子の姿があった。彼女はまた地べたに座り込んでスマホを見ていた。 圭介は思わず二度見した。 それは、こないだ絵里香を迎えに行ったときに乗ってきた女の子だった。 「間違いない…、あのコ、藍莉とか言うコだ…。ってことは、高校生でウリ?…」 そんな事を思いながら、彼女を見ていると、向こうも気づいたらしく、 「おじさん。」と声をかけていた。 「おじさん、絵里香のお父さんだっだね〜、昨日はありがとね。」 昨日、車の中では物静か話していたので、この馴れ馴れしい態度に圭介は驚いた。 「君は…藍莉さん、だっけ?まさか立ちんぼなんかしてるの?…」 「えっ、見てなかった?座ってたじゃん。立ってないでしょ笑」 「いや…そう言うことじゃなくて…ウリをやってるのか、って。」 「違うよ、お小遣いくれる、って言われたらもらって、ちょっとだけデートしてあげんの。」 それがウリだろ…圭介は聞こえないように呟いた。 彼女は、 「あ、絵里香にはナイショにしてて。友達なくすと困るからさ。」 「絵里香だけでなくて、親とか学校にしれても困るんじゃないか?やめたほうが…」 と圭介が言うと、 「おじさん。」と彼女が言葉を遮った。 「遊んでみる?友達のお父さんだから、サービスしとくよ1.5で。」とニヤリと笑いながら言った。
2025/11/21 20:21:23(9wyiSu3q)
「藍莉さ、こっちの方上手い、って言われんだよね。」と言いながら、自分の人差し指を口に咥えた。
その意味するものを悟った圭介は、踵を返し、「…興味ない…」と歩き出した。 それに並ぶように、彼女もバックを後ろ手に持ち歩き出した。 「なんでついて来るんだ…」と思った圭介に彼女は、 「興味ないの?こんなに若くてピチピチした可愛いコが誘ってるのに?」 「…」圭介は無言で歩いた。 「パンツ見たじゃん?あれでも?」と彼女はまた話してくる。 「見たんじゃなくて、見せたんだろ…、ってか、なんでついて来るんだ?」 「ん〜、おじさんならサポ無しでもいいかな〜、って思ったからさ笑」 それを聞いて、圭介は歩を速めた。 彼女はそれを見て諦めたのか、立ち止まった。そして、大きな声で、 「おじさ〜ん、今度遊ぼうね〜」と手を振っていた。 「あんなコが絵里香の友達だなんて…」 圭介は悶々としながら家に向かったのだった。 数日後、圭介は絵里香と食事に来ていた。 妻は介護の仕事をしていて、今日は夜勤、祖母も友達と温泉に出かける、ということで一晩圭介の家に泊まる事になっていた。 せっかく娘が泊まりに来るので、料理をするつもりだったが、絵里香に拒否され、回転寿司屋に来ていたのだ。 食事をしながら圭介は、 「こないだ車に乗せた…藍莉、ってどう言うコ?」と聞いてみた。 「えっ、なんで?気になる?」 「いや、絵里香の学校の事とかあんまり聞かないし、友達もわからないから…どういうコなのかな、って思って…」 「ふーん、そうか。藍莉はねぇ…どっちかと言うとサイコパス。」 「えっ?」圭介は思わず聞き返した。 「なんていうかさ…普段はこないだみたいに大人しいんだけど…例えば、何かに夢中になったりとか、人が変わるというか…口調とか…でもね、それはホント、たまにだから。全然普通、普通。」 なるほど、圭介はなんとなくわかるような気がする。 車に乗ってた時と、公園で声をかけてきた時が、あまりにもギャップがあり過ぎた。 絵里香は続けて、 「なんか親がさ…毒親みたいだし…」 毒親?どういう事だ?と思ったが、それ以上は聞けなかった。 その次の日 定時で終わった圭介は、スーパーに寄っていた。今日の酒の肴を選んでいると、 「おじさん!?」と、声をかけられた。 そこには黒髪を下ろし、ノーメイクでメガネをかけた夏服の女の子が立っていた。 一瞬誰か分からなかったが、すぐ藍莉だと気付いた。 「おじさん、買い物?」そう尋ねる藍莉に圭介は無言で頷いた。 「今日は何食べるの?ふーん、お刺身かぁ。」そう買い物カゴを覗き込んでくる。 カゴを隠した。 買い物を終え、スーパーを出ると、藍莉もついてきた。 「なんで…ついて来るんだ?…」 「藍莉んち、こっちだもん。」 それ以上は何も言えなかった。 藍莉はいろいろ話しかけてきたが、誰かに見られたりでもしたら、早くこの場を去りたい、そんな気持ちがいっぱいで、 「ああ…」「うん、そう…」と適当に返事していた。 気のない返事をされていることに気が付いた藍莉は少し考えて、 「私とエッチしたい?」と聞いてきたことに、圭介はそこまでの流れで「うん」と言ってしまった。 言ってからハッと気付き、 「いや!違う!そうじゃない!」と慌てて言い訳をした。 藍莉はプッ、と笑って 「おじさん、面白い笑笑」とクスクス笑ってる。 圭介は気を取り直してまた聞いた。 「なんで…あんな事してるんだ?…」 藍莉は、う〜ん、と考えるような素振りをしている。 「お金か?」 「う〜ん、それもあるけど…セックスするのが好きだからかな、気持ちいいし笑」 圭介はそれを聞いて、はぁ、とため息をつき、少しおいてから言った。 「あのさ…その時はいいんだ、大丈夫、って思っても…将来、絶対後悔することになることがあるんだよ…。だから…だから、自分で少しでも後ろめたいことがあるんなら…やめたほうがいい…。」 藍莉はびっくりしたような顔をしている。 そして、取り繕うように、 「な、なぁに〜?説教?そんな、親も言わないようなこと言わないでよぉ〜。」 と誤魔化したように言った。 「もし君が俺の娘だったら、ぶん殴ってでも首に縄を付けてでもやめさせる…。でも、君は俺の娘じゃない…。だから、こういう事を言うしか…ないんだ…。」 続けて言った圭介の言葉に、藍莉は明らかに動揺してるのがわかった。 藍莉は一瞬、気付かされたように真面目な顔をしていたが、 「じゃあさ、」と切り出してきた。 「おじさんが藍莉とエッチしてくれたら…そしたら、やめるよ。」と、いつもの調子で言ってきた。 それを聞いて、圭介は顔をしかめ、無言で歩き出した。 歩きながら、「バカにしやがって…」とイライラしてきた圭介は、そのまま足早に家に向かった。 藍莉はその後ろ姿を見ながら 「あ〜あ、怒らちゃった…ダメだなぁ、私…」と自分に呆れるように言った。 そして、独り言の様に言った。 「やべっ、好きかも…おじさん…。」
25/11/21 20:22
(9wyiSu3q)
「松田さん、娘さんからお電話です。」
部署内の女性社員から声がかかった。 娘?なんで会社に直接…不思議に思いながら、保留のボタンを押した。 「もしもし?絵里香?」 受話器から聞こえたのは、 「おじさん?藍莉。」 藍莉からの電話だった。 「なっ!…」思わず声を出した圭介は、周りに聞こえるわけでもないのに、隠れるように話続けた。 「なんで…なんでここがわかった?ってか、なんで電話なんかしてきたんだ?…」 圭介は周りを伺いながら、コソコソと話し始めた。 「あのさぁ、今会社の前にいるんだけど、ちょっと来れない?ちょっと財布忘れちゃって。少し貸してくんない?夕食の買い物できなくて。」 「そんな知らないよ!…」 「えぇ、定期も入ってるから帰れないの、おじさん、お願い!」 それから2人は会社近くのカフェにいた。 「なんで財布忘れた人がこんな所にいるんだ?」圭介は、あきれた顔をして言った。 「だって〜、外にいると日焼けしちゃうと悪いし〜。」 藍莉は悪びれる様子もなく言った。 「って言うかさぁ、なんでここわかったの?会社。」 「ん〜、絵里香から聞いた、ってか、言ってた。おじさんの話してて、どんな仕事してんの、って聞いたら、ここにいるって。」 はぁぁ~、と言って、愕然と圭介は額に手を当てた。 「…5000円でいいか…。」そう言って、圭介は財布から5000円を取り出した。 「ありがと、恩に着る!」と、藍莉は手を合わせて、5000円を手にした。そして、 「金曜日返すから、絶対来てね!」と言った 「金曜日…公園か?いや、その日は何時にそこに行くか分からないぞ!?」 「大丈夫だよ、その日はおじさん来るまで相手しないで待ってるから。」 「相手、って…やめろ、って言っただろ!?」 思わず、圭介は言った。 すると藍莉は、圭介に近づき、 「だってさぁ…だってまだおじさんとエッチしてないじゃん…」 そう耳元で呟いた。そうして藍莉は先にカフェを出ていった。 「ったく…。」呟きながら、会計を見る。 「!あのコ飲んでたカフェ・なんとやかんとや、ってこんなにするのか!」 またため息をつきながらレジに向かった。 金曜日。 圭介の仕事自体は珍しく早く終わったのだが、こんな時に限って圭介の上司から飲みに誘われた。上司の誘いを無下にすることもできず、結局公園に着くまでには、22時までかかった。 圭介は足早に向かっていたが、途中で、 「わざわざ行く必要ないんじゃないか?5000円くらいくれてやってもいいし、会う義理もないんだ。」 そう思い、歩を緩めた。 「会社にまで電話をかけてくる、何を考えてるか分からないんだから、もう一切の関係を切りたい…いやいや、関係、と言うほどの事もないのだから…。」 だが、すぐ思い直した。 「もしかしたら…また会社に、お金返す、って電話してくるかもしれない…。」 圭介は立ち止まり、 「もしかしたら…俺が来るまでずっと、ずっと待っているのかも…。」 そして、圭介は早足で歩き始めた。 公園に着くと、少し先にいつものように地べたに座り込む藍莉の姿があった。 姿を確認して藍莉の元へ向かった。 だが、藍莉に近づくのは圭介だけではなく、向こうから2人の男達が藍莉の下にやってきた。 その2人は警官だった。 まずい状況になった。行くに行けず、圭介はただ立ち尽くしていた。 警官が来ると藍莉は立ち上がり、下を向いたまま何か聞かれてる。 圭介は思わず公園内に入り、内側から藍莉の下に走った。 そして公園の中から藍莉と警官がいる所に出てきてこう言った。 「?娘が何かしましたか?」 突然の登場に、藍莉は目を丸くした。 「保護者の方ですか?」警官が言った。 圭介は続けて言った。 「はい、娘です。今日は仕事終わりに待ち合わせてから2人で食事をして、ちょっと私、飲み過ぎちゃって…公園のトイレに行ってて…。」 正直、こんな言い訳が通用するとは思っていなかった。だが、なぜかそんな行動をとってしまったのだ。 すると藍莉も、 「全部出した?スッキリした?」と、話を合わせるように圭介の背中をさすった。 警官達は無言だった。 焦った圭介は、また演技を続けた。 「ああ…大丈夫、こんなに酔っ払って、お巡りさんにも迷惑かけたら、ママに怒られちゃうな…」と、わざとらしい演技を続けた。 「あの…」警官の言葉にドキドキしながら返事をすると、 「最近この辺り、いろんな犯罪起きてるようですので。お気をつけてお帰りください。」と言ってきた。 そうして圭介と藍莉は、家に帰る振りをして、一緒に歩き出した。 しばらく無言で歩いていたが、不意に、 「おじさん…ありがと…。」 藍莉が言ってきた。その言葉は、純粋に本心の様に圭介に伝わった。 「…だからやめろ、って言っただろ…。」 2人は歩きながら話していた。 警官達はまだこっちを見ている。 「おじさん来なかったら…マジでヤバかった…。ありがと…。」 「もうこれで懲りただろ…。やめな…。」 藍莉は少し黙っていた。 もう警官からは見えない所まで来ていた。 「…そだね…、でも…」と言いかけて、藍莉の態度が変わった。 「私達ってさ、けっこう気が合うみたいでない?なんか、やりとりが夫婦漫才みたいで!」 この期に及んで、まだふざけてるのか… 圭介はまたイライラしてきた。 「俺と…」圭介の言葉に、「んっ?」と、藍莉は聞き返した。 「俺と…俺に抱かれたら…ウリをやめるのか?…」圭介は言った。 言ってから、何を言ってるんだ、とと後悔して言い訳しようとする前に、 「…うん…、やめる…マジで…」と、藍莉が今までにないくらいしおらしい様子で返答した。 奇しくも目の前には、ラブホテルがあった
25/11/21 20:23
(9wyiSu3q)
なぜ圭介がそんな強気になったのか分からない。酒が入っていたせいなのだろうか
圭介は、藍莉のか細い腕を掴み、ホテルの入り口へと向かった。 今までとは違う態度の変化に、藍莉は戸惑っていた。 「ちょっ、ちょっと待って、おじさん!」 「なんだ!?怖くなったのか?」 「でなくて…ってか…いいの…?」 「何…言ってんだよ、君から言ってきたんだろう!?」 確かに言ったけど…、そう思った藍莉だったが、口に出せなかった。 「なんでだろう…、今までこのおじさんよりも上の、気持ち悪い男達を相手してきたのに…もっと乱暴な感じでしちゃった事もあるのに…」 藍莉は今までの様にできない自分に戸惑っていた。 お金と快楽を目的でやっていた相手ではなく、今までで初めて好きだ、と言う感情を持った相手からの行動が受け入れられないことに、まだ気付いていなかった。 「やったらやめる、って、嘘ついてたんだな…。」圭介の言葉に、少しカチンとときたのか、藍莉は、 「…行こ…。」と、逆に圭介の手を引いて奥に入っていった。 部屋に入ると改めて藍莉は緊張してきた。 「な、なんか、部屋狭いね、思ってたより…」そう言ってゆっくり後ろを振り向くと、無表情の圭介が立っている。 そして、藍莉は圭介に突き飛ばされ、ベッドの上に横たわった。 「…っ!えっ、ちょっ!…」そう口にするやいなや、圭介が覆いかぶさってきた。 馬乗りになり、両手を押さえつけて見下ろす圭介の表情に、藍莉は恐怖に近いものを感じ、声が出なくなっていた。 「舐めやがって…大人を舐めやがって…。」 「お、おじさん…どうしたの?…」 「やったらやめる、って?…なんだよ、それ…あ゙っ!」荒げた声に怯える藍莉。 圭介は、藍莉の顎を掴み、「自信あんだろ?ここ!あ゙っ?気持よくさせんだろ?ここ!」と、藍莉のスカートの上から股間を掴んだ。 その瞬間、「いや〜っ!!」藍莉は激しく抵抗した。押さえつけられている以外の身体を、目一杯の力で。 「やだっ!こんなのやだっ!…おじさん、やめて!やだよぉ…、おじさんとこんなの…やだよぉぉぉ…」と藍莉は泣き出してしまった。 泣きじゃくる藍莉を見て、圭介は我に返ったようにおとなしくなった。 そして、押さえつけていた手を離し、 「ごめん…」と一言だけ呟いて、背中を向けた。 部屋の中は、藍莉の泣きじゃくる声だけが響く。その声に耐えられない様に、 「…帰って…帰ってくれ…」と言った。 そう言って立ち上がり、藍莉の事は見向きもせずシャワーを浴びに行った。 圭介は椅子に座ったまま、頭からを浴び、微動だにしないていた。 「なんてこと…してしまったんだ…」 いくら酔っていたとはいえ、いくら彼女にウリをやめさせるためとはいえ、あそこまで怖がらせる必要はなかった、圭介はそう後悔していた。 「でも…、これで嫌われればもう相手にしなくていいかも…」そんな風に考えていた シャワーから出ると、彼女の姿はない。 代わりに薄暗い部屋のテーブルに白いものがあった。 それは、1000円札が5枚。先日貸した5000円なのだろう。 「ああ…帰ったんだ…」そう思って、冷蔵庫からビールを出して、一口飲んだ。 ベッドに倒れ込んだ圭介は、 「もう何時だろう…宿泊料金の時間になっただろうな…」 そう思って、スマホを探すために起き上がろうと横を見た。 そこには、藍莉の顔があった。 圭介は思わず、 「わわわっ!わああぁ〜!」と驚き、後ろに後ずさり、そのままベッドから落ちてしまった。 恐る恐るベッドの下から顔を出すと、そこにはなにもない。 すると、同じ様に藍莉がベッドの下から、ひょっこり顔を出した。 「びっくりした?笑」そう言って藍莉は立ち上がり、ベッドに寝転んだ。 「…何、してんだよ…帰ったんじゃねえのかよ…。」 藍莉はフフッ、っと笑って起き上がり、 「待ってたんだよ、シャワー。」とシャワールームに向かった。 そして背中越しに、 「約束だからね…」そう言ってシャワーを浴びに行った。 しばらくして、シャワーを終えた藍莉がバスタオルを纏って戻ってきた。その姿に戸惑った。圭介は話のきっかけを探そうと部屋を見渡すと、藍莉の持っていた大きめのバックが目に入った。 「これ、たいそうな荷物だね。」 「ああ、これ?オプション。」 藍莉はそう答えた。 オプション?何のことか分からない圭介の頭は、???となっていた。 その表情を見て、藍莉は続けた。 「オプションだよ、アノ時の。」 そう言って、藍莉はバックを開けて、中の物を取り出した。 それは、電マやローター、バイブレーター等だった。 「これが1000円、これは2000円」 おもむろにベッドの上に投げ出された玩具を見て、圭介は言葉を失った。 「オモチャ以外もさ、あるんだよ、ごっくん5000円とか生ハメとか…」 「なんで…」圭介は言葉に詰まった。 「なんで…、こんなのにお金出させて…なんでそこまで…」藍莉は答えた。 「いろいろ事情あんの…」 そう言って、藍莉は真剣な顔をして、圭介を見つめた。 「おじさん…ホントに、…ホントにやめるから…抱いて…」 藍莉は圭介に抱きつき、そのままキスをしてきた。 圭介も答えるように強く抱きしめ、そのままずっとキスをしていた。
25/11/21 23:51
(9wyiSu3q)
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