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あの子を守るため
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:女性向け官能小説
ルール: 女性目線のエロス、恋愛要素を含むなど、女性向けの小説をご投稿下さい
  
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1:あの子を守るため
投稿者: DM
夕焼けが空を茜色に染める頃、高校2年生の新開貴明は胸の奥でくすぶる感情に苛まれていた。どこにでもいる高校生。それが貴明の自己認識だった。しかし、彼には人には言えない秘密があった。地味で目立たない同級生、藤原知世へのひそかな恋心だ。彼女の伏し目がちな笑顔も、時折見せる真剣な横顔も、貴明の心臓を鷲掴みにしていた。
だが、知世の視線はいつも一つ後輩の西原靖を追っていた。そして、その西原靖は、よりによって知世の妹・友花に夢中なのだという。藤原姉妹の仲が悪いことは、学園の誰もが知る公然の秘密だった。だからこそ、貴明は靖に対して、いいようのない怒りを感じていた。なぜ、よりによって、あの姉妹の間に割って入るのか。知世の繊細な心を弄んでいるようにしか思えなかった。
ある日の夕方、学校の駐輪場は生徒たちの喧騒も薄れ、静寂に包まれ始めていた。人気がまばらになった頃、貴明は息を潜めて靖を待ち伏せた。夕闇に溶け込むように、貴明は顔に目出し帽を深く被り、靖の自転車が近づいてくるのを待った。
「…誰だ?」
不意に突きつけられたナイフに、靖の声が震える。貴明は低く、そして冷たく言い放った。
「覆面を剥ごうとしたらその時点で殺す。」
靖の顔から血の気が引いていくのが分かった。しかし、靖もただ怯えるばかりではなかった。
「目的は何だ…?」
恐怖に声は上ずっていたが、その問いかけにはわずかながらも芯があった。貴明はさらに声を低め、感情を押し殺すように言葉を紡いだ。
「可愛い女の子なんていくらでもいるんだ。だから、藤原友花と別れろ。さもないと、あんたの命はないと思え。」
言葉を吐き出すと、貴明は靖の返事を待たずに、そのまま駐輪場の奥へと走り去った。学校から少し離れた空き地に止めてあった自分の自転車に飛び乗り、ペダルを強く踏み込んだ。夕焼けの残光の中、貴明の背中は急速に小さくなり、やがて闇の中へと消えていった。残された駐輪場には、恐怖に凍り付いた靖だけが、ただ呆然と立ち尽くしていた。
翌日
翌朝、学校の廊下はいつもと変わらない喧騒に満ちていた。しかし、貴明の心臓は、昨夜の出来事を鮮明に覚えているかのように、ドクドクと不規則に脈打っていた。目出し帽の感触、ナイフの冷たさ、そして靖の怯えた表情が、瞼の裏に焼き付いている。後悔がないわけではなかった。だが、藤原知世を思う気持ちが、その後悔を上回る。
一方の靖は、登校するなり友人たちに囲まれていた。「どうしたんだよ、顔色悪いぞ」「なんかあったのか?」心配そうに声をかける友人たちに、靖は曖昧に笑うしかなかった。昨晩の出来事を誰かに話せるはずがない。目出し帽の男の言葉が、脳内で何度も反響する。「藤原友花と別れろ。さもないと、あんたの命はないと思え」。友花への想いと、命への恐怖。二つの感情が靖の心を激しく揺さぶっていた。
その日の昼休み、貴明は屋上へと続く階段の踊り場で、知世と靖が話しているのを見かけた。知世はいつものように俯きがちで、靖は少し困ったような顔をしている。貴明の胸に、言いようのないざわめきが広がった。もし、昨日の脅しが靖の心に届いているのなら、知世の願いが叶う可能性もある。だが、同時に、靖が友花と別れたとして、知世が喜ぶのか?いや、そもそも知世は靖の命が狙われていることを知ったら、どう思うだろうか。
貴明の心は、複雑な感情の嵐の中にいた。彼の行動が、一体誰を幸せにするのか。そして、この歪んだ状況が、これからどう転んでいくのか。貴明は、その答えを知る由もなかった。
 
2025/06/01 12:54:03(BFlGz7d1)
2
削除済
2025/06/02 12:58:54(*****)
3
投稿者: (無名)
金曜日になると、学校は例の駐輪場での事件の噂で持ちきりだった。誰もがひそひそと話し、犯人について憶測を巡らせる。
「友花と別れろだって」「多分、単なる嫉妬じゃないのか?」
そんな声も聞こえてくる。貴明は内心で自嘲し、優越感に浸った。
(まあ、ルックスはいいからな、あいつは。誰がやったのかは、わからないだろうな)
結局、犯人は特定されないまま、事件は人々の記憶から徐々に薄れていった。

-----

一週間後、貴明はいつものように友人と他愛ない話をしていると、サッカー部所属の全原周哉が、興奮した様子で駆け寄ってきた。全原は西原靖と同じサッカー部だ。
「おい、貴明、聞いたか? うちの部活の後輩の靖と、俺らの同級生の藤原の妹の友花が破局したらしいぞ!」
貴明は内心で飛び上がりたいほど驚いたが、いつものクールな態度を崩さず、平静を装った。
「へえ、そうなのか。やっぱり例の事件が響いたのかな。」
なんでもないことのように返事をしながら、貴明の心臓は高鳴っていた。自分の計画がうまくいったのだと。
(あとは黙って、靖と知世が結ばれるのを願うのみだ……)
貴明は、これで全てが自分の思い通りに進むであろうと信じていた。しかし、その直後、彼は想像だにしなかった驚くべき話を聞くことになる。
「靖、最近練習でもよくミスするんだよ。見てて気の毒になっちまうんだ」
全原周哉は、心配そうな顔でそう続けた。貴明は内心で複雑な感情が交錯するのを感じていた。靖が苦しむことなど、望んでいないのだ。ただ、知世と結ばれてほしいだけなのに。しかし、今ここで何かを言えば、自分の関与を疑われるかもしれない。貴明は何も言わず、ただ周哉の話に耳を傾けていた。
「友花と別れてから、完全に心ここにあらずって感じなんだよな。この間の練習試合でも、普段なら絶対決められるようなシュートを外してさ……。アイツ、あんなにサッカーに打ち込んでたのに、見てるこっちまで辛くなるよ」
周哉の声は、本当に友人を心配しているようで、貴明の心に重く響いた。自分の行動が、靖をこれほどまでに苦しめているのか。靖と友花が別れたことは、貴明にとっては望んだ結果だったはずだ。しかし、靖の苦しむ姿を想像すると、胸の奥に澱のようなものが溜まっていく。
(俺は、ただ……)
貴明は言葉を探した。知世が幸せになるために、靖と結ばれることが一番だと信じていた。それなのに、今の状況は、誰もが苦しんでいるように見える。靖の心境を思うと、一抹の罪悪感が胸をよぎった。
貴明は、目的を変更し、靖の「新しい彼女」を用意することにした。
サッカーグラウンドのベンチ。靖は一人座っていた。貴明は靖の隣に座り、話しかける。貴明の隣にはショートカットの背の高い女がいる。
「よう。クラスメイトの周哉から聞いたぞ。お前も災難だったな。
だけど、いつまでも後ろ向いてても何もならないよ。ちょっとさ、お前に紹介したい女がいるんだ。」
彼が紹介したのは小学校の頃から同じ学校に通っている女友達・川北優樹。ショートカットが似合うイケメン女子だ。
数日後、優樹から「私と西原くん、すごくうまくいってる。西原くんも辛かっただろうからね。貴明にありがとうって言ってたよ」と聞く。
「いやいや、それほどでもないよ。」
(ありがとうって言ってた、か…)
25/06/19 17:58 (7afumS2Q)
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