優美子の携帯電話の画面に「ゆう」の名前が表示された
「ゆう」の前後には二つずつハートマークの絵文字がある
優美子は優二の前では「おにいちゃん」と呼ぶが、携帯電話には「ゆう」と登録し、擬似的に彼氏感を持たせることで心を満たしていた
優二が優美子を想いはじめた今となっては、妄想だけでなく、事実になったと言っていいのかもしれない

まだ数回しか着信音がなっていないにもかかわらず、優美子は切れてしまわないか慌て、急いで通話のボタンを押した

優美：おにいちゃんっ！
優二：相変わらず元気だねぇ
優美：そりゃそうだよ、おにいちゃんからの電話だもん
優二：・・・
　　　そうそう、それでさぁ・・・
優美：うん
優二：来週の金曜の夜、そっちに行こうと思うんだけど、大丈夫？
優美：うん、もちろんだよ
　　　金曜だと・・・うーん・・遅くなるのかな
優二：仕事終わってから行くから・・・えーと・・・１０時過ぎるかな・・・
優美：わかった
　　　じゃあ、うちに泊まる？
優二：あー・・大丈夫？
優美：うん
優二：分かった
　　　じゃあ、また金曜にね
　　　あ、それと・・・
　　　このあいだのことなんだけど・・・いや、いいや、またっ
　　　じゃあね
優美：うん・・・

優二は電話を切った
優美子は携帯電話をじっと見つめながら、立ち尽くしていた

このあいだのこと・・・
おにいちゃんからのプロポーズ・・・
どうしたらいいのかな・・・



優二もまた携帯電話を見つめ呆然と立っていた

あの日の朝起きると、優美子はいなくなっていた
テーブルの上には優美子の書置きがあり、その横にはキレイに畳んであるピンクのショーツがあった

おにいちゃんへ
恥ずかしいから、おにいちゃんが眠っているうちに帰ります
今度もいっぱいしてね（ハート）
優美子のパンツ置いていくから楽しんで！(^ ^)v
大好き！（ハート×３）

書置きには、あのことが何も触れられていない
本気だったのだが・・・
優美子はどう思っているのだろう・・・

まあいいか・・・
今度会ったときに聞いてみよう

ただ、やはりハードルは高いな・・・
両親はすでに亡くなっているからいいとしても、問題はお姉ちゃんとその子供たちだなぁ・・・
軽蔑されるよなぁ・・・
割といい叔父さんを気取ってたつもりなんだけど・・・

下手したら、優美子まで家族から勘当されてしまうかも・・・
ああああああああああーーーーーーーーーーーーーーー

どっちにしても、まずはお姉ちゃんを落とさないと・・・

いや、何て言う？
お姉ちゃんとの妄想プレイをしてるうちに好きになったって？
いやいやいや、ダメでしょ
それについては話しちゃいけないでしょ

でも自分のこれまでの想いを整理する上でも、それを優美子に示す上でも、姉には何か伝えないと・・・

あああーーー、困った・・・

雄二は悩み疲れ、携帯を投げ出し、ベッドに寝転がりって天井を仰いだ
無心になるように目を虚ろにしながら、白いクロスの天井を見ていた

雄二はおもむろにベッド横のテーブルの上に置いてある優美子のショーツを掴み、顔にあてて鼻から息を吸い込んだ
鼻の奥に優美子の匂いが広がる
何度も楽しめるよう、口に入れたいという思いを我慢し、この１週間毎日のように匂いを嗅いでいた

はあああああああああああ・・・・
優美子に会いたい・・・

雄二はその匂いに包まれながら、頭の中で優美子を丸裸にしていた

座位で優美子を貫き、優美子は舌を絡めながら喘いでいる
下を見ると、優美子の大きな乳房が優二の動きにあわせ上下に揺れている
おにいちゃん・・おにいちゃん・・・と大きな声で叫んでいる

雄二はしだいに膨らみズボンの中で苦しんでいるそれを、ジッパーを下ろして解放させてやり、強い力で上下に圧力をかけ、短い時間で放出させた
雄二はこの１週間、このような自慰を続けている
優美子のことしか考えないようにしている
長い時間をかけると、姉とのセックスや優美子との擬似姉弟プレイを思い出すような気がしてならなく、それを嫌っているのである

はぁ・・はぁ・・はぁ・・・
優美子・・・

雄二は放出したものを処理しながら、微かに残る姉への想いを消そうとしていた

優美子・・・・
優美子・・・・
優美子・・・・・・・・お姉・・・・

頭を何度も振り、改めて、頭の中で「優美子」の名前を復唱させた