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主婦の亜希子は居場所のない家庭に疲れきっていた。自分の存在を確かめるかのように自ら慰める毎日。 そんなとき、パート先のスーパーに大学生の萩野がアルバイトとして入ってくる。彼の教育係となった亜希子は彼と同じ時間を過ごすうち、しだいに彼の優しさや温もりに気付いていく。 人妻と大学生、静かに燃え上がる禁断の恋物語の結末とは。 本編へ続く ※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
2019/04/19 11:55:33(AJ.ua0Tx)
『おいおい、また今日もシリアルかよ。日本人なら朝はご飯と味噌汁だろうが。お前、最近手抜いてるんじゃないか?』 結婚当初は優しかった夫。 しかし今では何かにつけて小言を言うようになり、些細なことで言い争うことが増えてきたように思います。 『あ、俺、朝飯いらねーから』 高校生の息子は朝食にすら手をつけず、たいした会話もなしに家を出ていきます。 母親として思春期真っ只中の息子とどう向き合うべきか悩んでいました。 ストレスに押し潰されそうになる毎日。 そんな息の詰まるような日々に嫌気がさしていたのかもしれません。 妻や母親である前に、ひとりの女性として見られたい。 そんな想いが日増しに強くなっていったのです。
19/04/19 12:00
(AJ.ua0Tx)
投稿者:
モンスーン
◆LcZFM.jE8Y
朝、夫と息子が出ていったあと、家の中はいつも虚しく静まり返ります。
そこに家族の温もりのようなものは感じられず、ただ無機質な空間があるだけに感じます。 よく“家庭が壊れる”と言いますが、それはこういった感覚なのかもしれません。 朝食の後片付けを済ませ、私は自分の寝室へと向かいます。 寝室に入るなり、かすかに温かさの残るベッドにうつ伏せになりました。 「はぁ... 私って、いったいなんのためにいるんだろ...」 毎日家政婦のように扱われる自分の存在に溜息が漏れます。 私はうつ伏せのままエプロンの裾を捲り上げ、スカートの中へ右手を忍ばせます。 既にその場所は慰みを欲するように泣き濡れていました。 ショーツのクロッチ部分を中指でゆっくりなぞれば、ジワリとヌメリ気のある涙液が染み出してきます。 「ダメ...また今日もしちゃうの?」 私が私に問いかけます。 その問いに答えるよりも先に右手が動き出していました。 私の右中指がショーツの脇から侵入し、いとも簡単に敏感な突起部に到達します。 卑猥な音を立てながら弾く捏ねるを繰り返すその淫らな指先の動きに、私はただ静かに腰をくねらせて応えます。 絶頂はすぐにやってきます。 全身がビクビクと震え、頭の中が真っ白になります。 この瞬間だけが私を辛い現実から開放してくれるのです。 「またしちゃった...私もずいぶん慣れたものね...」 私はベッドからゆっくりと起き上がると、汚れたショーツを穿き替え、パートに出る支度をするのでした。
19/04/19 12:11
(AJ.ua0Tx)
投稿者:
モンスーン
◆LcZFM.jE8Y
亜希子さんとの出会いはたまたま立ち寄った近所のスーパーでした。
探していた商品が見つからず、店員さんに聞こうと声を掛けたのが亜希子さんその人だったのです。 僕のために懸命に売り場を探してくれるその横顔からは大人の色香のようなものを感じます。 歳は40代前半ぐらいでしょうか。 お店の制服の下に隠れたグラマーな体つきにドキッとしてしまいました。 そんな彼女の左薬指には結婚指輪がはめられていました。 結局、探していたものは品切れでした。 しかし、そんなことはもうどうでもよくなっていました。 一目惚れです。 あの日以来、寝ても覚めても僕の頭の中は亜希子さんのことでいっぱいでした。 それから僕は毎日のようにそのスーパーに通うようになりました。 スーパーに入るなり無意識に亜希子さんを探している自分がいます。 勘違いしないでください、ストーカーとかそういうんじゃありません。 ただ一目でも亜希子さんの姿を見られたなら、僕は幸せでした。 スーパーに通い始めてしばらく経った頃、僕はアルバイト募集のチラシを見つけ、すぐに電話を掛けていました。
19/04/19 16:23
(pEcNGM3h)
投稿者:
モンスーン
◆LcZFM.jE8Y
めぐり合わせというのは不思議なものです。
以前、私に商品の在庫を聞いてきた男の子が、今日アルバイトとして入ってきたのですから。 しかも彼の教育係には私が充てられたのです。 「今日からあなたの教育担当になった、瀬野です。瀬野亜希子。この前までお客さんだった人と一緒に働くことになるなんてなんだか不思議ね。こんなおばさんだけど、よろしくお願いしますね」 『は、萩野拓也です。よ、よ、よろしくお願いします!』 アルバイト初日の彼は見るからに緊張していました。 しかも、私が彼の顔を見ただけで耳まで真っ赤にして。 ウブな感じがなんだか可愛い。 彼は私の話を熱心に聞いてくれました。 どんな小さなことも漏らさずメモにとっています。 分からないことがあれば私を頼ってくれます。 彼は私を必要としてくれている。 そのことがとても嬉しかった。 彼の教育係になって一週間ほど経ったある日。 バックヤードで品物の在庫チェックを彼と一緒にしていたときのことです。 突然、彼が私に聞いてきました。 『亜希子さ、、いや、瀬野さんて、家ではどんな奥さんなんですか?』 「えっ? 何よいきなり 笑」 『あ、いや、結婚指輪してるから、家ではどんな様子なのか気になっちゃって、、』 「家での私...」 そのときの私の表情は明らかに曇っていたと思います。 それに、言いたくないことが多すぎてすぐにはうまく答えられませんでした。 『あの、答えたくなかったらいいんです、、すみません、変なこと聞いちゃって』 「そうじゃないの。ただ...家ではいろいろあって...」 いつのまにか、私の目からは涙が溢れていました。 「私ったらダメね、仕事中なのに...」 そんな私を彼は何も言わず優しく抱き寄せてくれました。 私と彼しかいないバックヤード。 彼の肩で私は涙が止まりませんでした。
19/04/19 17:12
(e2SRqT9i)
投稿者:
モンスーン
◆LcZFM.jE8Y
亜希子さんが僕の前で泣いたあの日から、僕と亜希子さんの間には何か特別な感情が芽生え始めたように思います。
互いに男と女を意識した関係。 世間ではそれを恋愛感情と呼ぶのでしょうが、少なくとも僕はそう感じていました。 僕がアルバイトを始めてからしばらく経ったある日のことです。 僕が学校を終えて遅番勤務のためスーパーに着くと、店員用の裏口のところに亜希子さんがポツンと立っていました。 その日、亜希子さんは早番勤務でしたから、とうにあがっていてもいい時間のはずです。 『瀬野さん、どうしたんです? 今日、早番ですよね?』 「ええ、そうなんだけど...ちょっとね...」 『ちょっとって、、何かあったんですか? 仕事のこと?』 亜希子さんは首を横に振ります。 『もしかして、家のこと?』 亜希子さんは首を小さく縦に振りました。 「待っててもいいかな...萩野君のこと」 僕はウンと頷き、ひとまずバイトに入りました。 仕事中も亜希子さんのことが気になって仕事がまったく手につきません。 遅番勤務を終えて店を出たのが22時。 春とはいえ夜の遅い時間ともなればだいぶ冷え込んできます。 亜希子さんは僕が来たときと同じ場所で待ってくれていました。 『遅くなってすみません』 「おつかれさま」 『もしかして、ずっとここで?』 「うん」 『と、とりあえずどっか行きましょっか、暖かいとこに』 僕は亜希子さんの手を引いて、近くのファミレスへと入りました。 思えば僕が亜希子さん手を握ったのはそのときが初めてでした。 そのときの亜希子さんの手は夜風にさらされてとても冷たくなっていました。
19/04/19 17:45
(mxhzoC6b)
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