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1:不思議な夏1
投稿者:
蟹
◆AU/OjWxByc
俺は鮫島なお。俺がまだ子供で一人称が「僕」だった頃と今の「俺」の話をしよう。とっても不思議な夏の話を。
4歳から11歳まで「僕」は正月とお盆を祖母がいる田舎で過ごした。そこに友達はいなかったが、代わりに従姉の鰐淵文乃お姉ちゃんがよく遊んでくれた。4歳上の文乃お姉ちゃんは田舎にある神社の神主の娘でもあった。 神社の名前は和邇神社で、和邇(わに)とは爬虫類のワニではなくサメの別称だ。この和邇という別称は古事記と日本書紀に登場する海の神獣の名前でもある。和邇神社はサメを神様として信仰していてご神体もサメの顎を祀っている。地域によってそれらは龍の顎、歯の部分は天狗の爪とも呼ばれていた。 和邇神社がある田舎にもサメに関するこんな伝承があった。 数百年くらい前、村にアカハライモリを人型にしたような赤黒い怪物達とヤゴを人型にしたような亡者のごとき群れがやってきて人々を襲った。村人達は全滅寸前まで追い込まれたが、サメを使い魔とする水色の仮面の戦士が現れ、これを救った。以来、村ではサメが守護神として信仰の対象になったというものだ。 その戦士はその後、村の女性と結婚して僕と文乃お姉ちゃんはその子孫にあたる。 話を戻すが文乃お姉ちゃんはおっとりしていても時に厳しく、時に優しい人でもあった。僕を実の弟のように可愛がり、いろいろ困らせた事もあった。そんな文乃お姉ちゃんが大好きで大人になったら結婚すると言うなど子供なりに本気だった。あの事件を僕が起こすまでは。
2021/03/26 00:53:49(lUtGfcUp)
投稿者:
蟹
◆AU/OjWxByc
11歳だったあの夏、僕は虫取り網でセミを捕まえてそれを文乃お姉ちゃんに見せようとしていた。
麦わら帽子に半袖、半ズボンといういかにもな恰好でセミを捕まえた僕は和邇神社に向かったが、そこで衝撃的な光景を見た。文乃お姉ちゃんがおっぱい丸出しで寝ていたのだ。すーすーと寝息を立てながら、女子中学生のスカートからお尻の形がはっきりと見えるショーツと汗ばんだ肢体を無防備に晒していた。 傍には熱くなって脱いだであろうワイシャツとネクタイがあり、上半身はノーブラの黒いタンクトップのみで片方のおっぱいが寝相のせいか左腕とともにはみ出していた。文乃お姉ちゃんは村から少し離れた中学校に通い、当時は15歳の3年生だった。 文乃お姉ちゃんと初めて会ったのは僕が赤ん坊のころからで、4歳のときに再会。以後は田舎で遊んでもらったが、身体の成長も互いに見てきた。お風呂で、川で、海で遊んだときも・・・耳を隠す程度の短い黒髪と白い肢体に大きな胸と黒い茂みが現れていく過程は最高にエロかった。僕の思春期も同時にはじまり、股間を勃起させたのもお姉ちゃんが初めてで、それがバレないよう手で隠すなどごまかしてきた。 文乃お姉ちゃんの肢体とおっぱいは手を伸ばせば届く。「お姉ちゃん、寝てるの?」と確認して近づく。 右手に持っていた虫取り網を手放して、はみ出したおっぱいを・・・揉んだ。おっぱいは柔らかかった。
21/03/26 01:55
(lUtGfcUp)
投稿者:
蟹
◆AU/OjWxByc
文乃お姉ちゃんのおっぱいの感触はマシュマロのようで白い餅のようでもあった。神主の娘のおっぱいだけあって正月に供える鏡餅に触れているかのような禁忌を犯す背徳感もあり、子供だった僕の全身を駆け巡った。しかし・・・
「ん・・・?なお君・・・?」 文乃お姉ちゃんが起きてしまった。僕は一瞬で心も頭も青ざめて凍り付いた。 「おっお姉ちゃ・・!?あの・・・僕・・・違ッ・・・・」 僕は必死に言い訳しようとした。 「・・・?あっ・・・!」 はみ出したおっぱいに気付いて文乃お姉ちゃんはかあっと顔を赤くして、タンクトップをすぐに直した。それを見た瞬間、僕は自分がタンクトップを弄った犯人にされると思った。仮に犯人じゃないとわかっても僕がした事実は変わらない。僕は・・・俺は逃げた。 「あっ!なお君!待って・・・!」そう言う文乃お姉ちゃんに謝らなきゃいけないのに俺は・・・頭と心がグチャグチャになって、とにかく逃げた。そして一瞬、振り返った。その時に見た文乃お姉ちゃんの顔は今でも脳裏に焼き付いている。というかあの夏の出来事は死んでも忘れられないだろう。あの時の文乃お姉ちゃん・・・文乃さんの顔を見たときは心臓がドキッとした。困ったような・・申し訳なさそうな・・悲しそうな・・初めて見た文乃さんの顔だった。 すべてが怖かった。それ以来、田舎には、俺にとって最高の思い出ばかりあるもうひとつの故郷には帰らなくなった。 いや厳密には俺が壊したんだ。
21/03/26 21:54
(lUtGfcUp)
投稿者:
蟹
◆AU/OjWxByc
それから10年。文乃さんは今度、結婚することを母に聞いた。それを聞いた俺は今まで考えてこないようにしてきた事や、忘れようとすれするほど忘れられないあの夏の出来事で再び頭を抱えた。11歳の小学生から中学、高校、大学など俺はそれなりに楽しくやってきた。都会の友達ともバカ騒ぎをいっぱいした。ただ、本音を言えばそこには文乃さんもいてほしかった。
大人になっても田舎だろうと都会だろうと、文乃さんと一緒にもっともっと過ごしたかった。 俺は文乃さんに会う決意をした。あの日のことを謝り、ケジメをつけるために。そして、俺の想いを告白するために。 正しいとか間違いとか無駄とか無理とか関係ないし、どうだっていい。 今年で俺は21歳になるが、まだ誕生日は向かえていない。20歳になってものすごく心がざわつく。 そんなざわつきを抱えながら俺は眠りについた。 その夜、奇妙な夢を見た。 俺は11歳の子共の姿で田舎の夜道を走っていた。道からして和邇神社がある場所に向かっていた。 昔の記憶だろうか?でもこんな記憶があっただろうか?とにかく俺は神社へ続く石段を登った。 石段を登り終えると神社に向かったが、神社の横にある茂みから声がした。男と女の声だ。 そこには15歳の文乃さんと、仮面をつけた謎の男がいた。男の仮面は奇妙なデザインだった。 夜空には満月があったので仮面のデザインや色もよーく見れた。 天狗や狐のお面ならまだしも、男の仮面は西洋の騎士の兜を彷彿とさせ、全体的にサメを思わせる物だった。 3本ある目のスリットはサメの鰓に見立てられ、頬から耳にある突起は牙にもヒレにも見える。口の部分は凹凸の形で閉じられたクラッシャーで、額はサメの頭を模していた。額の先には宝石のような金色の菱形が配置されていた。 そして、頭頂部と後頭部の間にはサメの背びれがあった。さらに色はシルバーとシアンカラー(水色)だった。
21/03/27 01:12
(HccsWPm3)
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