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1:妄想劇場 第4幕
投稿者:
妄想屋
2010/07/22 01:17:18(IBkXdKRo)
投稿者:
妄想屋
澄み渡った雲一つ無い晴天…
そんな晴れやかな晴天の元で小学校の入学式を終え桜の木の下で記念撮影をする微笑ましい親子が居た。 薄アイボリー色のフォーマルスーツに胸元を花の飾り物を付け白のブラウスに膝より少し上のスカート姿の女と真新しい児童服姿の娘。 着飾った女の容姿は誰が見ても美しき女。 ウェーブする肩より長い栗色より少し明るめに染められた髪… 目鼻筋が通った美顔… 腰ラインが絞まった細身のボディー… そしてストッキングに覆われたスラリと細く引き締まった足首とふくら脛の美脚… レンズを向ける夫らしき男も誇らしげに妻と娘をカメラに収める。 しかし… そんな微笑ましい情景を遠巻きから見つめる一人の男がいた。 夫以外に女と娘にレンズを向ける男… 正門近くで車の中から望遠レンズ付きカメラで親子に焦点を合わせる。 しかしファインダーに移る被写体は女の姿のみ… シャッターが連続して押され女を捕らえて行く。 不気味に車内にシャッターを切る音だけが響く。 そして… 「やっと…見つけた…」 男は不気味に呟いた。 男はファインダーを見つめ更に呟く… 「あの時の忘れ物を届けに来たぜ…」 得体の知れない男に狙われている事など知る事の無い女は笑顔で夫と娘と手を繋ぎ小学校を後にするのであった。 親子水入らずな後ろ姿に冷ややかな視線を突き刺す男。 そして遠巻きから悟られる事無く後を付け狙う男。 有料パーキングに駐車してある自家用車に乗り込み走り去る女と家族。 男も車を走らせ女の乗った車の後を追う。 閑静な住宅地を走り静かな街並みの一軒家に車が停まる。 小さいながらも一軒家が女の住まいのようであった。 そして女は家族と共に家の中に消えて行く。 一部始終を遠巻きから確認する男。 女家族が家に入った事を確認すると玄関前まで車を近付ける。 そして車内から表札を見る男。 「江原か…」 男は不気味に呟きながら封筒を手に取った。 そして封筒に走り書きで表札の名前を書き留める。 しかも名字に付け加え女の名前も書き添える男。 何故…女の名を知るのか…男の素性が女と関係している事の証でもあった。 そして封筒の中に写真を数枚とメモ書きした紙を入れる。 最後に封を確実に閉める。 宛名は女…差出人は小学校の名が書かれていた。 女にだけ確実に手に渡るだろう手段を講じた封書… 男は急ぎ足で車から降り大胆にもインターホンを押す。 しばらくすると女の声で応答があった。 「はぃ…何か…?」 「あ…あの…すみません…○○小学校の者ですが…渡す…お手紙を忘れてましたので…ポストに入れておきます…では…失礼します…」 「あ…あ…あの……」 女の慌てる返答にも耳を貸さず伝えるべき事だけを話し車に乗り込み走り去る男。 慌てながら玄関から出て来た女は走り去る車を不思議そうに見送るのであった。 「何…? 変なの…そんなに急がなくても…良いじゃない…」 足早に去る姿に女は不思議を感じたが言われた手紙をポストから取り出した。 「何…? これ…?慌てた字で書いてるわね…」 宛名の走り書いた字を見て失笑する女。 そして… 「何かしら…?」 女は玄関前で封書を開き見る。 中に入っている数枚の写真らしき物が封の開封口から覗き見えた。 「え…? 何…? 写真…?」 女は不思議そうに入っている写真らしき物の一枚を引き出した。 そして確認する女… すると女の表情が一変し見る見る内に青冷めて行く。 写真を持つ手が震え出す女。 「そ…そ…そんな…バ…バカな…」 女は写真を見るや否や愕然とし立ち竦んでしまう。 すると… 玄関から夫が出て来た。 「どうしたんだ? そんな所でボーっとして? 早く食事に行くぞ…!」 女は夫の言葉で我に返り正気に戻る。 「で…何だったんだ? 学校からって?」 夫は女に問う。 「い…い…いえ…何でも無い…た…ただの連絡事項みたい…そ…それより…早く行きましょう…」 女はシドロモドロに封書を隠すように持ち家の中にと急ぎ入って行く。 首を傾げる夫から逃げるように家に入り封書を寝室の鏡台の引き出しに押し込むように入れ隠す。 そして何食わぬ顔をし再び家族で外食に出掛けるのであった。 しかし… 浮かない表情の女… 心配する夫に作り笑顔で何事も無い素振りをし家族の団欒が過ぎて行く。 楽しいはずの娘の入学祝いの外食が一枚の写真によって叩き潰される女の心情… 笑顔で接するも一抹の不安が女の胸を鷲掴み食事も喉を通らなかった。 「どうしたんだ? 具合でも悪いのか?」 食の進まない女に気遣う夫。 「い…いぇ…少し…疲れただけかも…だ…大丈夫…」 女は心境を隠すように答えその場をやり過ごす。 そして食事も無事に済ませ一家団欒を家で過ごす女家族。 夫と娘は風呂場で はしゃぎ声を出しながら入浴をする。 しかし耳に入る楽しき入浴の声も女には微笑ましく聞こえない… 一人寝室の鏡台に腰を掛け隠し入れた封書の棚を引き開き仕舞われた封書を眺め見る。 『どうして…? どうしてなの…?』 女は封書を眺めながら不安を胸に苦悩する。 その時… 「どうしたんだ? 可笑しいぞ? 今日は?」 灯りも点けずに鏡台に座り物想いに更ける女を不自然に感じながら部屋に入って来る夫。 慌てて引き出しを閉じ振り返る女。 「そ…そうかしら…? 別に何でも…ない…わよ…」 突然の夫の言葉に慌てる女。 「さぁ…わ…私も…お風呂に…」 女は又しても逃げるように部屋を出て浴室に向かうのであった。 湯槽に浸りながらも不安を隠しきれない女… 何時もなら癒しの場となる入浴が今日は違った。 重苦しい胸の遣えと共に足早に済ます入浴。 そして歯切れの悪い団欒の元で就寝時間を迎える家族。 「俺は明日…早いから先に寝るぞ…」 夫は女に就寝の言葉を告げ寝室にと消えて行く。 そして女は子供を寝かし付けリビングで一人物想いに更ける時間を過ごす… そして女も就寝に付くのであった。 隣のベッドで寝息をたて眠る夫を横目に眠れぬ夜を過ごす女。 頭に過る封書の中身… そして… 女はベッドから起き上がり例の封書を取出し寝室を出る。 夫や娘に気付かれないように静かに扉を開けリビングにと向う女。 キッチンテーブルに腰掛け封書を見つめる女。 そして… 中身を総て引き出し確認する… 写真を見る手はやはり震えている。 『ど…どうして…どうして…今頃…』 女は写真を見ながら嘆く。 そして涙が頬を伝うのであった。 【3枚の写真】 淫らにして卑劣な行為を写した写真… さかのぼる事…凡そ17年前… 高校2年生の夏の事であった。 学校内でも評判の美少女として持て囃されていた女。 その日は体育館で黙々と部活である新体操の練習に励んでいた。 レオタードに身を包み迫り来る地区大会に向けて一人練習に汗を流す。 時刻は既に夕刻の6時を迎えようとしていた。 そんな一人黙々と練習に汗を流す女を一人の男が影から覗き見ていた。 スラリと伸びた脚に素晴らしいボディラインがレオタード越しに淫らなシルエットを浮かび上がらせる姿を覗き見る男。 そんな女を遠巻きからカメラのレンズを向ける。 写真同好会の部員… 部員と言えども男一人だけの同好会であった。 秘かに想いを寄せる余りに盗撮をする男。 興奮する手でシャッターを押しまくる男。 そして女は練習を終え部室のロッカー室に戻る… 男も後を付け部室の裏側の外から室内が見える窓越しの物陰からレンズを向ける。 汗ばんだ身体をタオルで拭う姿を外部の窓の隙間から覗き見る男。 そして女はレオタードを脱ぎ始める… 絶好のチャンスを窓の隙間からカメラで狙う男。 レオタードが脱ぎ去られ汗に蒸れる下半身を覆うハイレグサポートパンツが顕になる。 そしてサポートパンツに手を掛け覗かれている事も知らず脱ぎ去って行く女。 完全に何も纏わない素晴らしい裸体が露になる。 何も纏わない姿… そして身体の汗をタオルで拭う悩ましき姿。 興奮する男は無我夢中でシャッターを押す。 しかし…その時であった… カメラのファインダー越しに信じられない光景が飛び込んで来る。 女が全裸で汗を拭っている時であった… 部室の扉が開き足音も荒く男2人が入り込んで来た。 施錠を忘れていた女は乱入して来た男に驚き悲鳴を揚げる。 乱入して来た男2人は学校内でも札付きの悪学生で空手部の3年生の男達であった。 乱入して来るや否や悲鳴を揚げる全裸の女に襲い掛かる2人。 一人が女を羽がい締めにし暴れ助けを求める女の動きを止める。 そして もう一人の男は無防備になった女の腹に拳を何発も突き入れる。 下腹の鈍痛に蒸せ返る女を羽がい締めにしている男は女の首の頸動脈を締め付け意識を奪う。 全裸で崩れ去る女… 「おい! お前! 外で見張ってろ!」 そして一人の男は部室を飛び出し外で見張る。 部室に残る男は貪るように女を犯す。 「すげえ…毛を剃ってるぜ…」 レオタードを身に纏う為に陰毛を処理している女に男の興奮は最高に達し貪るように膣穴に若きペ○スを突き入れる。 初体験では無さそうである女は出血する事も無く男に貪り犯される。 意識を取り戻し抵抗する女は容赦しない暴力を振るわれ手荒く犯される。 代わる代わる突き込まれて行く若き欲望のぺ○ス。 暴行を受ける女の顔は鼻血の出血により赤く染まり涙と共に美顔を汚す。 そんな最悪な光景を窓の隙間から覗き見てしまった男は助けを呼ぶ事もせずに我を忘れシャッターを押し続けてしまうのであった。 大スクープをカメラに納めた男は興奮する。 犯される学校内でも美人で評判な女の姿… 己が秘かに好意を寄せている憧れの女の哀れに強姦される姿… シャッターを押しながら自然に片方の手は股間を握る男であった。 だが…その時… 「やべえ!!誰か来る!!」 慌てて見張り役の男が声を掛けた。 腰を荒く突き入れ動かす男は夢中の余り耳に届かない。 その時… 「お前達! 何をしてるんだ!」 教員が部室に怒鳴り声と共に入って来る。 女に覆いかぶさり犯している最中の男も慌てふためき逃げるも捕まってしまう。 犯され倒れる女の姿をカメラに納めた男は何食わぬ顔をし その場を離れた。 そして…その後… 女を襲った男達は即刻退学処分となり犯された女側は その後に両親を相手取って裁判沙汰にまで発展した。 当然ながら犯した男子生徒は未成年と言う事も有り家庭裁判所からの処罰の元で少年鑑別所に拘置される事となる。 当然ながら学校中でも噂は絶え間なく持ちきりになり女に偏見の目が向けられる。 そして…その後… 女は別の学校にと転校を余儀なくされ学校を去った。 そして… 月日は流れ今日に至る… 女は写真を手にし涙しながら あの時の忌まわしい出来事を回想した。 握られた写真… 正しく その時に隠し撮られていた強姦されている己の写真… しかし… 何故…あの時の写真が存在するのか… そして… 投函した男とは誰なのか…? 女は背筋を凍らせながら恐怖するのであった。 夫にも誰にも知られたく無い過去… そして女は同封されたメモ書きに目を通す… 【やっと…見つけた…】 女は更に恐怖した… また狙われている… 震える身体を庇うように強ばらせ迫り来る恐怖に脅えるのであった。 続く。
10/07/22 01:18
(IBkXdKRo)
投稿者:
たなか
最高でした。早く続きをお願いします。
10/07/22 11:11
(GcLgALfW)
投稿者:
妄想屋
メモ書きされた文面に恐怖を隠しきれない女。
女は確かに過去に犯された… しかし… あの場に居合わせていた者の他に確かに存在する目撃者と言う存在… しかも今になって明らかにされる事実。 女は忌まわしい事件の事が引き起こした数々の身に降り掛かった嫌な思い出が走馬灯のように駆け巡る。 あの事件以来… 周囲の厭らしい目が女を悩まし傷つけた。 中には強引に関係を迫る大人までもが噂を聞き付け現われた事もあった。 本人の意志よりも両親同士の憎悪の争いが更に女を傷つけ悩ませた青春時代。 その事で転校も強いられ挙げ句には頑張って来た新体操のトップ選手になる夢までもを奪われた。 女は そんな過去を引き摺りながら事件を胸の奥くに封印し懸命に生きて来た。 そして周囲からの偏見の目も噂も跳ね除けながら頑張った日々。 しかし…あの事件以来は異性と言う存在がトラウマとなった。 強姦された時期に相思相愛だった彼氏までもが偏見の目を向け遠ざかって行った。 何も信じる事も出来ずに異性との関わりを自ら閉ざし恋多き乙女時代と言う一時期を封印する少女時代であった。 しかし時が経つにつれ徐々に異性を受け入れて生きようとしていた頃に今の夫と知り合い今と言う幸せを掴み取った。 過去を頑な迄に封印し夫にも打ち明ける事も無く幸せを掴んだ女… しかし… もし…あの事が夫に知られていたならば… 今の幸せは無かったかも知れない… そして今でも夫に知られたならば… 昔の時のように周囲から受けた偏見の目が再び女を悩ませる事になるやも知れない… 女は過去の己の境遇に苛まれ打ち明ける事を頑なに拒む。 せっかく掴んだ幸せを壊したく無い… ただ それだけを想い過去の悪の産物に封印をしようとするのであった。 そして女は封書を握り締め幸せの為に迫り来る恐怖と向き合うのであった。 しかし… 女は本当の恐怖と言う物を知らしめられる事になろうとは今の時点では知る事も無かった。 そして不安を抱きながらも何事も起こる気配も無く数日が過ぎて行く。 周りの気配に気を配りながらの緊張を余儀なくされる生活が続く。 そんな頃… 薄暗い部屋に閉じこもり黙々とパソコンに向かい画像を編集する男がいた。 部屋中には女を盗撮した写真が所狭しと散乱する。 女の女学生時代のレオタード姿から現在の女の姿までもがコレクションの如く壁一面を覆っていた。 そんな部屋で男はパソコン画面を睨み微笑む… 「待ってなよ…」 編集する女の画像を厭らしく見つめ舌舐めする男。 この男… 女の同級生で あの事件を目撃し盗み撮った写真同好会の男。 あの衝撃の事件以来 女を想う気持ちが次第に大きくなり悶々とした日々を過ごしていた。 見てはいけない物を見た男の人生は あの日から歯車が狂ってしまったかのように歪み出してしまうのであった。 憧れの女の犯されし姿を目の当たりにした男は歪んだ欲望の谷を転がり落ちるのである。 毎夜のようにスクープした写真を見ながらの自慰行為が日課のようになり 次第に抑えが効かなくなって来る歪んだ欲望。 その欲望が次第に男を引き籠もり的な生活にと変えて行った。 外出する事も無く写真を貪る日々が男の生き甲斐となっていた。 絶えない噂を耳にする度に優越感に浸り己だけが知る禁断の事柄に溺れて行く。 そして…女が転校した事が引き金となり更に歪んだ欲望が男を支配して行った。 卒業しても尚も尽きる事の無い歪んだ欲望… 女を追い求め彷徨う人生が走り出すのであった。 そして長年に渡り探し続けた女を遂に見つけ出した男の欲望は更に歪んだ形に豹変するのである。 パソコンを睨み新たな女の画像をプリントし遂に越えては成らぬ一線を象徴する文面を添えて投函するのであった。 あの事件から全うな人生から転がるように堕ち定職にも就く事も無く今は借金溺れのフォトグラファーの男… フォトグラファーと言えども官能雑誌の片隅にも届かぬ程の官能写真家… そんな男の欲望が遂に動き出すのであった。 そして数日後… 女の手元に男が投函した封書が届く。 初めて送られて来た封書から数週間の沈黙を破り再び女の元に忌まわしい悪の郵便物が届けられた。 誰も居ない昼間に女は封書を握り締め固唾を呑んだ。 中身が何なのかは凡そ解ってはいる物の緊張する手は微かに震える。 封を開け中身を確認する女… 小刻みに震える手元が忌まわしい内容の物である事の証であった。 女の私生活を盗撮した写真に付け加え娘の写真までもが添えられている今回の忌まわしい封書。 確実に我が身だけでは無い被写体に女の不安が一気に高まった。 初めての封書が送られて来てから今までの間に秘かに盗撮されていた事実が女を恐怖に陥れた。 あれ程までに警戒しながら生活をしたのにも関わらず安易に盗撮されている恐怖… そして…様々な不安を決定つける忌まわしい過ぎる文面を記したメモ… 女は絶句した。 【あの時の事を知人や旦那ましてや学校にまで知られたくは無いだろう?あの時のような偏見を二度と味わいたく無いなら1つだけの条件を了承しろ…】 そして… 【猶予は2日間…条件を受け入れる気があるなら猶予内に電話をしろ…その時点で条件を告知する…もし電話が無ければ即座に総てをバラ巻く…】 そして携帯番号が記されていた。 そして最後に… 【俺は人生の落第者だ…捕まっても構わないと思っている…しかし…もし…警察ざたにでもしようと考えて居るならば…覚悟はしておけ…写真の娘にも何らかの災難が降り掛かるであろうと言う事を…】 女はメモ書きされた文面に背筋を凍らせた。 あの時の己の置かれた境遇を熟知したかのような言い回しの文面… そして女の心情の確信を突くような忌まわしい想いを綴る文行… 女の脳裏に浮かぶ【偏見】の2文字と娘への災い… 冷静に考えれば全うな対処の答えが出るはずの脅迫にも関わらず女の過去の呪縛が誤った判断をさせる事になる。 忌まわしい過去の呪縛が女を誤った選択に突き動かす。 悩み考える時間を費やす事も無く携帯電話を躊躇する事無く手に取ってしまう女。 条件が如何なる物であるかも考える事も無く呪縛からの解放と娘への無害だけを求め錯乱し取り乱すように誤動するのであった。 錯乱しつつ震えながらも書かれた携帯番号に自ら電話する女。 耳元に響く呼び出しのコール音を掻き消ほどの心臓の鼓動が女を襲う。 その頃… 男は部屋で宛ても無くゴロついていた。 そこに携帯の着信音が鳴り響く… ディスプレーには登録に無い番号が表示されている。 「ん…? もしや…?」 男は発信先が女である事を直観的に悟った。 そして慌てる事もせず電話に出る男。 「も…も…もしもし…」 息が詰まる声の女の電話… 電話口から女の声がした瞬間に男の目がギラついた。 「やけに早い電話だな…」 冷ややかに語る男… 「あ…あなた…いったい…誰? どう言うつもりなの?」 「誰って…? 悲しい事を言うね…まぁ…無理も無いか…」 そして… 「そんな事より…電話を掛けて来たと言う事は条件を受ける覚悟は出来ていると言う事だな…?」 「あ…あなたのしてる事は犯罪でしょ…解ってるの…?」 「おやおや…お説教か…まだまだ立場が理解出来て無いのか?俺は本気だぜ…」 女は男の冷ややかで冷淡な受け答えに沈黙した。 そして沈黙を破るように震えた声で女が言う。 「条件を私が受ければ写真は総て返してくれるの?」 女の揺れ動いている心情を掴んだ男は透かさず答えた。 「あぁ…返してやるよ…後は…あんたの胸一つだな…」 「じょ…条件って…? いったい何を…?」 女は受け入れる意思表示として条件の事柄を男に問う。 「あぁ…条件か…? 簡単な事だ…写真を撮らせて貰うだけだ…」 「しゃ…写真…?」 余りにも意表を突いた条件に女は安堵しながらも戸惑った。 しかし…次に聞く男の言葉に女は絶句する。 「あぁ…写真だ…お前の裸のな…」 やはり女は脳裏に過った通りの展開に沈黙する。 しかし女の脳裏には写真だけと言う事が妙に引っ掛かり心が揺れ動く。 そして… 「裸の写真…だけ…撮れば良いの…?」 そして微かな願いを込めて更に問う。 「顔は撮らない…?」 男は揺れ動く女を畳むように答えた。 「それは…あんた次第だ…こっちが要求する被写体の事柄を総て受け入れるのならな…」 もう正常な判断すら出来なくなる程に追い詰められた女の心情を突く返答が冷酷にも告げられる。 しかし微かな想いを秘めた問いに完全否定される事の無い回答に女の心は戸惑う。 「早く決めな…あの時のように偏見を再び受けるか…それとも総てチャラにするか…あぁ…忘れてた…愛する娘を守るのも…あんた次第だ…」 畳み掛けるように最終決断を促す男…。 沈黙は暫らく続く… そして… 「や…約束して…この一度だけにして…」 女の折れた心情を示す言葉が小さく囁かれる。 「あぁ…約束するぜ…」 そして続け様に… 「交渉成立だな…それじゃぁよ…あんたの気が変わらねえ内にやっちまうか…今から直ぐに出て来い…」 余りにも急な男の言葉に慌て戸惑う女。 「え…? きょ…今日…?そ…そんな…いきなり…」 最後まで女の話を聞く事も無く話の腰を折るように男は言った。 「あんた…まだ解って無いようだな…? こっちが要求する被写体なんだぜ…あんたはよ…? もう交渉決裂で良いのか…?」 男の言葉に窮地に追いやられる女。 そして… 「わ…解りました…」 女の言葉に電話口の向こう側で不気味に笑みを浮かべる男。 そして女に時刻と落ち合う場所を指定し1秒でも遅れる事が有れば交渉決裂と言う事だけを告げ一方的に電話を切るのであった。 不条理な要求を受け入れてしまった女… 冷静な判断をも忌まわしい過去が女にさせ無かった。 しかし…その誤った決断が女の新たなる悪魔の始まりになろうとは冷静を欠いた女には理解知り得ないのである。 一方で電話を切った男は不気味に笑みを浮かべ獲物を手中に堕とし入れた興奮を抑えつつ準備を整えるのであった。 しかし… 本当の男の目的が隠されている… 男の真の目的とは…… そんな罠が待ち構えている事など女は知り得ない… だが…既に術中に填まった哀しき女… そうとも知らず女は慌てながら指定された場所に出向くのであった。 続く。
10/07/23 00:06
(W9UH.RZ/)
投稿者:
ファン
◆KgDSA6zZpY
待ってました!
また良作を期待してます。 ん~、楽しみが増えた!
10/07/23 17:27
(WMUhmKJD)
投稿者:
愛読者
妄想屋氏に文才があるのは、真実のこととして、認めたいと思っています・・
ただ・・ モデル女性の尊厳が、いかなる形にても、些かも、害されることがありません ように・・ この手のサイトを愛読していて、偉そうに言えた義理ではないのですが・・ 妄想屋氏の愛読者にして、モデル女性を心底、好きに なってしまった男
10/07/26 01:38
(CjqriN2Z)
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