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1:乱舞の家
投稿者:
サワキ
私の職業は名刺にはルポライターと書いているが、実
際は品性も品格もなく二、三流の週刊誌や雑誌にジャン ルを問うことなく、興味本位のルポを売り込んでいる男 である。 テレビドラマによく出てくる悪徳ライターそのままで、 年齢は四十三歳で結婚もしておらず安いワンルームでの 一人暮らしだ。 筆者の紹介はこれくらいにして本題に入る。 私が江藤明彦という人物を知ったのは半年ほど前のこ とで、ある地方都市で小さな不動産会社を経営している 男だった。 情報源は明確にはできないが、最初に聞いたのはその 人物の家族構成についての話だった。 江藤明彦はその都市の郊外の山裾にあった広い敷地面 積の旧の庄屋宅地を買い取り、平屋で五十坪近い母屋だ け残して離れの居宅として鉄筋コンクリートの二階建て を建て、そこに八人家族で暮らしているというのだ。 そしてその家族構成が複雑怪奇だった。 江藤明彦(五十七歳)本人と妻の佐和子(三十六歳) と十七歳と十六歳の娘が二人で、佐和子の実母の美津子 (五十一歳)とその子供が二十六歳と二十四歳の娘が二 人に二十一歳の息子が一人、そして美津子の実母の久美 子(六十九歳)という仕分けである。 佐和子の実母の美津子の子供であるが、この父親とい うのも江藤明彦本人なのである。 家系図的に描いても複雑な仕組みだが、私はこの家族 の一端を情報提供者から聞いた時、すぐに興味が湧きそ の実態を調べたいと思いその都市に車を走らせた。 社会の底辺ばかり這いずり廻って生きてきた私の脳裏 には、すぐに妖しげで魑魅魍魎的な「近親相姦」の構図 が浮かび上がっていた。 普通一般的に「近親相姦」というのはよく聞く話であ るし、最近のネット社会では一つの性の形態として色々 な組み立ての相姦が当たり前のように出回っている。 「近親相姦」についての議論をここで述べようという 意識は私にはさらさらにない。 悪徳ライターを自負する私にもたらされたこの複雑な 家族を調べて、どこかに売り込めるかどうかが私の仕事 の第一だった。 駅前で安いホテルを探し取り敢えず三泊の予約を取っ て、私はすぐに動いた。 江藤の経営する不動産会社は市街地から郊外に出る国 道沿いに建つ雑居ビルの二階にあった。 先ず調査対象者本人に会うのが最初の目的なので、機 転を利かせてウイークリーマンションの紹介を依頼した。 事務所はそれほど広くはなく、小柄で華奢な体型をし た五十代くらいの女性事務員が入り口を向いて座ってい た。 仕事で十日ほどこちらに滞在するので安い宿があれば と依頼しながら奥のほうに目をやると、白髪混じりの髪 をきちんと分けたスーツ姿の男が、少し大きめの机に向 かいながら電話の受話器を握って誰かと話していた。 一見して中肉中背の体格でどこにでもいそうな中年の 男のように見え、少し意外な気がした。 すると今応対してくれている女性は、もしかしたら彼 の妻の母親の美津子では?とすぐに推測できた。 薄く栗毛色に染めたオカッパ風の髪と細い首の上の顔 は目鼻立ちも整っていて、外見的には四十代前半くらい に見えた。 「あの、すみません。ちょっと社長さんにお話が…」 そういって私は事務員に江藤社長との面談を申し入れ た。 江藤明彦は間近で見てもどこにでもいそうな普通の男 で、商売柄物腰も柔らかく、聞いている風評と私の想像 とはかなりかけ離れていた。 私はルポライターとしての名刺を出し、この地方で計 画されているという大手電器メーカーの工場施設の土地 買収の件の調査でこちらへ取材に来たといって、安宿の 紹介を依頼した理由を話した。 大手電器メーカー云々の話は事前に仕入れていた事実 情報である。 狙いは不動産会社を経営する江藤明彦にどうやって取 り入るかにあった。 ここに来る前にある程度の作戦は立てていたのだ。 それから三日ほどで、私は江藤と繁華街にある割烹居 酒屋で酒を酌み交わす間柄になっていた。 個室での二人きりの面談だった。 「…ところで、江藤社長は八人か九人の大家族で住ん でいると聞いたんですが?」 「私ですか?…ええ、まぁ」 「実はね社長、私は早くに親父を亡くして母親との二 人暮らしを市営住宅で長くしていまして、大家族という のには憧れのようなものがあるんですよ」 「そうなんですか…」 「社長を信じてお話ししますけどね。母親は若い時に 私を生んでますので、私が高校生の頃、母親はまだ四十 になってなかったんですよ。それに息子の私がいうの何 ですけど、おふくろは夜の商売をしていて外見は美人系 で若く見えたんで、息子の僕と関係してるんじゃないの か?なんて妙な噂立てられましてね。…それで僕はかな りぐれてしまいましてね」 「……………」 「こんなこと誰にも話したことないんですけどね…お ふくろと私本当に関係持ってしまったんですよ。世間が いってるならそうなったらいいじゃねぇか、なんて粋が っておふくろを犯してしまったんですよ」 「……………!」 「男同士だからいいますが、実際はその前からおふく ろの穿いていた下着でオナニーなんかしたりしてました けどね。実際、私の初体験はおふくろでした。…すみま せん。まだ知り合って間もない人にこんな不遜な話」 「沢木さん、そんな話を私に聞かせるのは…私の家族 のことを本当は知りたくてこの街に来たんじゃないのか い?何となくはわかっていたけどね。…でもいいよ。私 もあなたのこと気に入ってこうして付き合いしてる。よ かったら家に入ってくるかい?」 「え?」 「あなたのお察しの通り、我が家は複雑で近親相姦な んか当たり前のように行われている。そのことがいいか 悪いかを考えて私は行動はしていない。人を騙すとか人 を殺すとか物を盗むとか、世間の悪事と近親相姦が同じ だとは私は思わないし、またそのことを人と議論し合う 気持ちもない。ただ、私が生きてきた結果がこういう家 族になってしまっているということだけだ」 「わ、私もその問題を世間に提議して正否を問うとい う気持ちでは社長、いや江藤さん、ないですよ。いやも っとはっきりいうなら、そういう家族の仕組みの中であ なたに抱かれている女性たちの気持ちを知りたいと思っ ただけです。三面記事的な発想といわれればそれまでで すけど…」 二人のそういう会話があって翌日の夜から、私は郊外 の広い敷地に建つ江藤家に入った。 江藤明彦は家族全員を十畳の大広間に集めて私をルポ ライターと正直に紹介した。 この人に尋ねられたことには何でも正直に話すように と彼は大きな声で明言して、全員が首を頷かせたのであ る。 そして最初の面談者が江藤本人だった。 普通では信じ難い家族構成を構築したいきさつの前に、 江藤明彦の生い立ちや成り立ちを尋ねた。 江藤はある地方都市の資産家の一人息子として生まれ た。 しかし江藤の生後一年少しで不幸にも両親が同時に交 通事故で亡くなり、彼は父方の祖母に育てられた。 父の残した資産と事業の運用と運営は父の忠実無比な 部下だった叔父が、明彦の成人まで責任持って保持して いくと約束しその叔父はそれを履行して間もなく世を去 っていた。 中学に入った明彦の周囲には資産家の一人息子という こともあって人が多く群がっていた。 明彦に不自由はなかった。 そして中学二年の時、明彦は初めて女性との性交渉を 体験した。 相手は同じ中学の一年先輩の女番長といわれていた女 子生徒だった。 明彦の同級生がその女子生徒に金品を恐喝されたとい うので明彦が関わった。 その女番長の両親が明彦の叔父が経営している農場と 青果市場で働いていた。 中学生でありながら明彦は狡猾な手段を選んだ。 人里離れた野小屋にその女子生徒を呼び出し、お前の 両親が馘になるぞ、といった。 卑怯者、と明彦を罵ったその女子生徒の体操着姿に、 明彦は唐突に興奮を覚えた。 背がすらりと高く胸の膨らみも大きく、顔立ちも目が 切れ長で鼻筋も高く通っていて中学生以上の発達した身 体に突然性欲が湧いた。 俺のいう通りにしろ、と明彦は命じた。 唇をきつく噛み締めている女子生徒の返答を待たずに、 ここで服を脱げ、とさらに命令した。 悔しさ一杯の顔をして女子生徒はゆっくりと服を脱い だ。 ブラジャーとピンク色のショーツ姿になる。 全部だ、と明彦は喉の奥に唾を飲み込みながら女子生 徒にいった。 小屋の奥に茣蓙を敷いた板間があった。 そこに女子生徒を座らせ、その真正面で明彦はズボン とトランクスを脱いで立った。 舐めろ、と明彦がいってしばらくの躊躇の後、その女 子生徒は慣れない動きで明彦の下腹部から突起している ものを口に含み入れた。 女子生徒の頭を抑えつけて明彦は小さく呻いた。 明彦も女子生徒もそういう行為は当然初めてのことだ った。 明彦の固く勃起したものの先端から白いものが迸り、 女子生徒の口の中から跳ね飛び散った。 女子生徒は涙顔で激しくむせ返っていた。 しばらくして明彦は茣蓙の上で女子生徒の背後に回り 座り込んでいた。 女子生徒の両脇から手を伸ばして大人のように膨らん だ乳房を揉みまさぐっていた。 女子生徒は全身を強張らせているだけで、抗いの仕草 は見せていなかった。 時折、うんっ…うんっと目を閉じたまま小さな声を洩 らすだけだった。 そうしている内に明彦の下腹部の突起は再び大きく勃 起していた。 態勢を変え明彦は女子生徒の剥き出しの下腹部の中心 に顔を埋めていた。 まだ薄く生えた毛の下にピンク色をした割れ目があっ た。 小さく蕾んだ突起が見えた。 それに明彦は舌を這わせた。 女子生徒の下腹部が激しく大きく揺れた。 そして固く勃起したものを明彦は唾液で濡れそぼった 割れ目の中に深くゆっくりと押し入れた。 女子生徒は全身を激しく揺すらせてのけ反るように動 いた。 ああっ…という切なげな声と同時だった。 入れて数回ほど明彦は腰を律動させた。 それが限界だった。 明彦は女子生徒の身体の奥に放出して果て終えた。 帰り際、女子生徒の背中に向けて明彦は、明日の夜、 俺の家に来い、といった。 明彦のそれが初体験だった。 それから一週間、女子生徒は毎晩明彦の家を訪ねた。 祖母に明彦は彼女に英語を教えてもらうといった。 二階にある明彦の室のベッドの上で、明彦はその女 子生徒を抱き尽くした。 そして明彦は高校に進学した。 つづく
2014/09/19 18:00:21(XzmS7Rzf)
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