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雪菜9 〜【矢と稲妻の書】その2〜
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:魔法使い体験告白
ルール: 私は魔法使い、そんな私の空想H体験告白
  
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1:雪菜9 〜【矢と稲妻の書】その2〜
投稿者: 液男 ◆p.LufJKJx.
・・・・・・。

「それじゃ、生放送本番いきまーす。三月ちゃん、スタンバイよろしくー!」
「はぁ〜い! よろしくお願いしまぁす!」
 グラビアアイドル・桃川美月がテレビカメラの前に立つ。よく熟れた桃のよ
うな、瑞々しさと色気とを兼ね備えた微笑を浮かべている。
 体の、どこもかしこも柔らかそうな美女だった。ヘアスタイルは栗色の内巻
きボブ。やや垂れ気味の目、プルンとした肉感たっぷりの唇。着ている服は、
白のブラウスに、黒のタイトスカートだ(エロいと評判だった、女教師コスプ
レを意識している)。Gカップのバストは、服の下から存在を主張するように
大きく盛り上がり、きゅっと締まった腰がその存在感をさらに高めている。タ
イトスカートにくるまれた、むっちりとしたヒップや、そこから伸びる長い脚
も、まっとうな性欲を持つ男なら、誰しもむしゃぶりつきたくなるような極上
品だった。
(今日は初めて、一人で番組をやるのよね……生放送で、しかも、全国区の人
気番組! これで成功すれば、他にも色んなテレビのお仕事が入ってくるか
も……ステップアップのためにも、今日は特別頑張らなくちゃ!)
 気合いを入れて、しかし売りの癒し系スマイルはそのままに、番組の開始を
待つ。
 ディレクターがカウントを始めた……3、2、1……Q。
「はい、七月一日木曜日の正午を回りました! 『地元悠々ぶらり散歩』のお
時間です!
 本日のレポーターは私、桃川美月がつとめさせて頂きまぁす! 今回私がや
ってきましたのは、○○県の××駅前商店街で――……」
 緊張することもなく、自然にセリフをつむぎ出していく美月。問題ない、う
まくいっている。
 この番組の成功を、見ている誰もが確信していた……。

・・・・・・。

《はい、七月一日木曜日の正午を回りました! 『地元悠々ぶらり散歩』のお
時間です……》
 ぶ厚いカーテンを閉め切った、薄暗い部屋の中。男は、古びた革装丁の書物
をめくりながら、テレビを睨みつけていた。
 テレビの画面の中では、笑顔の桃川美月が、××商店街を案内していた。た
だし、それは現在放送中の番組ではない。テレビの下の、ビデオデッキが再生
している、録画映像だ。現実の時間は、壁にかかった日めくりカレンダーが告
げていた……七月二日。番組が放送された、翌日だ。
 昨日の番組を見ながら、男はぼそりとつぶやく。
「やっぱりテレビに出るだけあって、美人だな……でも、僕は美人は嫌いだ。
いや……女自体が嫌いだ」
 男は手を止める。しかし、書物のページは、自動的にパラパラとめくられ続
けていく。
「女が嫌いっていっても、ホモなんかじゃない。ただ単純に、女って生き物に
虫唾が走るだけなんだ」
 バリバリッ、と音がして、一枚のページが外れ、宙を舞った。バリバリ、バ
リバリッ……書物のページが、次々にやぶれ始める。一枚一枚、まるで蝶のよ
うにヒラヒラ飛ぶ紙片は、やがて一ヵ所に集まり始めた。
 あるページは、くるりと筒状に丸まった。あるページは、他のページと身を
寄せ合って、ぶ厚い三角形の板のようになった。あるページは、折りたたまれ
て小さな部品になり……それらが、まるでプラモデルのように組み合わさっ
て……男の手の中に、再び戻った。
 その書物は、とても書物とは言えない形に変形していた。生まれ変わったそ
れは……銃にしか見えない。筒の長い、ライフル銃だ。紙でできた、ライフル
銃だ!
「僕は、女に魅力なんて感じない。女にペニスを挿入するなんて考えるだけ
で、吐き気がするよ。
 だが……酷い目に遭って、恥をかく女を見るのは、興奮する!
 頭の悪そうなグラドルめ。この【矢と稲妻の書】の威力を試すにはもってこ
いだ……お前には、僕のストレス解消の道具になってもらうぞ!」
 ジャキーン! 男は、ライフル状になった【矢と稲妻の書】を、テレビの中
の桃川美月に向けた。
 そして、彼女の顔に照準を合わせ……。
「モードは負のエントロピー……対象は七月一日、十二時三分。……発射
っ!」
 引き金が引かれる。銃声はしないが、何かを発射した反動が、銃を構える男
の体に伝わった……。

・・・・・・。

 桃川美月は、順調にレポートを続けていた。駅から、駅前公園を通り抜け
て、商店街へ向かう。 
「××駅は、去年改装したばかりの新しいキレイな駅舎で、駅前の公園も清潔
そのものです!
 今日はいい天気なので、散歩するにはうってつけ! 緑の木々や、青い空が
気持ちいい〜」
 そう言って、大きく背伸びしながら、顔を空に向けた……その瞬間、最初の
異常が彼女を襲った。
 ビチャッ! ビチャビチャッ!
「きゃっ!?」
 何か液状のものが、彼女の顔に降りかかったのだ。
「え……何?」
 慌てて、手で顔に触れる。ぬるっとした感触が、美月の指に絡みついた。
 白っぽい、ネバネバした液体。しかもなにやら、青臭い、嫌な臭いもする。
 これって、まさか……?
 呆然とした美月の表情を、カメラはしっかりとらえていた。額から右目、
鼻、頬、唇にまで、白い粘液に汚されたグラビアアイドルの美貌を。まるで、
AVの撮影で顔面射精されたかのような、卑猥な顔のアップを……。
「おい、カメラ! 美月ちゃんを画面から外して! 公園の様子を、ぐるっと
撮っとけ。そっちのお前、美月ちゃんにタオル持っていけ! 早く!」
 異常に気付いたディレクターが、すばやく指示を出す。美月が一時的にフレ
ームアウトし、その間にADが美月のところに、タオルを持って駆けつける。
「桃川さん、これでお顔拭いて下さい! ……鳥の糞ですかね? まったく、
生放送中にとんだハプニングだ……」
「あ、ありがと……うん、きっと鳥ね……ビックリしたぁ」
 そう言って顔についた粘液を拭いながら、美月は、鳥の糞だというADの予
想を、頭の中で否定していた。
(鳥じゃないわ。空を見た時、鳥なんて一羽もいなかったもん。
 それに、この白いネバネバの臭い……私だって、男の人と付き合った経験が
ないわけじゃないわ。高校生の時、付き合ってた先輩に、顔にザーメンかけら
れたっけ……あの臭いに、そっくり……)
 しかし、その液体が精液ではないか、という疑問は、長続きしなかった。
 テレビ撮影中に、どこから、誰が精液を飛ばして、顔にぶっかけたりすると
いうのか。鳥の糞が落ちてくるより、あり得ない。
 しかし、現実には、そのあり得ないことが起きていたのだ。
 彼女の顔にかかったのは精液だったし、それは遠いところから、彼女目掛け
て発射されたものだった。

・・・・・・。

「よし、命中した」
 画面の中で、顔を精液で汚された桃川美月が呆然としているのを見て、男は
ガッツポーズをした。
「ふふ、まさか魔法で、遠く離れた場所から狙われているなんて思いもしない
だろうよ。
 しかも、離れているのは距離じゃない。時間だ……桃川美月、お前がどんな
に警戒しても、この【矢と稲妻の書】による狙撃から逃れることはできないの
さ」
 彼の持つ魔法書【矢と稲妻の書】の能力は、極めて単純だ。モノを未来や過
去へ送ることができる……ただそれだけである。
 エントロピーというものがある。宇宙の熱拡散の度合いのことで、通常、こ
の値は常に増大しており、その逆、つまり減少は起こり得ない。不可逆である
がゆえ、大胆な言い方をすれば……エントロピーとは、時間の流れそのものを
指すと言ってもいい……いや、それだとさすがに誤解を招くかもしれない
が……とにかく、そんな感じのものだと思って欲しい。
 しかし、【矢と稲妻の書】は、物体のエントロピーを正にも負にも操作でき
る。
 例えば、オナニーして出したばかりの精液に、負のエントロピーを与えたと
したら……それは、通常の時間の流れをはずれ、過去に向かって逆行してい
く。そして、過去のある時点において元の時間流に戻り、実体化する。ちょう
ど一日前の、桃川美月の顔面に出現したように。
「誰にも手出しできない未来の世界から、過去の世界へ、あらゆる恥辱を送っ
てやる……。
 そろそろ、次の弾丸を撃ち込んでやるか……二度、三度と攻撃を受けて……
耐えられるかな、桃川美月……?」
 再びライフルを構え、引き金を引く。画面の中では、美月は食事処に入ろう
としていた。

つづく。
2010/07/02 23:24:35(ZiuHaeXC)
2
削除済
2010/08/10 02:29:07(*****)
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