ようこそゲストさん。
ナンネットIDにログインしていません。
ID: PASS:
IDを保存 
ナンネットIDは完全無料のサービスです。ナンネットIDを取得するとナンネットの様々なサービスをご利用いただけます。
新規登録はこちら
ID・パスワードの再発行はこちら
義母・亜紀子   それから…
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:近親相姦 官能小説   
投稿の削除 パスワード:
1:義母・亜紀子   それから…
投稿者: コウジ
(義家族との体験―義母・亜紀子より続く)

 翌日、新潟駅から上りの上越新幹線に乗ったのは、まだ雪の降る午後
四時過ぎでした。
 座席に腰を深く降ろした僕が最初にしたのは、肩までを使って長く大
きな溜め息をついたことでした。
 この旅の本来の目的だった、大学時代の友人の病気見舞いを終えて、
駅に向かうタクシーに乗り込んだ時、すぐに携帯が鳴りました。
 つい今しがた見舞ったばかりの、友人の浅野からでした。
 「浩ちゃん、今日は遠いところわざわざ来てくれて、ほんとにありが
とうな」
 明るい声でしたが、病人らしい弱々しさがどこかに感じられました。
 「何だい、さっきもお礼いってもらったばかりじゃん。どうしたの?」
 「うん、今日はほんとに嬉しかったよ。浩ちゃんの顔見れて…」
 「ああ、僕も祐ちゃんの少し痩せてたけど、明るい声聞けて安心した
よ」
 この後に、沈黙の間が何秒かありました。
 「どうした?祐ちゃん…」
 「うん、ごめん。…浩ちゃんの声聞いたら胸詰まっちゃって。…俺ね…
実は癌なんだよ」
 「えっ?何だって?」
 「腸閉塞もなんだけど…ほんとは膵臓癌なんだ。それもステージ4に近
いステージ3。…こちらの遅い桜が見れるかどうか…」
 「な、何だよ、急に。どうしている時にいってくれなかったの?」
 「浩ちゃんの明るい顔久しぶりに見れて、何だかいいそびれてしまって
ごめん。…あ、浩ちゃん、ごめん。母ちゃん戻って来たから、もう切るな。
ありがとう…」
 そういって携帯は相手側から一方的に切断されました。
 タクシーももう駅に着いたので、僕は慌てて降り、こちらから何度もか
け直したのですが、一度も繋がることはありませんでした。
 僕はもう一度病院に戻ろうかとも思ったのですが、友人の浅野のわざわ
ざ携帯での告白の気持ちを思うと、足は後ろには向きませんでした。
 そういうことがあっての、座席での僕の深い溜め息でした。
 新幹線は舞い降る雪の中を、ほとんど音も立てないまま疾駆していまし
た。
 何か全身に得体の知れない重さと、やるせなさだけが残ったような長い
旅だった気がしていました。
 温泉旅館で加奈子と二人で朝を迎え、彼女の運転する車で大粒の雪の降
る中を、昨日、彼女に迎えに来てもらった信越線の水原駅まで送ってもら
いました。
 その途中のコンビニの駐車場に加奈子は車を止め、
 「お願い、三十分でいいから、もう少し一緒にいさせて…」
 と赤い手袋をした両手を顔の前で合わせて、可愛げに懇願されたので、
 「いいよ、僕ももう少し加奈子の顔を見ていたいから」
 と笑顔でいって片目を瞑ってやると、
 「嬉しいっ」
 と彼女は運転席から身を乗り出すようにして、僕の肩に抱きついてき
ました。
 朝方には降っていなかった雪が、また深々と降り出してきていました。
 加奈子は車を降りて、コンビニで温かいコーヒーを買ってきてくれま
した。
 「昨日いわなかったけど、私…二日ほど前から阿賀野市内のビジネス
ホテルに泊まっているの」
 可愛い唇を窄めて熱いコーヒーに息を吹きかけながら、加奈子が呟く
ようにいってきたので、
 「どうして?」
 と理由を聞くと、
 「お祖母ちゃんがね、お金出してくれて、もうここにはすまなくてい
いって…」
 と彼女は応え、
 「都会に行くまで、ホテル住まいしてたらいいって…加奈子に辛い
思いをさせたのだから、こんなものではすまないけど、ぜひそうしろ
って、泣きながらお金渡してくれたの」
 そう言葉を続けました。
 大粒の雪が見る間に、車のフロントガラスに積もり出していました。
 「いいお祖母ちゃんだね…きっと優しくて綺麗な人なんだろうな」
 「旅館で仲居をしてた若い頃には、結構有名な美人だったらしくて、
何度か芸者さんになればって誘われたらしいわ…」
 「会ってみたかったね…」
 「浩二さん、年上の人が好きみたいだから…あ、ごめんなさい」
 加奈子が何を指していっているのかは、すぐにわかりましたが、
 「そうだね…年上の人好きだけど…でも、若い加奈子も今は好きだよ」
 と僕は冗談めいた言葉を返して、また片目を瞑ってみせました。
 まだ何ヶ月か前の、病院のベッドで義母と抱き合っているところを、看
護師だった加奈子に見られたのが、随分と昔のことのような気がしていま
した。
 「私、亜紀子先生に、前にこちらへ帰ったってメールしたんです…」
 「ああ、そうみたいだね。聞いてるよ」
 「まぁ…先生、私たちのこと知ってるのかしら?」
 「うん、前に一度、僕から少しだけ話したことあるけど…ここへ来る時
にもね、やんわりとだけど釘刺されてるんだ、ほんとは」
 「まぁ、どうしましょう?」
 「まぁ、余計な心配させるのもあれだから、僕もだけど…君も黙ってた
ほうがいいんじゃない?」
 「そうね…そうします。でも…」
 「でも何?」
 「ごめんなさいね。もし浩二さんとまだ続いているんだったら…私、亜
紀子先生に少し嫉妬しちゃう」
 「そんなじゃないさ…」
 雪ですっかり視界のなくなったフロントガラスに目を向けて、僕は加奈
子に切ない嘘をつきました。
 「ごめんなさい、何度も。そうだ、私、明後日くらいにはもうこの新潟
を出ますから…」
 「ああ、そう。住むところなんかは決めたの?」
 「ネットで探しました。…ご心配なく。浩二さんのお家から随分と離れ
てますから。…だって近いと私までが毎日苦しくなりそうだから…」
 加奈子はいつもの快活な声でそういって、僕に無理におどけたような顔
を向けてきていきました。
 それから昨日、加奈子に迎えに来てもらった水原駅で、今日は加奈子と
の別れの時を迎えたのです。
 加奈子は車を降りて、改札口まで見送りに来てくれました。
 別れ際に加奈子が差し出してきた手袋を脱いだ手を握り返してやると、
 「向こうで会える日を、ずっと待ってます。…私、負けませんから」
 …といって強い視線を僕に向けてきました。
 新潟までのローカル電車の中で、加奈子が別れ際にいった言葉を思い出し、
僕は何かやるせない物思いに耽っていました。
 彼女は多分、これからの苦難にも負けないといったのだと思いますが、僕
に投げつけてきた強い視線には、また違う意味合いがあったのかもと、僕は
妙な邪推に囚われていました。
 もしかしたら、加奈子は僕と義母の関係を指して、自分の意思を告げたの
かもという思いでした。
 加奈子がまた同じ街に戻ってくると聞いた昨晩にも、僕の心の中に過ぎっ
た不穏な予兆らしきものが、もうこうして早速に具現化してきていることを
感じていました。
 加奈子のほうに僕という、保身にばかり走る身勝手な男を見限るという思
考は欠片もないのは明白でした。
 だとすれば僕のほうから、多少の強引さを持ってでも彼女を見切るしかな
いのでしたが、ここでもまた自分の優柔不断さが表に出てきて、何の決断も
できないでいるのが実情です。
 しかも僕自身の今が、なさぬ関係を断ち切れないでいるどころか、逆に日が
経つにつれ、離れがたい思慕が増幅するばかりの状況に陥ってしまっています。
 肝心要の部分から逃避していて、都合のいい打開策など思い浮かぶはずはあ
りませんでした。
 詰まるところは、全てが中途半端なままの流れにまかせるしかないのか?
 これまでの自分の生き方は、どちらかというと何事においても慎重居士で安
全に穏やかに生きるというのが、僕なりの処世観でした。
 非常識で危険なことは、当然のように関わりのないように避けて通ってきて
いました。
 しかし現実の今の自分は、明らかに一触即発的な危険な境遇に、自らの意思
ではどうすることもできずに、この身を浸らせてしまっています。
 何事にも慎重なはずだった僕でしたが、義母、加奈子、妻の由美を含めると、
三人の女性に僕一人が糸を縺れさせるように絡み、その場凌ぎ的に虚構に近い
愛を振り撒いている…そんな風に思えるのでした。
 列車はすでにトンネルだらけの地域に入ったようで、暗くなった窓に顔を向
けると、自分でもわかるくらいに萎れた覇気のない顔が映って見えました。
 ふと、僕の頭の中に、中島みゆきの「糸」の歌詞フレーズが浮かんできてい
ました。
 縦の糸はあなた、横の糸は私…。
 今の自分の周りには、紡ぐのが難しい斜めの糸が何本か錯綜しているのは明
白でした。
 この北国への旅も、加奈子のこちらでの新たな再起を確認して、安堵して彼
女の幸せを願えたらという、都合のいい魂胆みたいなものを僕は心の中であわ
よくばと期待していたのです。
 そんな僕の身勝手な淡い期待は、加奈子の祖母と叔父の、三人の血族の間の
爛れた肉欲関係を聞かされて、脆くも雲散霧消し僕はただ驚愕の境地に引きず
り込まれただけでした。
 加奈子の叔父と祖母がどういう性格の人物なのか知る由もないことですが、
雪国のおそらくは過疎に近い田舎で、七十四歳の母と五十を過ぎた息子が、不
条理な肉欲関係を続けている情景の生々しさは、過度に卑猥な妄想力を働かせ
過ぎた僕自身の愚かさもあるのかも知れませんが、心に受けた衝撃は決して小
さくはないものでした。
 さらにそこに姪であり孫娘になる加奈子が、図らずも複雑に絡んでしまった
ことは、僕の驚愕を一層増幅させたのはいうまでもないことでした。
 そんな醜悪非道な環境の中で、加奈子の幸せを願うこと自体があり得ない話
で、彼とは女が一度は逃げ延びた北国の街を出ることは、至極当然の結論なの
でした。
 深い傷心の加奈子に、もっと違う場所に行けば?とは、さすがに保身的な僕
にもいえない台詞でした。
 加奈子が同じ街に戻ったら、また大きな波風がきっと立つだろうと、という
予感以上のものを、僕は心密かに感じていました。
 やはりこの旅で加奈子に会った時、僕ははしたない欲情に負けることなく、
もっと毅然とした態度をとるべきなのでした。
 例え加奈子に深い恨みを買うことになるとしても、はっきりと別離の宣言を
自分はするべきだったという悔恨だけが残っていました。
 そういうことからして、自分が今置かれている立場の危うさを、僕はつくづ
くと思い知り、痛感させられていました。
 そして病に伏す友からの、あまりに悲劇的過ぎる衝撃の告白。
 車窓の外の景色を真っ白に染めている雪とは真逆に、どす黒く澱み荒んだ自
分自身。
 何とも重きに過ぎた旅の終わりに、僕の脳裏に浮かんだのは、妻の由美では
なく、義母の亜紀子の顔でした。
 矢も盾も堪らぬ思いで、僕は携帯を手に取っていました。
 帰宅の時間を由美と義母の二人に、同じ文言でメールした後、義母にだけ引
き続いて、
 (亜紀子、疲れた旅だった)
 と追伸的に書き足し送信しました。
 ほどなくして由美からは、
 (了解、お疲れ様。私は明日がバレーの練習試合があるのと、今夜も同僚と
の食事会で、あなたのお迎えできないけど、ゆっくり休んでて)
 という絵文字を駆使した返信があり、少し遅れて義母からも返信がありまし
た。
 (何かあったの?)
 たったそれだけの短い文言でしたが、僕には義母の案ずるような愁いのある
顔が、携帯の小さな画面にありありと映り出ているように見えました。
 僕の左手の親指は、また即座に目まぐるしく動いていました。
 (見舞いに行った友人がね、重度の癌なんだって…。病室にいる時にいわず
に、僕が駅に向かった時に携帯でいきなり告げてきたんだよ。僕は戻れなかっ
た…)
 加奈子とのことは、さすがに書くことはできませんでした。
 (あなたの同級生ならまだお若いのに、お気の毒ね…)
 (病院に戻れなかったのは、何か、のんべんだらりと生きている自分が恥ず
かしかったからかも知れない)
 (恥ずかしいのは私。あなたを苦しめている…)
 (早く帰って亜紀子を思い切り抱きたい!)
 その文言をうった後、義母からのメールが途絶えました。
 いつの間にか車窓の外の景色が一変していて、真っ白な雪景色がどこかから
消え、薄暮の市街地の光景が長く続いていました。
 新幹線を下車する少し前、唐突に義母からのメールが届きました。
 (あなたを苦しめているのは…やっぱり私。でも離れられない。ごめんなさ
い…)
 あれほど重きに過ぎた旅に落胆していた僕の心に、いきなり閃光のような明
るい光を注ぐ義母からのメール文でした。
 何となく陰鬱な気持ちでいた今の僕が一番欲しかった、義母からの言葉でし
た。
 寒い雪国で冷やされた僕の身体の中の血液が、一気にほの温かく和んできて
いました。
 (間もなく新幹線下車予定。明日は日曜日)
 (お気をつけて…)
 新幹線を下車し私鉄を乗り継いで、終点駅からタクシーで家に辿り着いたの
は、あたりがすっかり暗くなった七時前でした。
 玄関のチャイムボタンを押すと、中のほうで小さな足音が聞こえ、ドアが開
いて小柄な眼鏡姿の義母が、白い歯を見せて立っていてくれました。
 「おかえりなさい…」
 襟の大きな白いタートルネックのセーターに濃いグレーのカーディガンを羽
織り、厚い布地の色の濃い長いスカート姿に、僕はただいまをいうのも忘れ、
少しの間うっとりと見とれたように玄関口に立ち竦みました。
 「寒かったでしょ?」
 理知的な赤い唇と、綺麗な歯並びの中から出た義母の何気のない言葉にも、
僕の心はひどく感動していたのです。
 「あ、ああ…ただいま」
 ようやく我に返ったように、慌てた素振りで言葉を返した僕を義母は少し不
思議そうな顔をして見ながら、
 「由美から連絡いってるでしょ?二人だけのお鍋よ」
 とそういってダイニングのほうに戻っていきました。
 暖房の効いた明るいダイニングに入ると、玄関では感じなかった何か懐かし
い愛着のある匂いが、食卓の上で湯気を立てている鍋の匂いと相俟って僕の鼻
腔を心地よく擽りました。
 「ビールか何か飲む?」
 と冷蔵庫の前に立つ義母が声をかけてきました。
 「あ、ああ…うん」
 まるで他人の家に来ているような戸惑いぶりで、僕はまた頓珍漢な返答をし
ていました。
 「どうしたの?おかしい…」
 ビール瓶を手にした義母が、本当に可笑しそうな笑顔を見せて近づいてきて
いました。
 「今日は由美もいないから、隣りに座っていい?」
 色白の顔をかすかに朱に染めながら、義母は少し気恥ずかしげにいってきま
した。
 「あ、ああ…そうして。亜紀子の側で美味しくビール飲みたい」
 僕はどうにか平静を戻してダウンジャケットを脱ぎ、椅子に座り込みました。
 いつもは由美が座る椅子に義母は少し恥らいながら座り、僕に冷えたビール
を注いでくれました。
 あまり飲めない義母でしたが、私も少しだけ、とはにかむようにいったので
ビールを注いでやり、取り敢えず僕の無事の帰還をということで、笑顔で乾杯
をしました。
 「お友達、お気の毒ね。癌って…?」
 「うん、膵臓癌っていってたけど…」
 「お若いのにね…ご結婚は?」
 「まだしてなかった…」
 コップ半分だけのビールで義母の顔は朱色から、熟した柿色のように赤く染
まっていました。
 鍋は僕の好きな味噌鍋でした。
 「昨日のテレビでは新潟のほうはひどい大雪だっていってたけど、大丈夫だ
ったの?」
 「うん、雪はすごかったよ。でも街歩いてる人たちは、こちらが騒ぐほど気
にしてない感じだったね」
 「そう、私は身体小さくて細いから、寒いところは骨身に凍みるから住めな
いわ。この前の日光でも寒かったもの」
 「雪は多かったけど、寒さはそうでもなかったなぁ」
 そんな他愛のない会話が続いた途中でした。
 僕がうっかり手を滑らせ、持っていたレンゲを床に落としてしまい、それを
拾おうとした僕と、一緒に動いた義母の身体が同時に前屈みになって、肩と肩
がぶつかり、そのはずみで彼女が身体のバランスを崩したので、僕が手で支え
ようと抱き止めたのです。
 片方は義母の腕を、そしてもう一方は彼女の胸に当たっていました。
 思わず二人は顔を見合わせ、義母のほうから離れようとしたのを僕が腕を掴
んだまま離そうとはしませんでした。
 義母の胸に添え当てた手もそのままにして、僕は義母の顔に視線を向けまし
た。
 義母の乳房の小さな膨らみの感触が、僕の手に服地を通して柔らかく伝わっ
てきていました。
 見合わせた義母の眼鏡の奥の切れ長の目が、激しく泳ぎ戸惑っているのがわ
かりました。
 そのまま義母のか細い身体を引き寄せるようにして、椅子に座った自分の太
腿の上に載せると、改めて両腕で彼女を強く抱き締めました。
 「お、お鍋があるから、危ないわ…」
 そういって義母は、まるで小さな子供がむずかるように肩を揺らせてきまし
たが、それほどに強い拒否反応ではありませんでした。
 「亜紀子…キスしたい」
 僕の顔のすぐ下に、恥ずかしげに怯えた表情の義母の小さな顔があり、僕が
そういうと、
 「何か向こうであったの?」
 と鋭い問いかけをしてきたのでした。
 「何もないさ。…どうしてそんなこと聞く?」
 「メールでも疲れたって…」
 「新潟は新幹線では近くなってるけど、やっぱり空気も何もかもが違う。降
っていた雪のせいだけじゃなく、とても遠いところへ来たと思った…」
 「お友達のご不幸以外にも、あなたに何かあったのかしらって…」
 「亜紀子が夢の中でも、とても遠かったよ」
 「夢、見てくれたの?」
 「どうかな?…キスしたい」
 そういった後、僕は義母の顔に顔を近づけていきました。
 唇と唇が触れ合う寸前に、義母が小さく吐いた息の匂いが僕の鼻腔をまた心
地よく刺激してきました。
 閉じられた唇の中で、義母の歯の奥に潜んでいた小さな舌を、僕の舌が素早
く捉えました。
 しばらくすると義母の腕が、僕の首筋に巻きついてきていました。
 椅子に座ったままでの、僕と義母の抱擁は長く続きました。
 義母の舌を飽きることなく弄びながら、僕は頭の中であらゆる思考を錯綜さ
せていました。
 このまま義母を彼女の寝室まで連れ込んで行こうかとか、居間のソファの上
でとかの不埒な思考が走り巡っていました。
 しかし、好事魔多しという言葉がここで適切なのかどうかはわかりませんが、
僕の携帯のメール着信音が唐突に鳴り響いたのです。
 それも妻の由美専用の着メロでした。
 慌てて開くと、同僚との食事会が早く済みそうなので、後一時間ほどで帰宅
するという連絡でした。
 少しの間を置いて、義母の携帯にも由美からの同じ内容のメールが届きまし
た。
 「やっぱり今日はこんな一日だったんだな…」
 と僕は独り言のように小さく呟いた後、
 「僕たちの楽しみは明日だね?」
 と義母のほうに目を向けていって、苦笑いを浮かべました。
 そう遠くない内にこの街へ戻るといっていた加奈子との、微妙に中途半端な
別離があり、友人からの悲し過ぎる告白を聞かされたりで、かてて加えて待ち
望んだ義母との抱擁にも水を差され、何ともほろ苦いやりきれなさの残る一日
だったような気がしました。
 「お風呂入れてくるわね…」
 少し乱れかかっていた身なりを整えるようにしながら、義母はダイニングを
出て行きました。
 何か本当に憤懣やる方のない、僕の一日が過ぎようとしていました…。

   続く


(筆者付記)
旅情編を終わらせ、完結編に向けての、もう一山二山の難題が、浩二と義母の
間に生じますので、それから…というサブを補足してもう少し頑張らせていた
だきますので、よろしくお願いします。
何分病み上がりの身であり、時に遅筆する場合もあるかも知れませんが、どう
かご容赦願います。
これからもたくさんの方の、ご批評ご指摘にも十分に傾聴していきたいと考え
ていますので、またご意見なりご感想もお願いいたします。
         筆者   浩二
 
 
2015/11/17 01:13:28(atUuUJ8o)
2
投稿者: N
新スレご苦労様です。
待ち遠しかったですが、
出張が多いようで、過労が祟ったのでしょう?
呉々も体を大事にして下さい。

義母、妻、加奈子そしてもう一人の女性との
今後の展開を楽しみにしています。
15/11/17 09:19 (3.jtYw8i)
3
投稿者: まさ
まってました!
いつも楽しみに読ませて貰ってます。

体調を崩されていたんですね。
お身体ご自愛下さい。
15/11/17 11:42 (WczpTehh)
4
投稿者: (無名)
また新スレか
15/11/17 20:29 (wz7.q4DG)
5
投稿者: クリ
コウジさん
新レスありがとうございます。
病み上がりなのですから、ゆっくりマイペースでお願いします。

15/11/18 16:48 (ZS.DHphX)
6
投稿者: (無名)
楽しみにしてるけど……

著者にそんなに気をつかわんでもええやろ!?(笑)


卑屈になりすぎやで!!

聞いて欲しいから書く!!

興奮するから読む!!

露出癖と覗きのように、需要と供給でしょ(^.^)
15/11/18 20:33 (/1QWaEdl)
≪ 前 1 2 39 次 ≫
コメントを投稿
投稿前に利用規定をお読みください。
名前
メール
本文
スレッドを上げない
画像認証

上に表示されている文字を半角英数字で入力してください。
 
官能小説 掲示板
官能小説 月間人気
官能小説 最近の人気
作品検索
動画掲示板
画像で見せたい女
その他の新着投稿
人気の話題・ネタ
ナンネット人気カテゴリ
information

ご支援ありがとうございます。ナンネットはプレミアム会員様のご支援に支えられております。

Copyright © ナンネット All Rights Reserved.