大きなかばんをもって、電車から降りてくる二十歳前後の男。
そう、この男にはちょっとした秘密があった。

（さーて、大学の講義も終わったし、今日はどうするかな～）

そんなことを考えながら、コンビニでテレビ雑誌を見ていると、某バラエテ
ィー番組の紹介コーナーがあった。

まあ、内容はちょっとした水着アトラクションゲームを、人気芸能人達が立
ち向かうみたいな感じである。

（なんか、マンネリ化した番組内容だな～、いっつも色気とか少なくって微
妙なんだよな・・・）

出演は・・・・、けっこうメジャーな芸能人と、安さにものを言わせた人数
あわせが書かれている。
内容には、イベントとして次回放送分の会場への見学紹介も書かれていた。

（そっか・・・、俺が・・・・・、ｸﾞﾋﾋ。ちょっと面白くしてみる
か・・・）

雑誌を、元に戻すと、番組が収録されるイベント会場へと向かう男であっ
た。

イベント会場は、○○ドームに作られており、会場はすでに多くの見学者達
で席が埋っていた。

適当に空いていると席につくと、周りに聞こえない小さな声で男は目を閉じ
ながら何を言っているかわからないような言葉を唱え始めた。



そして、次の瞬間・・・。

目を開けると、男の視界はとある楽屋の風景だった。

（えっと、うまくいったかな・・・・）

「エリ、なにキョロキョロしているの？」

（おっと、うまくいったみたいだな・・・）

「ごめん、ごめん。なんだかちょっと首が痛くってね。ちょっとストレッチ
してみたの」

・・・・。
そう、男は、とある2人組人気アイドルの片方になっていたんである。

どうやって？

そんなことは、どうでもいいじゃないか。

男はいま、どうなっている？

ええい、ごちゃごちゃとうるさい。

伏線は、気にしないで下さい。

とにかく、いま男は某アイドルの一人なんである。

「エリ、首の柔軟はいいけど、早くしないとそろそろ私たちが紹介されるわ
よ」

「ごめん。そうだったわね。」

っと、そんな話しをしている時に、ドアが開きスタッフの人から呼び出され
た。

「エリさ～ん、レイさ～ん。今から入場です。お願いします」

「は～い。行くわよ、エリ」

「はいはい、今行くわ」



そんな、楽屋での会話から数十分後・・・。
司会者の挨拶や、参加芸能人たちの入場etcが終わり、二人は自分たちの出番
まで、用意された席待っていた。

（さ～～てっと、俺たちの出番っと・・・。おっと、今は私たちの
か・・・。
なるほどね、ちょっとした障害物レースみたいなものね。
2人、一組になって、助け合ってゴールすればいいのね。）

（ｸﾞﾋﾋ、二人一緒に参加できるってのが、いいな。
それにしても、この格好。
二人ともビキニってのが、またいいね。
いたずらしやすいしね）

「エリさ～ん。レイさーん。出番です、お願いします。」


「よ～～い、」

パ～～～ン

っと、スタートされた障害物レース。

ようは、学生時代でやった運動会のグレードアップ版である。

網をくぐって、平均台を渡って、ロープを昇ってetc　　
と、ゴールまで一緒につければいいのである。

二人で走りながら、第一障害の網くぐりへ。

「先行って、レイちゃん」

「ＯＫ」

網をくぐるのに必死なレイの姿を後ろから見ると・・・。

お尻にフィットしたビキニが、あれこれと形を変えているのがわかる。

（いいながめ、いいながめ。最高だな）

（っと、俺一人で楽しんでいるのはっと・・・。カメラ、カメラっと。
あそこか、ってことはあっちから撮っているんだから）

カメラの位置を確認すると、網をくぐる動作をしながら、胸のビキニを徐々
にずらしていった・・・。

「お～～っと、エリちゃん。真剣になって気がついていないのか～～。
これは、ハプニングの期待が出来ますね～～」

徐々にずれていく水着・・・。

（けっこう難しいな、自然に振舞いながらって・・・）

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