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猟奇的事件簿 その2
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:強姦輪姦 官能小説   
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1:猟奇的事件簿 その2
投稿者: 茶川
時々奇妙な事件が起きて世間を騒がせることがある。この話もそんな事件のひとつだった。


涼子が深い眠りから目覚めたとき、自分のいる場所がどこなのか、ぼんやりとした

頭の中で考えていた。大学3年の夏休みを使って北海道を一人旅していている最中だった。

鉄道とバスを利用して、ひと月をかけて北海道を一周する予定だった。昨日はY島へ

高速船で渡り、島を散策して帰る予定だった。島に到着し港で自転車をレンタルした

ところまでは記憶にあった。だが、それからの記憶が全く途切れてしまっているのだ。

自分の衣服を確認すると、その時のままのHokkaidoの文字入りのTシャツにジーンズ姿だった。

今自分のいる部屋はホテルの一室のようだった。壁には太った裸婦の抽象画が掛けられ、

薄型テレビも壁に直付けされていた。窓は厚いカーテンがかけられ、天井の照明だけが

部屋を照らしていた。涼子はベッドからゆっくり起き上がると、窓のカーテンを開けようと、

よろよろしながら窓に近づいた。深緑色のカーテンを開けて涼子は驚いた。それは海を写した

写真が窓ガラスの裏に貼られていたのだ。しかも恐らくその向こうは何かで閉ざされていて

いるようだった。涼子は入口を探した。ホテルの一室のようなその部屋の木目調のドアには

鍵がかかっていて、びくともしなかった。しかも普通あるはずの覗き窓もドアにはなかった。

涼子はリュックサックを探した。中には着替えと一緒にスマホを入れていたからだ。

だがスマホは見つからなかった。ズボンのさいふの中身は取られていなかった。さらに

涼子のはいていたズック靴が部屋のどこにも見つからなかった。

涼子は自分が何者かに誘拐されたと思い始めていた。身代金めあての誘拐の話は最近の日本では

聞いたことがなかった。それに涼子の家は裕福ではなかった。大学で数学を教えている父の給料

だけが家庭の収入だった。少しでも学費の足しにしようと、涼子は中高生の家庭教師のバイト

をしていた。昨年始めた女子高生の家庭教師のバイトで、教えている子の成績が顕著に伸びたのを

その子の両親が喜んで、バイト代とは別にボーナスをくれたのだった。今回の北海道旅行はそれを

旅費の足しにしていた。涼子は頭の中が混乱して、自分の身に何が起こっているのまったく分からなかった。

涼子はリモコンを手に持って、テレビのスイッチをいれた。何か自分のことがニュースになっていないか

と思ったからだった。テレビを付けるといきなりニュースが始まった。

「北海道警察本部によりますと、昨日からY島で行方不明になっていた大学生田覚涼子さんのもの

とみられるスマートフォンと靴が、N岬の断崖で発見されました。そのスマートフォンからは友人宛に

〇〇をほのめかすメールが送られており、警察では飯田さんの行方を捜しています。」

涼子は驚きのあまり、わーと大声をあげた。

「何よこれ、どういうことなの、誰なの、誰がこんなことを私にするの。なぜなの。誰か答えて。」

ニュースが終わると不自然に衛星放送のチャンネルに切り替わった。涼子はドアまで行き、強くこぶしで

ドアを叩き「助けて」と繰り返し大声で叫んだ。だがいくら叫んでもドアの向こうからは何の反応もなかった。

何時間叫び続けたか分からない、涼子はやがて叫び疲れると、ベッドに戻って眠ってしまった。

涼子はドアの方向から聞こえる物音に浅い眠りから目覚めた。見るとドアの下にトレイに載せられた食事

とペットボトルの水だった。パン、ソーセージ、サラダ、リンゴ、ミルクなどの食べ物と、印刷された紙に、

「洗面台の水は飲めない」と書かれていた。何者かが自分を監禁していることは明らかだった。

だが、何のために自分にそんなことをするのか、皆目見当もつかなかった。涼子は空腹が耐えられず、

すべての食事をたいらげた。部屋にはビジネスホテルにあるようなバス・トイレが付いていた。ひとつ奇妙な

箱がトイレ脇においてあり、下手な字で生理用ナプキンと書かれた紙が貼ってあった。ボタンを押すと

機械的な音を立てて、生理用のナプキンが一つポコンと出てきた。こんな装置を涼子は今まで見たことがなかった。

部屋のクローゼットを開けると、たくさんの新品の白い下着と、ひとそろいのスポーツ・ウエアが入れてあった。

着替えのTシャツも数枚あった。どれも日本の量販店で普通に売られているような物だった。

涼子は何度となく壁やドアに耳をあてて外の音を聞こうとしたが、何の手掛かりも得られなかった。

テレビは衛星放送だけが受信できた。外からの情報といえばそれだけだった。昼夜の区別もテレビだけが

頼りだった。8メートル四方ほどの一室に閉じ込められたまま、変化のない毎日が流れて行った。

食事は一日3回、ドアの下の引き出しのような構造から、ペットボトルの水と一緒に運ばれた。

洗濯ものも原則その引き出しから出し入れされた。ドアの外にいる人物に何度か問いかけたが、

全く反応はなかった。数日たったある時、目覚めると下腹部に鈍痛を感じた。生理痛や胃腸の痛みとも違う、

今まで感じたことのない痛みだった。それと左の腕に小さな絆創膏が貼られていた。それを剥がすと注射の跡の

ような小さな点状の傷が出てきた。自分が眠っている間に何者かが注射をしたに違いなかった。朝食のトレイに

痛み止めと書かれた袋に錠剤が2錠添えられていた。涼子は得体のしれぬ恐ろしさに鳥肌が立った。



それから2年の歳月が経った。涼子は部屋に落ち込められたまま、運動不足にならぬようにストレッチや体操を繰り

返していた。衛星放送のテレビ番組だけが涼子の娯楽だった。そしてひと月に一回、目覚めると腕に注射の

跡があり、下腹部が痛むのだった。やがて涼子はあることに気が付いた。そのことが起こるのは涼子が

排卵日にある時だということだった。何の目的かはわからないが、何者かが涼子を拉致し、ひと月に一回

涼子を眠らせて卵子を盗み取っているとしか考えられなかった。涼子は作戦を考えた。空のペットボトルを

集めて、酸素マスクのようなものを作り、睡眠ガスを吸わされないようにベッドのなかに潜り込むのだ。

旅行用の携帯式の裁縫セットと絆創膏、生理用品をうまく使って、ガスを吸い込まなくても暫らくは

呼吸できる器具をつくった。ベッドの中にそれを隠し、ついに涼子の排卵日がやってきた。夜寝たふり

をしていると、天井の通気口から白いガスが出てきた。涼子は吸入マスクを口に当て、ペットボトルないの

空気を吸い込んだ。1年かけて目立たぬように少しずつ集めた数十本のペットボトルが、またたくまに

無くなっていった。いよいよ最後の数本になった時、換気する音が聞こえ白いガスがすがみるみる消えていった。

部屋のドアが開き、白衣姿の老人と若い女性が入ってきた。涼子は突然起き上がると二人を突き飛ばし、

ドアから飛び出した。階段を駆け下り外への出口を飛び出すと、そこは見渡すかぎりの草原の中だった。

その中に自分が閉じ込められていた3階建てのビルが建っていたのだった。ビルの横に平屋の長屋のような

住居があり、十人ほどの若い女性たちが洗濯物を干す姿があった。涼子は大声で「助けてー」と叫びながら

女性たちに駆け寄った。近づくと女性たちの中には赤ん坊を背に抱えたり、両腕に持って乳を与えたりして

いる者がいた。妊娠してお腹の大きく膨らんだ女性もいた。涼子が必死で助けを求めても女性たちは

きょとんとした表情で、涼子の言葉がわからぬという表情だった。赤ん坊に乳を与えていた一人の女性が

早口で何かを話したが、それは日本語ではなかった。そして涼子はあることに気が付いた。赤ん坊が皆

同じような顔をしているのだ。男女の違いはあっても、同じ親から生まれた子のようだった。

しかもどの子も、涼子の家のアルバムにある涼子の赤ん坊のころにそっくりな顔をしていたのだった。

そこへ先ほど涼子のいた部屋に入ってきた白衣姿の老人と数人の軍服姿の女性が現れた。涼子は女性兵士

に両脇を掴まれて、ビルの一室に連れていかれた。椅子に座らされると涼子は涙声で老人に言った。

「これはどういうことなの。何で私にこんなことをするの?」

小さなテーブルの置かれた小部屋で、涼子に向かい合うように座った老人はゆっくりと話し始めた

「それは、お前が尊い血をもって産まれたからじゃ。」

「それは昔に大陸から来た渡来人だということ?」

涼子は以前、父親に聞いたことがあった。涼子の先祖の一族は千年以上前に飛鳥の都に亡命してきた大陸の

王族だというのだ。強大な隣国との戦に敗れ、命からがら海を渡って日本に逃れてきたのだそうだ。

その時に、敵国であった隣国がいずれ日本にとっても脅威になるであろうことから、その国の政治、

経済、軍事、医学、宗教などありとあらゆる分野の書物を献上品として持ってきたのだという。

そのおかげで、日本は長足の進歩を成し遂げ、やがてその後に起こる大陸からの侵略に打ち勝つことができ

たというのだ。涼子の母も亡命してきた王族の血統であったが、日本の公家の血を入れることで血族結婚

による弊害を回避しながら、京都の街の隅でひっそりと血統を守ってきたというのである。

白衣の老人は厳かに話し続けた。

「わが国の党首様はそのような尊い血筋のお方でなくてはならぬ。だが、残念なことにわが国はそのような

血筋の者が残っておらん。たとえ残っていたとしても記録文献による確たる証拠がないのじゃ。日本には

家伝の系図、寺による過去帳など古文書により証拠立てて家系を追うことができる物が無数にある。

そこでお前を探し出し、わが国に連れてきたのじゃ。先ほど見たであろう。党首様の子種とお前の卵子が

成しえた偉業を。あの女たちは喜んで国のために自分の子宮を提供しておるのじゃよ。」

涼子は急に胃が締め付けられるような感覚を覚え、胃の中のものを床に吐き出した。

「何人、子供をつくったの?」

「今は12人、さらに凍結受精卵が9つある。」

「何でそんなに必要なの? 一人いれば十分じゃないの。」

「そうはいかんのじゃよ。暗殺されるからのう。影武者も必要じゃ。それに男子ひとりは党首様の妃に

産んでもらうことになっておる。」

「それで、私はどうなるの? 私だって親がいるのよ。」

「いずれ日本に返そうとは思って居る。政治が熟せばそうなる、とだけ今は答えておこう。」

涼子は絶望的な状況に自分を支えるのがやっとの気持ちだった。まさか、自分に流れている血が

そんなことに利用されるとは、想像したことも無かったのである。

「秘密を知られたからにはお前を逃がすことはできぬ。明日からはもっと警備の厳重な場所に移すから、

妙な考えは起こさぬことじゃ。」

老人の言葉に涼子は大声で泣き崩れたのだった。





(これは小説であり、特定の国、組織、人物、史実とは無関係です。誰かを冒涜する意図もありません。)









 
2020/09/08 15:11:12(d8TKOHDY)
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