（１０）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　翌朝、茜は僕を避けていた。昨夜あんな事をさせられたので仕方が無いが、僕としては不愉快だった。しかし母さんが居るので思い切った事が出来ないまま茜とはほとんど顔を合わせる事も無く時間だけが過ぎていった。茜は一人で外へ遊びに行ったらしく、それを母さんに尋ねても、そうでしょうと答えるばかりだった。この母親が居る限り妹には自由に手出しが出来ない・・・僕はそれを取り除こうとして鎮一叔父さんの事を本気で考えた。勿論夢路の件もある。一番都合が良いのは叔父が夢路から母さんにきっぱり乗り換えてくれる事だ。それは非常に難しいけれど、うまく焚き付ければ不可能ではない。実際、茜には母さんと叔父が男女の仲になっているとつい言ってしまい、それを茜は信じている様子で、母親に不信感や嫌悪感を抱いているかもしれない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　悶々としたまま家の中でテレビをぼんやり見ている内に我慢出来なくなり、鎮一叔父の携帯番号を母さんから聞き出そうとした。すると母さんは嫌な顔をし、「鎮一に何を話すんだい？」と聞くのだった。「ちょっと・・・」「あんまり関係しない方がいいよ」そう言いながらも母さんは一冊のノートを渡してくれた。そこには親戚や知人の番号がたくさん載っている。仲が悪いと言っても実の弟だから連絡し合う用事だってあるから記載してある訳だ。「ええと・・・・」幾つか見ていると、佐々木鎮一という氏名と彼の番号が載っているのに気付いた。僕は早速、それを見ながら自分の携帯のボタンを押していった。やがて呼び出し音が鳴り、相手が出た。「はい」「学です」「おお、珍しいな。どうしたんだい？」「あのう・・・夢路さんとは・・・？」「ああ、あいつか。あれはもう君にやってもいいよ」「え、本当ですか？」「ああ」「誰かいい女でも出来たんですか？」「そういう訳じゃないが、もうそろそろ別な女が良くなってな」しばらく黙っていた後、僕は「俺の母親はどうです？」と思い切って聞いてみた。「馬鹿な事を言っちゃいかんよ」笑いながら言うのがわかった。無理も無い。そこで僕はいっぱしの悪を気取って、「実は俺、きのうの夜に妹に手を出したんですよ」「ええっ！？」さすがの叔父も寝耳に水で驚いている。「それでどうした？」「真っ裸にして全部見てやりました」「「おまんこもか？」「ええ」「まさかあれは」「セックスはしてませんよ」「そうだろうな」叔父は一安心したようだ。それから僕は昨夜の体験を得意げに色々話して聞かせた。叔父も近親間での関係は体験が無いらしく、僕の話に興奮気味で聞き入り、エロの質問をあれこれしてきた。僕は叔父に勝っているような得意な気分になって色々話して聞かせたのだが、その内に姪の茜とセックスしてみたいなどと言い出した。しかし僕は、「駄目ですよ。茜はもう俺の女だから」と釘を刺した。「その気にさせといて君もひどいな」「まあ勘弁して下さい」少し沈黙が続いてから、「でも内の母さんを抱くというのも面白いと思いますよ。叔父さん、どうも母さんには頭が上がらないみたいだし、ここで一発か弱い女に調教してみたらどうですか？」「・・・・・」「四十過ぎと言っても感度はいいと思いますがね。何なら僕が抱こうかな」「おい、冗談言っちゃあいかんよ」「母さん、もう三年も男無しだから、息子の僕とも熱い仲になるんじゃないかな」「妹と母親の両方を抱く訳か・・・・・」叔父は少し羨ましそうな口調で呟いた。「そうなりますね」それから再び沈黙の後、「よし、じゃあ思い切って姉さんを抱くか」「でも強姦は駄目ですよ」「ううん・・・」「その気にさせるんですよ」「難しいな・・・」「やっぱり僕が先に頂戴しますかね」「自信はあるのかい？」「実の息子ですからね。ちょっとした強姦くらいなら、その後の熱い抱擁で・・・」「どうにも姉貴には弱いなあ。あいつは俺を嫌っとるし・・・・」「だから僕が先ずお手本を見せますよ。叔父さんの目の前でね」「うううん・・・・」「しかし、俺に犯されたら本気で憎むかもしれんなあ・・・」「そうなったら僕が自分の女として調教しますよ」「んんんん・・・」「どうですか？」「わからなくなってきたよ。混乱しとる」「別に急ぐ訳じゃないからじっくり考えてみて下さい」「ああ、わかった」そうして僕たちは電話を切った。

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