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1:母と子の旅路 13
投稿者:
姦淫菩薩
その夜、卓也は6時過ぎには家に戻って来ました。
久しぶりに家族(?)3人での夕食を取りました。目の前の二人の男性を見 て、複雑な思いに感じられたのは、致し方ない事かもしれません。 今や他人に等しい存在となった夫、それに反し、息子とは言え、それ以上の 関係となった卓也、こんな事は誰が理解してもらえるだろう・・そんな事を 食事をしながら思っていました。 夕食後、場所を変えて3人が顔を合わせました。 初めに口火を切ったのが夫でした。 「遠まわしな話は止めて、結論から言うと、別れると言う事なんだな?」 「はい、是非そうしてもらえますか? 卓也はもう大人ですから、一人で生 活出来ると思います。私も、これからは一人で生きて行く道を考えるつもり です。」 私はハッキリと夫に考えを述べました。 「いいだろう・・お前たちの好きにすれば良い。この家はどうする?」 「私達が出て行きます。卓也も取りあえずは私と行動を共にしてくれると言 います。何れは別々に住む事になるとは思いますが・・。」 私は卓也の方をチラッと見ると、夫には嘘の話をしました。 何れ別々に住む等と言う考えは、私にも、卓也にも初めからない事でした。 もはや夫婦の様な関係となった私達です。離れて暮らす事は考えられない事 でした。でも、夫にそんな事を言える訳も有りません。もし、この事が夫の 知るところとなれば、離婚も儘ならぬ事になりかねません。嘘をついてで も、正式な離婚をする事が、卓也と私には必要でした。 「お前ら・・おかしな親子だな? 卓也、いい加減親離れしろ、いつまでも 母さんではなかろう・・。」 夫のその言葉は、間違いなく私と彼との仲を知る由もない様です。 「2~3日内に出る様にします。荷物は落ち着いたら引き取りに来ますの で、それまでの間、お願いします。」 話し合いは終わりました。夫は私達を引きとめる事なく、身軽さを選んだの でした。それが、結局は私と卓也の行く末を決定させたと言えるでしょう。 2日後、夫が出社した後、簡単な荷物を手に、私は家を出ました。 行先は、隣町に卓也が借りた8畳一間のアパートでした。 木造2階建ての、古い作りのアパートです。その2階の真ん中の部屋です。 木製のドアの脇に、粗末な紙で書いた表札が出されており、卓也の隣に美和 子と私の名前が並んで書かれてありました。
2009/04/01 19:37:27(r3Hya3TC)
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削除済
2009/04/01 22:04:05(*****)
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