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1:他人棒には薔薇の花束を
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ワイズブライト
◆7PPeM05doU
一 真っ赤な下着
「じゃあ行ってくるけど……、ほんとにいいのね?」 ドアノブに手をかけながら、僕のほうを振り向いて亜希子が念を押した。 ノースリーブの花柄のワンピースが165cmのスレンダーな彼女の身体を膝下まで包んでいる。 上品な装いで、どこから見ても清楚な奥さんといういでたちだ。 本当にいいも何も僕が亜希子に望んだことだ。いいに決まっている。 だけど、喉がカラカラに渇いて、鼓動も早くなっている。亜希子に悟られないようにするのが精一杯だった。 「いいんだよ。楽しんでおいで。」 僕は平静を装い、そう言ってから、違う、そうじゃないと思ったが、他に適当な言葉が見当たらない。 亜希子は旅行に出かけるわけではないんだから。 「まあ、イヤな人ね」そう言うと、亜希子は決心したように家を出て行った。 さあ、待ちに待ったドラマがこれからいよいよ始まる。これから僕ら二人はどうなるのだろう? 見当もつかなかったけれど、不安よりも、期待と興奮のほうが今は勝っている。これでよかったのだ。 亜希子がいなくなった玄関を眺めていると、ふと、今日はどんな下着を身に着けたんだろうという興味が脳裏を掠めた。 僕は痕跡を探しに2階にある僕たちの寝室に戻った。 すると、ドレッサーの横に置いてあるダストボックスの中に、包装紙が無造作に捨ててあるのに目が留まった。 手に取り広げてみると、男でもよく知っている有名ブランドの下着メーカーのものだった。 下着が直接収まっていたOPPの袋には、”オールレース ブラ&ショーツセット”と書かれていて、中身の商品が一目でわかるように真っ赤なつる薔薇模様の刺繍が施されたブラジャーとショーツの写真が小さく印刷されていた。 刺繍以外の部分は透け感いっぱいのレースになっていた。ショーツも大事な部分以外は前も後ろも肌が透けて見える作りになっている。 股上こそ浅いものの、Tバックや紐パンみたいに下品な感じはしない。亜希子によく似合う上品なセクシーさを醸し出している。 だけど、今まで亜希子が真っ赤なランジェリーを身に着けているところは見たことがなかった。 いったい亜希子はどんな思いでこの下着を購入したのだろう。自分を少しでも美しく見せたいという女性の心理からなのか。 いや、それだけではないような気がするけれど、それが何だかはよくわからない。 いずれにしても、亜希子は見ず知らずの男性に抱かれるために、真っ赤な下着を買い、今日それを身に着け、外出している。 僕は今まで知らなかった亜希子に出会ったようで、激しい嫉妬を覚えたけれど、それとは反対に股間は熱くたぎっている。 思わず手を伸ばしかけたが、だめだ、亜希子が帰ってくるまでは我慢しなければ。 そう、これが僕の望んだことだから。 (続く)
2018/07/25 14:12:02(IpDXrUdc)
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ワイズブライト
◆7PPeM05doU
二 寝室の会話
亜希子は僕より2歳年下の33歳。2年前に転職して今の広告代理店に勤務している。 お互い帰宅時間が不規則なため、愛し合うのは土曜の朝、まどろみの中と決めている。 その時間をいつからか、どちらからでもなく癒やしの時間、ヒーリングタイムと呼ぶようになっていた。 一月ほど前のヒーリングタイムに、僕は思いきって亜希子にあることを確かめてみたくなった。 これまでもそんな気持ちになったときもあったが、何やら恥ずかしくて切り出せなかったのだが、今日こそは聞いてみようと意を決したのだった。 「ねえ、亜希子」 彼女の中でゆっくり動きながら僕は尋ねてみた。 「うん? なによ?」 絶頂への道のりを邪魔されたのか、少し不機嫌そうだ。 「あのさ、今まで誰かと浮気したこと、ないのかい。」 「何でそんなこと聞くのよ。するわけないじゃない。私にはあなたがいるし、あなたを愛しているし、それに今もこうやって愛してもらっているっていうのに。」 馬鹿なことを言わないでとばかりに、怒ったようにそう言うと亜希子は僕から離れようともがき始めた。ごめん、ごめんと言いながら、少し動きを早め、亜希子が再び感じ始めるのを待った。吐息がもれるのを確かめてから切り出した。 「だってさ、広告代理店って派手な感じがするじゃない。なので、そういう誘惑も多いんじゃないかと心配でさ。」 「ない、ない。そんなのテレビやコミックの世界のお話……、ああ、もうやめて…、そんな話……。」予想したとおりの返事だったが、ここで断念するわけにはいかない。可能性を確かめるんだ。一段とギアを上げ責めながら僕は続けた。 「わかったよ。でも、言い寄られたり誘われたことはあるんだろう?」 「……、それぐらいは……、誰だってあるでしょ…、お願い、もう止めて。」 「どんな奴に誘われたんだい?」 「…、広告主の社長さんとかよ……。」 浮気までには発展しなかったものの、誘われたことはあると認めた。それも複数の人間からあったらしい。僕の妻を狙っている奴がいて、妻もそれを知っていて、毎日出勤しているのだ。どんな気持ちで亜希子は仕事をしているのだろうか。僕は激しい嫉妬を感じ、亜希子の中で僕のものは最大限にまで膨張している。 「どんな気分だった? 誘われたときは。」 「…、私は商品じゃない…広告の内容で評価するべき…、ああ……」 もうたくさんとばかりに、亜希子は最後までしゃべり終わる前に、僕の口を塞ごうと唇を寄せてきた。形の良い、柔らかな唇が僕の唇と重なった。 明らかに亜希子も興奮している。僕に抱かれながら、広告主たちとのセックスを想像しているのだろうか? 限界が近づいてきた。そして、フィニッシュと同時に亜希子にあのことを告白することを決心したのだった。 (続く)
18/07/26 00:00
(HffLLU0f)
投稿者:
ワイズブライト
◆7PPeM05doU
二 告白
先週のヒーリングタイムのこと。 亜希子は僕以外の男性とのセックスを想像しながら登り詰めたと確信している。だって、亜希子の膣の締まり方は今まで経験したことがないくらい強かったから。 いよいよチャンスがやってきたのだ。今日こそは僕の思いを伝えなければ。 亜希子のすらりと伸びた長い脚を両手に抱いて、くるぶし、ふくらはぎ、ひざ、太ももの順に舌を這わせて愛撫をつづけながら、僕は話を切り出した。 「ねえ、亜希子」 「なによ。もうあの話はおしまい。浮気なんてしてないからね。しつこいと怒るわよ」亜希子は悪戯っぽくそう言うと、爪先で僕の股間を軽く蹴り上げた。 「痛て! 大事なところが潰れるじゃないか」 「何よ、大袈裟ね」 「ところで、亜希子、“カンダウリズム”って言葉聞いたことないかい」 「神田? 売り? 何? 聞いたことないわ」 「元々の語源は、古代リディアの王様カンダウレスから来てるんだけどね。カンダウレスは自分の美貌の妻が自慢で、部下たちにこっそり妻の裸を拝ませ、部下が勃起するところを眺めるのが大好きだったらしい」 「へえ、ずいぶん変態な王様がいたものねえ」 よかった。ここまでは亜希子も嫌がらずに話に付き合ってくれている。よし、ここからが本番。僕は一気にまくしたてた。 「そこから転じて、今は、愛する自分の妻を他人に抱かせることに性的歓びを感じることを“カンダウリズム”と呼ぶようになったんだ。まあ、一種のフェティシズムだね。言葉ができて初めて物事の本質が理解できるってことあるだろう? 例えば、不条理な性的嫌がらせを受けて苦しんでいる女の子がいても声に出せず誰にも相談できなかったのに、セクシャル・ハラスメントという言葉が現れて、やっと、私が受けていたのはセクハラだったんだと認識できて、被害から救われるという……」 「ああ、それなら職場のハラスメント研修で聞いたことあるよ」 「そうかい、でもここからが本題なんだ。 ぼくも“カンダウリズム”って言葉に出会って、やっと自分の中でもやもやしていたものの正体を知ることができたんだ。亜希子に何をして欲しいか、はっきりと解るようになったんだ。」 「 私にして欲しいことって、いったい何なの?」 一瞬、言葉に詰まったけれど、大きく息を吸い込んで自分を落ち着かせながら続けた。 「いいかい、よく聞いてくれ。亜希子、きみを他人に抱かせてみたくて堪らないんだ」 (続く)
18/07/26 11:30
(OQwU/n95)
投稿者:
ワイズブライト
◆7PPeM05doU
四 亜希子の決意
亜希子にはどうしても夫の気持ちが理解できなかった。 夫は私を世界中で誰よりも愛していると言っている。なのに、私を他人に抱かせようとしている。他の男とのセックスを喜んで受け入れてくれたら君への愛情がもっと深まる気がするんだ、なんて訳分からない。もう、カンダ何とかって言う王様なんて大嫌い。 亜希子は仕事帰りに、前に勤めていた大手ゼネコン会社のビル近くにあるランジェリーショップに行くことにした。行きつけのショップでは馴染みの店員さんにきっと気づかれるに違いない、女の勘は鋭いから。 そのランジェリーショップはファッションビルの地下にあった。 オフィス街の真ん中にあるこの店は、この時間はよく混んでいる。 今夜の不倫を楽しむため、OLさんたちが好みのセクシーなランジェリーを求めて。 前の会社に勤めていた頃、同僚の女の子たちとの飲み会では決まって不倫自慢が展開されていた。 “旦那のをしゃぶるのは無理だけど、彼のは全然平気ね” “私も。こないだなんか彼がもう止めてくれって言ってたのを無視して続けていたら、突然お口の中にドバーって。ゴックンと飲んじゃったら、彼、とっても感激してくれたわ” “亜希子さんはどうなの?” 私?私は夫のを舐めてあげるのが大好きなんだけどなあ。 しかし、ここは大人の対応ということで「そりゃそうだね」と言っておいた。 亜希子がこの店で買い物をするのは二度目だった。 実は一度だけ過ちを犯したことがある。夫には浮気はしたことないと嘘をついているけれど。 それは、私が契約書の特記事項に、ある重要な項目を書くのを忘れて会社に損害を与えそうになって上司から大目玉を喰らったときのこと。 技術系の課長さんが私のところにやってきて、話は聞いたよ、君のせいばかりじゃない、うちのスタッフも気をつけるべきだった、技術的な話は契約管理の部署だけに任すべきじゃなかったんだ、僕から部長には言っておいたから、君ももう気にしなくていいよ、とか言って、そのあと私の耳元で“お詫びの印に明日の夜、一緒に食事でもどうだい?って囁いた。 遊び慣れている男というものは誘い時を心得ているもの。下心が見え見えだったけど断る気はしなかった。それほど私は落ち込んでいたのだろう。誰かの慰めが必要だった。 次の日、仕事が終わるとこの店に来ていた。 彼との食事が終わると、二人でラブホテルの一室へと向かった。私には自然の流れのように思えた。いや、違う。同僚の女の子との飲み会でさんざん聞かされた逢瀬の手順どおりに従ってみただけのこと。 彼が私の身体に入ってきたとき、何とも言えない勝利感のようなものを感じた。 やっと、私も一人前の不倫する女になったんだと。 夫には獣みたいな格好はいやと拒否していた後背位も彼には素直に従えた。 しかし、彼と別れた帰り道、半端ない罪悪感が私を襲った。 しばらくは夫の顔がまともに見られなかった。私には無理、不倫なんてもうしない、絶対に。その会社を辞めて今の広告代理店に転職した理由のひとつが不倫の思い出を消し去りたいからでもあった。 だけど、彼とのセックスは身体がしっかりと覚えている。欲望をギラつかせながらお互いの快楽だけを求めるセックスがこんなにも素敵なものだったと初めて知った。 あれ以来、夫との毎週のセックスが退屈なものになっていることは事実だった。 また、あの素敵なセックスが味わえるかもしれない、これが夫からの願いを受け入れた最大の理由だった。しかも、夫公認だから罪悪感に苛まれる心配もない。 亜希子はようやくお気に入りのランジェリーを見つけた。つる薔薇模様の施された総レースの真っ赤なブラとショーツのセット。レース越しに私の白い肌が透けて見えて、きっと男の欲情をそそるに違いないと亜希子は思った。支払いのためレジに向かった。 しかし、その様子を笑みを浮かべながら人影からじっと眺めている女がいることに、亜希子は全く気づいていなかった。 (続く)
18/07/27 11:01
(laj9y9u4)
投稿者:
ワイズブライト
◆7PPeM05doU
五 久しぶりの他人棒
とにかくその男はよく喋った。 ハンドルを持ちながらこっちばかり見ないでよ、と助手席で亜希子は思った。 こんな綺麗な奥さんに出会えるなんて、から始まって、自分は50歳前半だとか、酒店を3店経営しているだとか、5年前に奥さんと死に別れてからは風俗店には行かなくなったとか、生活感のある素人の人妻さんが一番だとか、私にはどうでもいい話ばかり。 それにしても、チビでデブでハゲのキモイ親爺だった。 屈辱感と嫉妬を味わうためにはイケメンはだめだ、不細工な男に限ると夫は言ってたけれど、ほんとによくこんな男を探してきたものだと感心した。 WEBサイトで見つけて連絡を取り合うのは危険が大きすぎると言って、昔からある老舗の夫婦交換マニアのための雑誌から、単独さん希望コーナーに応募して、見つけたんだとか。ずいぶんアナログな方法。 やがて、車はラブホテル街のとあるホテルに吸い込まれていった。そこは周りのホテルに比べて一段と豪華な外観をしていた。亜希子はちょっぴり満足を覚えた。 ヒールを脱いで部屋に入ると、明かりを暗くしてねと男に頼み、黒のパンティストッキングを脱ぎ、次に花柄のノースリーブのワンピースを脱いで、真っ赤なレースの下着だけの格好で、その不細工の前に立った。つるバラ模様の刺繍の隙間からレース越しに見える亜希子の白い肌が艶めかしい。 男が、ゴクンと唾を飲み込む音が聞こえた。 さあ、不細工さん、普通なら、あなたが一生かかっても抱けない女をこれから抱けるのよ、私を満足させないと承知しないわよ、いいわね……、亜希子は挑むような気持ちで、仁王立ちになっている不細工男のベルトを緩めズボンとパンツを膝まで降ろし、自分は膝立ちになって男の腰を両手で掴むと、目の前で既にそそり立っている男のもの(・・)に唇をつけ舌を這わしはじめた。 亜希子が出かけてからまだ30分しかたっていない。男と上手く出会えたんだろうか? いっそ、携帯で連絡してみようかと思ったけれど、それが引き金になって里心をつかせては元も子もないと思い止めにした。 帰ってくるまで3時間ぐらいはかかるだろうか、いや、男が2回戦、3回戦を挑んでくればもっと遅くなるかもしれない。 テレビを見ても雑誌を読んでみても何も頭に入ってこない。早ければ今頃もう交わっているかもしれない。あられもない亜希子の痴態を想像するだけで激しく勃起してくる。 どうしようもないので、ビールを買いに行くことにした。普段家では酒を飲まない我が家ではアルコール類の買い置きはない。 コンビニ店のガラス越しには、これ見よがしに成人向け雑誌が外からでも目に入るように陳列されていた。“他人棒に狂う人妻たち”、“お願い、後ろから犯して”など刺激的なタイトルがつけられた雑誌が並んでいる。そう、まさに今、亜希子は他人棒に狂っている最中だ、ひょっとしたら獣みたいで嫌だと言っていた後背位で犯されているのかもしれない。 また、勃起してくる。 すれ違うコンビニの客に、今、妻がこれをやっているんだと叫びたい衝動に駆られた。 結局、ビールでは軽すぎると思い、ウイスキーの小瓶を買って家に戻った。 玄関のドアが開く音で目が覚めた。ウイスキーが効いて寝入ってしまったらしい。 時計に目をやると午後の6時、亜希子が出て行ってからちょうど5時間になる。 帰ってきた! 僕は慌てて跳ね起きて玄関先へと向かった。 玄関の薄明かりの中に亜希子が見えた。ほんのり上気しているようにも見えた。 出かけたときのままの服装で帰ってきたけれど、他人を受け入れたその身体は変わっているはずだ。 僕は亜希子が愛おしくてたまらず、お帰りと言う間もなく、妻を抱きしめた。 亜希子は何も言わずじっと抱かれたままでいる。しばしの沈黙。 僕はやっと声に出すことができた。「彼に抱いてもらえたかい?」 亜希子は「うん」と小さく頷いた。 ドクッ、ドクッと僕の心臓が早鐘のように脈を打ち始めた。 「よかったかい?感じたかい?」 そう聞いたとき、亜希子は堰を切ったように話し始めた。 「あなた、ごめんなさい。私……、あんな不細工な男に……3回も身体を許して……、でも、そのたびに絶頂まで達しちゃったの。ほんとにごめんなさいね、でも……本当にすごく感じてしまったの、今までなかったくらいに、気がついたら自分から彼におしりを突き出してたわ。彼も悦んでバックから挿入してくれたの……、あなた、本当にごめんなさい」 (続く)
18/07/27 15:34
(laj9y9u4)
投稿者:
(無名)
ワイズブライトさん はじめまして。
ここに投稿されている小説をいくつか読んでいて、ワイズブライトさんの「他人棒には薔薇の花束を」の小説がすごく気になっています 不細工な男にどんなふうに攻められていかされたか? その後、亜希子さんはこの不細工な男を含めて他人棒を味わったのか?など 最後の投稿から少し時間が経ってしまっていますが、その後どうなったか続きを是非お願いします。
18/10/07 10:30
(gQmiR1PU)
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