自らの体験から、創作を加えて短編小説を書いてみた。
7割が実話で3割が創作、いかがでしょう。

あれは、俺が37歳、元妻33歳の時だった。
世の中にＡＤＳＬというブロードバンドが広まり、我家にも12Mbpsの回線がやってきた頃だ。
それまでのＩＳＤＮでは、せいぜい粗い静止画を見る程度だったのが、かなり鮮明な動画を見ることもできるようになった。

そんなある日、信じられない動画を見つけた。
それは、ＡＶの作品紹介の動画で、各作品の内容を1分程度見られるものだった。
そこには、色白の美人妻が男が差し出すチンポに母乳をかけているものだった。
「奥さん、もっとかけてください。」
「私の甘～いミルク、いっぱいかけてあげる・・・」
その美しい母乳ミセスは、間違いなく妻だった。
髪が長いのは、ウィッグでもつけているのだろう。
Ｄカップのロケット乳房も、ムチムチした女体も、見覚えがありすぎた。

「母乳噴き人妻のアナルセックス」
という作品もあり、
「私ね、夫には秘密なんですけど・・・実は、お尻の穴も感じるんです。元彼に開発されちゃって・・・」
清楚な妻の顔からは想像もできない光景が続いた。
妻は全身を愛撫され、母乳を噴き出しながらまずは正常位でオマンコ挿入、そして後背位でアナルセックスを始めると、ヒイヒイとヨガリ狂う場面がフェードアウトしてゆき、作品紹介が終わった。

母乳が出るということは、娘が生まれたとき・・・妻が27歳の時だから・・・もう6年前の映像だと推測できた。
俺は、妻に尋ねた。
「お前・・・まさかＡＶになんか出てないよな？」
「え？・・・いつか、こんな日が来ると覚悟してた・・・」
妻は、ＡＶ出演を認めた。
元彼にハメ撮り動画で脅されたのがきっかけだったそうだ。
他にもＳＭ緊縛ものとか、30歳まで出演していたと知った。
ギクシャクした生活が続いた数日後、仕事から帰ったら妻の姿はなく、離婚届と手紙が置いてあった。
『お世話になりました。私は出ていきます。あの子はお義母さんに預かってもらっています。離婚届、出してください。ごめんなさい。さようなら。』
便箋には、涙の痕があった。

元妻が出て行ってから、18年が過ぎた。
先日、帰宅ラッシュの電車のドア付近に立って乗っていた。
対向式ホームの駅に電車が停車した時、反対側に新型車両が停まったので覗き込んだら、反対側の電車のドア付近に立つ女性に見覚えが・・・元妻だった。
じっと見つめていたら、元妻も俺に気が付き、見つめ合った。
元妻が両手をドアにつけて、何か口をパクパクさせているのが分かった。
「あ・い・し・て・た・さ・よ・う・な・ら・・・」
俺は、ウンウンと頷いた。
そして、ドアについた左手の薬指にリングを見つけ、俺も左手の薬指にリングをしているのを元妻に見せた。
お互い、再婚して幸せだから安心して欲しいことを伝えられた。
そして、電車は反対方向へと走り出した。
ほんの、1分ほどの出来事だった。

元妻・・・51歳の元妻は相も変わらず綺麗だった。
その日、帰宅した俺は、元妻がＡＶに出ていた頃の芸名でググってみた。
もう、20年以上昔だから、情報はチラチラしか出てこなかったが、元妻が出ていたＡＶのＶＨＳビデオのパッケージ写真がいくつか出てきた。
その写真では、緊縛された元妻が乳房を鷲掴みにされて母乳を噴いていたり、巨乳の美人妻が不倫してマゾ調教を受けながら快楽に酔いしれる姿が垣間見えた。
乳首とオマンコから液体を溢れさせながらイキまくる元妻の痴態・・・
オマンコとアナルの両穴にバイブを入れられ、チンポを咥えた口元からは白い液体が滴っていた。
「あいつ・・・これは演技じゃない・・・本気でマゾだったんだ。元々、俺の手には負えない女だったんだ。きっと、アイツの性癖を満たしてくれる男に巡り合ったんだろう・・・幸せになれよ・・・」
そう呟いた途端、涙が溢れた。
18年前に別れた元妻にまだ未練があることを、この時気付いた・・・