都内の雑居ビルにその店はあった。
店の入口に看板などはなく、ネットのホームページすら存在しない。掲示板に投稿される口コミだけを頼りに客がやってくる。

ブルセラショップなんて今どき珍しいが、ただのブルセラショップではない。買取相手は人妻のみというこだわりの高級店なのだ。

入口で入店金5000円を払うシステムで、中に入ると10畳ほどのスペースに所狭しと商品が陳列されている。しかも高級店とあって置かれている商品の値段も桁が違かった。
セレブ妻御用達の某下着ブランドの使用済みパンティが1日着用で2万円、3日着用のブラジャー・パンティ・パンスト3点セットともなれば10万円を超えるものも販売されている。フィットネスで使用した競泳水着や補正用のボディスーツといった変り種も取り揃えており、マニア垂涎の店なのだ。

すべての商品に売主の着用写真が貼られ、簡単なプロフィールが書かれている。年齢、スリーサイズ、家族構成、職業等々、それらはリアルで生々しく、買い手の興奮を掻き立てる。

ちなみに、このブルセラショップは単に人妻達から買い取った使用済み下着を売るだけではない。人気の秘密は他にもある。
それはなんといっても《ライブオークション》と《個室生脱ぎサービス》だろう。

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《ライブオークション》とは、平日限定で開催され、出品者である人妻自らが販売する下着を着けて登壇しオークションにかけられる。
オークション参加費用は1回1万円。
決して安くはないが、毎回必ず満員御礼になるほどの盛況ぶりだそうだ。

常連の人気ブルセラ嬢ともなると熱狂的なファンが付き、あれよあれよと値段がつり上がっていく。高いときには店に売る額の10倍以上の値段で落札されることもあるらしく、出品者側の人妻達からも大人気のシステムだという。
高額落札に味をしめた出品者達はより高額で落札してもらおうと、過激なアピールを行い商品に付加価値を付けようと必死だ。

壇上で艶めかしくストリップをしたり、参加者に体を触らせる出品者もいる。
極めつけはその場でオナニーを始める熟妻出品者だった。壇上で脚をM字に開きパンティの上から指で陰部を激しくこねくり回したかと思えば、腰を浮かして身悶えながらだらだらと潮を吹き漏らしパンティに大きな染みができた。
参加者からは大きな歓声と拍手が沸き起こると同時に、値段がどんどん跳ね上がっていく。
最終落札者はその場で支払いを済ませると、出品者の人妻から生脱ぎで手渡される。惜しくも敗れた参加者から羨望の眼差しを向けられ、しばしの優越感に浸るのだった。

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一方、《個室生脱ぎサービス》はオークション形式ではなく、予め指名しておいた人妻と待ち合わせ、2人で試着室ほどの広さの個室に入り、客の目の前で生脱ぎで受け渡しを行うサービスだ。
指名料は初回30分で2万円。以降は延長30分ごとに1万円が加算される。
個室内でのやりとりには店側は一切関知しておらず、自由かつ自己責任による売買が行われていた。

個室ということで、買い手の興奮が最高潮に達するのは当然で、売り手の人妻達には様々なリクエストが要求されることになる。
床に仰向けに寝そべり跨りながらの生脱ぎを要求する客、自ら人妻の服や下着を脱がせようとする客、下着姿で卑猥なポーズをとらせてそれをカメラに収める客など様々だ。

個室内では自由な取引が許されるとなれば、性行為に発展することも珍しくない。客のほうから懇願されるケースがほとんどだが、なかには売り手の人妻のほうから誘うこともしばしばあるようで、わざと客を焦らし延長料金を搾り取る、やり手の人妻達もいるらしい。

その日も3つある個室はすべて満室。
そのなかのひとつの個室では、今まさに交渉成立したところだった。
人妻が指で提示した額を客が支払うと、人妻はニッコリと微笑み、小慣れたように服を脱ぎ、下着姿で客の前にひざまずくと口でズボンのファスナーを開け、待ちきれずに膨らんでいる男性器を取り出した。
旦那に仕込まれたであろういやらしい舌技でタマからサオへと舌を這わせ、サオの頂点に達すると一気に咥え込んだ。人妻の美麗な顔が卑猥にも歪んでいる。ときにねっとりと、ときに激しく唇と舌でサオを刺激している。
放出感が近づいてきた客は慌ててズボンの後ろポケットから財布を取り出し、追加の万札を数枚渡した。フェラチオを続けながら片手でそれを受け取った人妻は、サオから口を離すとブラジャーとパンティを脱ぎ、両手を壁につき尻を突き出して客に陰部を差し出した。
客は個室内に用意されているコンドームを装着し、かるく人妻の陰部を指で弄るとすぐにサオを挿入した。ただ仕事をこなすかように陰部を提供する人妻と無言のまま黙々と腰を振る客。
客は精の放出を終えると延長時間を気にしてか、余韻に浸る間も無く精液の溜まったコンドームを外して男性器をしまい、個室を後にしていった。
人妻のほうも一仕事終えた様子で無表情のまま下着を付け直し服に着替えて個室を出た。店員に売上金を渡すと、自分の取り分を受け取り、足早に店を出ていった。

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こんな違法に近い店が摘発されずに営業を続けられるのは何故なのか。噂では警察関係者や大物政治家などもこの店の常連なのだという。
その店には一般客用のフロアとは別に裏口から入れるVIPフロアが設けられ、そこでは大手企業の社長夫人やモデル経験のある人妻達がラウンジのような薄暗いフロアでVIP客相手に接客を行っている。ランジェリー姿のセレブ妻を何人も並べていやらしい眼差しで商品選びを楽しむ光景は、まるでキャバクラかピンサロのようだった。

かくして、欲望と本能にまみれたそのブルセラショップには今日も客がひっきりなしに来店するのであった。

おわり

※登場人物、固有名詞、場所などはすべてフィクションです。