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1:姉への想い(12)
投稿者:
弟
私は朝からそわそわと心を上ずらせていた
あの電話以降ずっとかもしれない こんなにも心躍るのはいつ以来だろう・・・ その日は生憎の雨だった 長女とは夕方に駅で待ち合わせることになっていた 長女は車で来るといっていたが、天気予報でかなりの長い雨が降るとなっていたので、私は危ないからと制し 電車でくるようさせたのだ 私は長女の乗る電車の到着時刻の30分も前から駅に着き、改札の前で待っていた 待つ時間すらも楽しくてしょうがなかった 恋人を待っているような気分だ・・・いや、今となっては恋人なのかもしれない・・・ 不倫よりもタブー視される恋・・・人からは蔑まされる行為・・・ しかし、私はもう収まりがきかない 長女は私よりもそう思っているのだろう 改札の先に長女の姿が見えた 娘の晴菜を連れている時とは違い、珍しくお洒落をしている 胸を強調した黒のキャミソールに、短めのピンクのフレアスカート、30才とはいえ童顔である長女には、 よく似合っていた 手には少し大きめの白いバッグを持っていた、1泊分の着替えが入っているのだろう 長女は私を見つけ手を振り、改札を抜け、小走りに私のほうに向かってきた 長女:おにいちゃんっ、待ったぁっ? 私 :いや、ちょっとだけだよ 長女:すごい雨だね、電車で来てよかった 私 :少し弱くなってきたけどね じゃあ、どこかでご飯でも食べていこうか・・・でもちょっと早いかな 長女:うーん・・・そうだね おにいちゃんの家はここから遠いの? 私 :少し遠いかな、頑張れば歩いていけるくらい 長女:じゃあ、歩いていったらお腹すくかも 私 :えっ?雨降ってるよ 長女はニッコリと微笑み、私の腕に長女の腕を絡ませた 長女:ゆっくりとデートしよっ! 私 :・・・あっ・・あぁ・・・うん・・ 長女:行こっ! 私は傘を開いた 長女は私の肩に頭を寄せ、ぴったりと体を密着させた そして、少し弱くなっていた雨の中、私の家の方向に向かい歩き始めた 私 :なんか・・・いいんだけど・・・職場の奴らに見られたらどうしよう 長女:彼女って言えばいいんじゃない? 誰も分からないでしょ・・・ホントのことは 私 :まぁ・・・うん・・・そうだけどね・・・ 長女:嬉しくないのぉ? ゆみこはすごい嬉しいんだけど 長女は口をとがらせ、私をにらんだ 私 :いや、わかったわかった 嬉しいです、すごく嬉しいです 長女:でしょっ 長女は私に絡めた腕に強く力を入れた 他愛もない話や、晴菜のことなどを話しながらゆっくりと街並みを眺め歩いた しかし、意図的に避けるように姉のことだけは会話に上がらなかった 私は長女の温もりを感じ、実際に会えば自らが困惑することとは思いつつも、この幸せな状況を誰か知ってい る人間に見せたいと思っていた 駅から私の家に向かう途中には、池もある大きな公園があり、それを超えると飲食街がある その先にホテルが立ち並び、私の家はその先にある 雨が降っていることもあり、公園は暗く人気がない不気味な雰囲気を醸し出していた 私は公園を迂回しようとした 長女:大きな公園だねぇ 私 :うん、池もあるよ でも、今日はなんか気持ち悪いよね 長女:うーん、私はこういう雰囲気も好きだけどな 私 :女の人のほうが怖がりそうなものだけどねぇ 長女:まだ時間があるなら、公園も見ていこうよ 私 :いや、通ったほうが近いんだけどね 長女:えっ?そうなの? なら、まっすぐ行けばいいじゃん 私 :いや、なんか暗かったから 長女:おにいちゃん、怖がりなの? 私 :そうじゃないけど、優美ちゃんが怖いかなって思ってさ 長女:全然怖くないよぉ、行こっ! 私たちは公園を歩いた 誰も歩いていない ところどころ街灯が立っているため、真っ暗というわけではないが、やはりいつもより暗く感じる 長女:いい公園だねぇ 私 :晴れた昼間は結構人が集まってるよ 長女:夜は? 私 :夜も多いかもね、カップルとかが多いかな 制服を来た高校生か中学生のコ達もよくベンチでイチャついてる こないだも、人が歩いてるのに、ずっとキスしてる高校生がいた 見せたいのかねぇ? 長女:へぇ・・・ 私の街じゃ考えられないねそんなの 私 :いないよね 長女:うん でも、高台には結構いるかも 車の中でとかね 長女は、あの日のキスのことを冗談めかし言ったのだろうが、私は、長女とのキスを思い浮かべる前に、年上 の元カノとの性行為を思い浮かべてしまった いけない、いけない・・・ 相当、溜まっているな・・・ 池の前まできた 池は雨によって乱反射した街灯の光で幻想的な空気を発していた 長女:わぁ、なんか不思議とキレイ 私 :ほんとだね、はじめて見た 私たちは傘の中で身を寄せ合っていた 私は長女の肩を抱き、雨に濡れないよう、また、彼女の体温をもっと感じられるよう、長女の体を引き寄せた 長女は肩に頭をのせて沈黙していた 時間がゆっくりと流れていた 雨の粒さえもみえるくらい、私たちはじっと正面を向き、静かな時を味わっていた 長女がおもむろに沈黙を破る 長女:おにいちゃん・・・ 私 :うん? 長女:キスして・・・ 私のほうを向いた長女の唇に私はキスをした 長女は私の背中に腕を回し、私の唇の感触に酔いしれていた 人通りはなかったと思うが、傘の中の私たちはまわりの状況など気に留めていなかった 長女:ねぇ・・・ 長女は唇をはずし、私に抱きついたまま、問いかけた 私 :ん? 長女:まだ、おなかすいてないよね・・・ 私 :うん・・・ 長女:もう、我慢できない・・・すぐに・・・感じたいの・・・おにいちゃんを・・・ 私は長女を抱きしめ言う 私 :・・・うん・・・おれも・・・・ 長女:・・・おうちまで待てない・・・ 私 :・・・うん・・・でも・・・ 長女は私から離れ、私の手をとった 長女:こっち・・・ 長女は私の手を引き、池の近くにキレイに整備されているトイレの前で止まった 私 :えっ? ここで? 長女:・・・誰も来ないと思うし・・・ 私 :いや、そうかもしれないけど・・・どっちに入っても・・・ 長女:ううん、こっち・・・ 長女は障害者用の大きなトイレを指さした 私 :え? ここって使っていいの? 長女:誰もこないと思うし・・・それに・・・ 私 :それに? 長女:・・・・「多目的トイレ」って書いてある・・・・ 私は吹き出した そういえば「多目的」と確かに看板が出されている 当然、そのような行為を目的にしているものではなく、障害者のほか、乳児のオムツの取替などに使用するた めのものであるが、そういった解釈もあるのか 声を出し笑う私を長女は、子犬のような目で、顔を赤め見つめていた 長女:・・・いや?・・・ 私 :はははっ・・・・うん・・・ごめん・・・(呼吸を整え)・・・大丈夫・・・行こう 笑顔を見せた長女の手を引きながら、周りを一旦確認し、私たちはこそこそと大きな個室トイレに入っていった
2011/11/19 12:18:56(JR7Gq9gs)
投稿者:
(無名)
いろいろいう人はいるでしょうが私はこの話が好きです。
これからも頑張って下さい。
11/11/19 23:34
(cpQCuR1G)
投稿者:
弟
皆さんからお褒めいただいて、とても感動しています
これからも喜んでいただけるよう、また、興奮していただけるよう 私の想いを高ぶらせていきたいと思います ただ、ルールのことへのご苦言は私としても気になったものですか ら、管理者であるNANーNET様にメールで確認させてもらいま した NANーNET様からは、尊守しなければならない決まりではなく ユーザー様の間でのローカルルールとして根付いているもので、無 視されて結構です、とのご回答をいただきました このメールの後、管理者様がされたのか分かりませんが、その関係 のレスがほぼ全て削除されておりました 勝手にいい意味で考えさせていただくと、続けて読みたいといった ご要望だと思いますので、無碍にはしたくないのですが、私は、様 々な投稿の途中で、私の投稿が断片的にある、といった形が週刊誌 のようで、とても胸踊り、好んでいます ご容赦いただければと切に願います
11/11/20 01:39
(AUJOM7Ur)
4
削除済
2011/11/20 01:45:34(*****)
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