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淫獣達の艶かしき戯れ22
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:淫獣達の艶かしき戯れ22
投稿者: 彩未 ◆sPqX4xP/g6
奈美子は教団に戻った。
また2日後に外で落ち合うことにしていた。
徹はすぐには教団には戻らず警察へ向かった。
警察は加奈子の車を発見していた。
三峰神社の駐車場に放置されてあったという。
教団の誰かが運転してきて別の車で教団に戻ったのだろう。
指紋は出なかったという。
防犯カメラにも有力な手掛かりはないとのことだった。
が、これで加奈子が教団施設内にいることはほぼ確実となった。
徹だけの力では教団の活動の違法性を暴くのは難しい。
証拠はないが、何らかの方法で薬物取引の捜査をお願いしたいと頼んだ。
奈美子から得た情報は警察にも伝えておいた。
その時、徹のLINEに茜から着信があった。
茜は教団施設を出て鎌倉の自宅に戻ったとのこと。
徹は教団の活動の違法性を説いた。
茜には二度とここへは行かないよう注意を与えた。
加奈子を連れ戻すまでは戻れないから夏休みの間は純と自宅で過ごすよう伝えた。
徹は夕方に教団施設へと戻った。
フロント脇の控室に入る。
そこでスマホや車や家のキーを預けることになっていた。
徹は預けた。
が、実際にはスマホはダミーのものを預けた。
施設の内部から外部に連絡が取れるよう警察が用意したのだった。
徹自身のスマホはバスローブの袖の部分に隠し持っていた。
徹が来館してからの6日間、加奈子と顔を合わせたことがなかった。
3階だけで部屋は24室ある。
徹が泊する部屋は308号室か307号室のいずれかだった。
ここに加奈子が徹の性交相手として選定されて来ることがなければ顔を合わせることはない。
 
2021/03/19 22:16:45(h2RR1O5a)
2
投稿者: 彩未 ◆sPqX4xP/g6
夕食後、徹は307号室に入れられた。
性交相手となる女は夕食の片づけ中とのこと。
それが済んだらここに連れて来られることになっていた。
徹は部屋のドアのタッチパネルに触れた。
アラビア文字が浮かび上がる。
奈美子の示唆した文字と数字の対照表をスマホで調べてあった。
アラブ文字は慣れないと見分けがつきにくい。
が、何とか「307」と入力した。
するとドアの鍵が解錠される音がした。
ドアノブを回すと確かにドアが開いた。
徹がドアを閉めるとオートロックがかかった。
時間はかかるが、今後、各ドアを片っ端から解錠して建物の構造を掴み、根気よく加奈子の居所を探していくことにした。
307号室に連れて来られたのは加奈子ではなかった。
弥智代という29歳の人妻だった。
弥智代は紫帯のムスリムだった。
つまり入信してから半年以上経っており、徹よりも上の階級だ。
ここでは階級が異なれば上の階級の者が下の階級の支配下に置かれることになっていた。
弥智代は41歳の夫と共に5ヶ月前に入信したという。
が、夫はすぐに破門された。
激しい性交の連続に躰がついて行かなかったという。
性欲が強い弥智代は週2~3泊程度の割合でこの施設に通っていた。
入信してから数十人の男達と交わっているという。
通常の性交ではもの足りないらしかった。
媚薬を飲んでいると言った。
徹はそれは媚薬ではなく麻薬だと直感した。
弥智代はバスローブを脱いだ。
弥智代は均整のとれた躰をしていた。
乳房が豊かだ。
陰毛も黒々と生い茂っている。
弥智代は太腿の肉づきが抜群だった。
尻の位置も高い。
「あなた、来て……」
弥智代が徹に命じた。
徹はバスローブを脱いで弥智代の前に立った。
隠し持っていたスマホは弥智代が来る前にクローゼットの奥に隠しておいた。
弥智代の背中を抱いてキスした。
舌で弥智代の唇を押し広げ、弥智代の舌と絡めた。
唾液と唾液を交換して舌を絡め続けた。
薬が効いているのか弥智代は既に恍惚状態だった。
徹の股間に手を入れている。
徹の男根はビンビンに屹立していた。
膨れ上がって硬くく太く天を突いて反り返っていた。
「……ん、もうダメっ、我慢できないっ、入れてっ」
弥智代は立ったまま徹の男根を自らの膣へと導いた。
対面立位の体位で弥智代と徹は交わった。
徹は弥智代の躰をゆっくりと突き上げた。
「んああッ、ぶっといオチンチンがっ、オマンコに刺さるぅっ!」
弥智代が喘ぎ叫ぶ。
ブルブルと躰を痙攣させている。
既にイッているらしかった。
潮を噴いていた。
徹は弥智代の尻を両手で掻き抱いて弥智代を突き続けた。
「あッ、あッ、もっとッ、オチンチンをズコバコしてッ、突いてッ、オマンコに激しく犯してッ! あたしのオマンコ、あなたのオチンチンでお仕置きしてッ!」
弥智代は半狂乱になって悶え叫んだ。
徹も気持ちよかった。
弥智代の躰に溺れ込んでいた。
簡単に射精してしまいそうな魅惑的な女体だった。
21/03/19 22:18 (h2RR1O5a)
3
投稿者: 彩未 ◆sPqX4xP/g6
奈美子は321号室に連れて来られた。
性交相手はウラマーの一人だった。
ウラマーは「今日はSMの世界を味わわせてやろう」と言って奈美子をベッドの上に立たせ、縄を取り出した。
奈美子は両手を背面で手錠縛りにされた。
躰は亀甲縛りだ。
胸の位置に六角形が作られてあった。
奈美子はベッドの上で尻を掲げる格好で這わされた。
両手が背中で合わせられている。
顔と両膝をベッドに突く恥ずかしい恰好にされた。
ウラマーは奈美子の顔の前に膝を突くと、奈美子の顔を抱えて己が男根を含ませた。
ウラマーが奈美子の顔を股間に押しつけている。
男根が喉まで刺さっている。苦しかった。
奈美子は懸命に舐めた。
他の男の男根とは異なる香りと味がした。
媚薬? それとも麻薬か?
何かが塗られていた。
ウラマーは奈美子の顔を抱えたまま腰を使った。
奈美子は顎が外れるかと思われるほどの苦しい口腔性交を受けた。
ウラマーは激しく奈美子の口を犯して射精した。
出すことは許されなかった。
奈美子は精液を残らず嚥下した。
奈美子は意識が朦朧としていた。
フワフワと空中を漂うかのような心地よい感覚が生じていた。
「お前は昨晩、ムスリムから余計な話を聞きかじったようだ、しかもそれを夫に話した」
男は低い声で言った。
「……いや、夫ではなかったな、徹という男がお前の夫でないことは分かっている、余計な詮索はしないことだ」
ウラマーは奈美子の口に男根を突っ込んだままそう言った。
穏やかだが冷たい声だった。
奈美子は朦朧とした意識の中でそれを聞いた。
「徹という男は加奈子という女の旦那だろう、加奈子の車と徹の車は同じ鎌倉ナンバーだった」
男が奈美子の乳房を弄んでいる。
「埼玉では滅多に見かけないナンバーが立て続けに現れたのに違和感をもった、それで、徹の車内に盗聴器を仕込んでおいた」
男の手が奈美子の陰部へ入っていた。
「お前が車内で徹に何を話したかは全て把握している、今に徹というヤツも動き出すだろう、今夜あいつには監視役の女をつけてある」
奈美子は「ああ……」と声を洩らした。
感じていた。
「妙な動きをしたら本部に連絡がいく、拷問にかけた上で処分する、昨日お前と寝たムスリムは既にマイクロ波粉砕機に掛けた、瞬殺というヤツだ」
男の指が巧みに奈美子の陰部を弄んでいた。
「お前は女だから別の使い道がある、逆らえば徹と同じ運命を辿ることになるだろう」
奈美子は薬のせいか恍惚となってウラマーの話を聞いていた。
ぼんやりとした頭でこれから麻薬漬けにされることを覚悟した。
21/03/19 22:19 (h2RR1O5a)
4
投稿者: 彩未 ◆sPqX4xP/g6
徹は弥智代を犯し続けた。
麻薬を服用した弥智代は犯される悦びに悶え喘ぎ叫び回った。
それが徹の興奮と欲情を更に掻き立てた。
弥智代の膣は締まりがよい。
運動か何かで鍛えた感があった。
きつく締めつけながら繊細な膣襞で男根から快感を引き出した。
徹は弥智代の躰に酔い痴れた。
弥智代の膣を犯すの快感がたまらなかった。
美しい女を犯す悦びを味わった。
 「ああッ、ああッ、気持ち、イイッ! 気持ちよくて、どうにかなりそうよっ! ああッ、あッ、あッ、気持ちイイッ、ああッ!」
弥智代は躰を痙攣させて絶頂した。
既に十数回は絶頂していた。
麻薬のせいか感度の鋭い女だった。
弥智代はしとどに潮を噴いた。
徹は弥智代を背面側位で犯した。
弥智代の左足を高く掲げ、足を大きく広げさせながら責め立てた。
「ああッ、いいッ、あなたのオチンチンでオマンコ掻き回してッ、スケベなオマンコ汁をグチョグチョに混ぜこねてッ」
続けて絶頂する弥智代にたまらなくなって徹は大量に射精した。
弥智代の乳房と膣は徹にたまらない快楽を齎した。
弥智代を妊娠させたかった。
シャブ漬けセックスで悶え狂う淫乱女を犯す快楽はたまらない。
徹は弥智代の両足を肩に担いで膣に深々と男根を突き刺した。
腰を大きく前後させて弥智代の膣を激しく突いた。
「あッ、あッ、ああッ、突いてッ、オチンチンで、あたしのスケベなオマンコをあなたのザーメンで汚してッ」
徹は弥智代との結合部を見た。
先ほど射精したばかりの精液が膣口から泡立って溢れている。
白濁した泡が膣口周辺と男根の根元にこびりついていた。
徹は立て続けに呻いて射精した。
弥智代は全身を痙攣させながら失神した。
大量に潮を噴いていた。
21/03/19 22:19 (h2RR1O5a)
5
投稿者: 彩未 ◆sPqX4xP/g6
激しい性交の後には疲労感と倦怠感が訪れる。
弥智代は静かに寝息を立てていた。
完全に眠ったようだった。
徹はバスローブを羽織るとスマホを持った。
部屋のドアを開けた。
暗証番号の入力は何でもなかった。
手法が分かった以上、他の部屋のドアも開けられる筈だった。
徹は部屋を出ていった。
すると、眠っていた筈の弥智代がパッと目を見開いた。
徹が部屋を出ていくのを待っていたかのように――。

徹は廊下に出た。
薄暗い廊下だった。
ところどころに僅かな光を放つ照明があるだけだ。
307号室を出た徹は廊下の端に位置する301号室から順番に様子を伺った。
それほど重厚なドアではないので少し耳を澄ませば部屋の内部の声や音が聞こえる。
既に午後11時を回っていた。
激しい肉弾戦の最中で女の鋭い喘ぎ声や尻に腰を激しく打ち付ける音が聞こえてくる部屋もあった。
何やら恋人同士のような甘い囁き合いが聞こえる部屋もあった。
交わりを終えて眠りについた女の寝息や男の鼾が聞こえる部屋もあった。
無論、誰もいない部屋もあった。
徹は注意深く聞き耳を立てた
が、聞こえてくる喘ぎ声はどれも加奈子のものではなかった。
3階は24の個室の他、突き当たりに食堂と洗濯場があった。
徹は食堂の調理場へ行った。
調理用の包丁と天然木製のフライ返しを手にした。
いざという時の護身用だった。
再び廊下に戻る。
徹はふと廊下の奥の方に人の気配を感じた。
薄暗くてよく見えない。
壁に身を寄せて様子を伺うと人影はどこかの部屋に消えた。
ドアが閉まる音がした。
徹はやや緊張しながら307号室の暗証番号パネルを操作してドアをそっと開けた。
部屋には弥智代が全裸で寝ていた。
弥智代のバスローブが布団の脇に脱ぎ散らかしてある。
特に変わった様子はなかった。
徹は再び廊下に出た。

321号室のドアの前に来て徹の心臓は高鳴った。
奈美子の喘ぎ声だった。
絶頂し続けている声だった。
「あ……ああ……あ……ああ……」と断続的に喘いでいた。
男の低い声が聞こえる。
「お前はもう娑婆には戻れぬ、一生、性奴隷として快楽に溺れ、淫売婦としてこき使われるんだ、分かったか」
ウラムの声だった。
「ああ……お許しください、もう今後一切、誰にも言いませんから、ああ気持ちいい……ゆるしてぇ……」
奈美子が泣きながら男の責めに耐えていた。
「もう遅い、教団の内実を詮索するとどうなるか、思い知らせてやる、ほらっ、気持ちいいだろうがッ、これからお前にシャブ漬けセックスを仕込んでやるッ!」
「ああッ、ああッ」
奈美子の喘ぎ声が廊下まで響いてきた。
奈美子はその後30分近くも凌辱を受け続けた。
「ゆ、る、し、て……ゆ、る、し、て……」
と息も絶え絶えに喘ぎ続けた。
ウラマーが激しく奈美子の躰を責め立てる単調な響きが次第にスピードを増していった。
やがて太い呻き声が洩れ聞こえてきた。
射精したらしかった。
徹は暫くドアの外で耳を澄ませた。
2人は浴室に入ったようだった。
シャワーを浴びる音が聞こえる。
徹は暗証番号を入力してそっと321号室に忍び込んだ。
クローゼットに身を潜めて扉を閉めた。
やがてウラマーと奈美子が浴室から出てくる。
2人はベッドに横たわった。
奈美子はウラマーに抱き寄せられた。
奈美子が泣きながら「私はもう許して頂けないの?」と尋ねている。
「教団の内実を詮索したのがいけなかったのだ、あの徹という男も一生ここから出られまい、あの男も今頃は捕えられて縛られている筈だ」
ウラマーが答えた。
徹は心臓が高鳴った。
美奈子は、徹と夫婦でないこと、加奈子を探していることをウラマーに吐かされたのか。
「今頃は云々」というウラマーの言葉も気になった。
本来、307号室で弥智代と同衾中のはずの徹が「今頃は捕えられている筈」とはどういうことか。
弥智代がウラマーの指示で動く予定なのか、307号室に別のウラマーを向かわせるということか。
いずれにせよ、徹が307号室にいないとなれば、直ぐに施設内の捜索が始まるだろう。
徹は身の危険を感じた。
ウラマーが再び美奈子の躰を弄び始めたらしい。
徹は扉を僅かに開けて室内の様子を伺った。
薄暗い電灯の下で奈美子が四つん這いになっている。
ウラマーが奈美子の尻に手を入れていた。
奈美子の豊かな乳房が揺れている。
「ああ……」
奈美子が声を洩らす。
敵に捕らえられて絶望的な状況にある中でも躰を弄られれば再び感じ続けて喘ぐ女の哀しい性だった。
やがてウラマーは奈美子の尻を抱いた。
奈美子の背中に覆い被さるようにして腰を前後させている。
奈美子の乳房を揉みながら後背位で緩慢に責めていた。
「ああッ、ああッ」
死を覚悟する中でも犯されれば感じてしまうのが女だった。
奈美子は男に尻を責め立てられながら哀しい声で悶え喘いでいた。
奈美子がじきに絶頂に達して鋭い叫び声を放ち始めた。
徹は意を決した。
ウラマーに気づかれないようクローゼットの扉を徐々に開けた。
そっとウラマーの背後に回る。
ウラマーの引き締まった尻が卑猥に動いている。
徹はバスローブの袖口から木製のフライ返しを取り出した。
ウラマーの股間で揺れ動く睾丸を目掛け、フライ返しで強烈な平手打ちを喰らわせた。
ウラマーが吠えた。
俯せで犯されていた奈美子は何が起きたか分からなかった。
事態を呑み込めない奈美子は悲鳴を上げた。
ウラマーは悶絶してベッドから転げ落ちた。
意識を失っていた。
奈美子は徹の姿を認めて泣き出した。
泣きながら徹にしがみついた。
ウラマーを生かしておくのは危険だった。
奈美子は徹からフライ返しを奪った。
「殺してやるわ!」
それを握りしめてウラマーの睾丸を滅多打ちにした。
木製とはいえ、フライ返しで睾丸を打ちのめされた男には死を覚悟させるほどの激痛が走る。
「こんな男、あたしに散々酷いことをしたんだから、とっとと死ぬがいいのよッ!」
奈美子はフライ返しを縦にして固い側面でウラマーの頭蓋骨へ強烈な一発を叩き込んだ。
頭蓋骨が割れる音がした。
こうなると女は残酷だった。
本気で殺す気ならば包丁で刺せばよい。
また、このまま浴槽に引きずり込んで突き落とせば確実に溺死する。
麻薬を摂取させられ身の危険に晒された奈美子にとっては当然、正当防衛が成立する筈だった。
が、さすがに徹は「殺すのはやめた方がいい」と奈美子を制止した。
意識不明のウラマーの両手両足をバスローブの帯で縛り上げた。
瀕死状態のウラマーの躰をクローゼットに押し込んだ。
問題はどうやってこの施設から脱出するか、だった。
その前に加奈子も救出しなければならない。
ウラマーの話ぶりからすると、恐らく教団の上層部は徹の捜索を始めているに違いない。
すると、ウラマーの一人がいるこの部屋は特に危険だ。

徹と奈美子はそっと部屋を出た。
幸い、人影はなかった。
少し歩く。
階段へ続くドアの暗証番号パネルを操作した。
といっても、廊下から見れば他の部屋と同じドアだ。
見分けがつかない。
ドアには316号室というパネルがあった。
徹は何回かこのドアから3階に来ていた。
それでこのドアを記憶していた
すると、突然、廊下の向こうから「そこの2人、動くな!」と男の鋭い声が聞こえた。
廊下が暗くて男の姿は全く見えない。
が、足音が近づいてくるのが聞こえる。
徹と奈美子はドアを開けると急いで階段を駆け下りた。
2階の廊下へ続くドアが目の前にあった。
209号室というパネルのついたドアだった。
1階へ降りたかったが階段はここで終わっていた。
目の前には一枚のドアがあるだけだ。
209号室の暗証番号パネルを操作してドアを開けた。
3階と同様、暗い廊下に出た。
廊下を歩いて1階へ降りるドアを探した。
が、部屋番号のついたドアのみが続いていた。
どれが階段に至るドアなのか見分けがつかない。
3階のドアと同様、階段へ続くドアにも部屋番号がついているのだ。
徹と奈美子は焦っていた。
階段へ続くドアを見つけなければ追手に捕まるのは時間の問題だった。
物音のしない部屋のドアを手当たり次第に開けるしかない。
いや、確実に教団施設から出られる部屋が一つだけあった。
212号室だ。
「性愛館」の部屋に繋がっている筈だった。
薄暗い廊下を212号室めがけて進んだ。
……ふと、人の気配を感じた。
212号室付近の前の廊下に誰かいる。
それも複数のようだ。
待ち伏せされたのか。
その中の一人の顔が一瞬だけ見えた。
女だ。
――弥智代だった。
弥智代に間違いなかった。
徹と奈美子は踝を返して反対方向へ逃げた。
21/03/19 22:23 (h2RR1O5a)
6
投稿者: 彩未 ◆sPqX4xP/g6
迷路のように不規則に折れ曲がる廊下を闇雲に走った。
物音のしない223号室のドアを開けて入り込んだ。
2人の呼吸は荒くなっていた。
無論ここは安全ではない。
ドアはオートロックだが暗証番号操作が可能な信者ならばこの部屋のドアを簡単に開けられる。
徹は警察に連絡をとった。
身の危険に晒されている、教団施設の223号室にいる旨を伝えた。
ウラマーが話していた通り、やはり弥智代は徹の監視役を与えられていた。
徹が部屋を脱出したのを見て、その後の徹の行動も監視していたに違いない。
徹が食堂から廊下に戻った時に人の気配を感じたのは弥智代が廊下に出ていたためだろう。
徹に見つかって慌てて307号室に戻り、寝たふりをしていたのだ。
その後、321号室でウラマーの一人を撃退したのを確認した上で、「反逆者」の烙印のもと、拷問に掛けるために捕まえに来たということなのだろう。
徹と奈美子は部屋の狭いクローゼットの中に身を潜めた。
暫くすると223号室のドアが開く音が聞こえた。
部屋の照明がつく。
扉の僅かな隙間からクローゼットの中にも光が洩れ差し込んだ。
「いるか?」男の声が聞こえる。
浴室のドアを開ける音が聞こえた。
「いない」別の男の声が聞こえる。
「クローゼットを開けてみろ」最初の男の声だった。
徹と奈美子の鼓動は頂点に達していた。
その直後、クローゼットの扉が全開にされた。
眩しい光に徹と奈美子の目が眩む。
次の瞬間、徹は包丁を手に飛び出して身構えた。
目の前に3人の男がいた。
一人は青バスローブのウラマー、他の2人は紫帯バスローブだった。
徹は青バスローブのウラマーに切り掛かろうとした。
すると、紫帯の一人が何か手に持っているのが見えた。
それを徹の方へ突き出した。
プシュッという音をさせてそれを徹に噴射した。
徹はその場に崩れ落ちた。
催涙スプレーだった。
ストレートタイプの噴射だ。
ピンポイントで顔を狙われればひとたまりもない。
3メートル圏内ならば確実に命中する。
直後に奈美子の悲鳴が聞こえた。
奈美子にもスプレーが噴射されていた。
徹と奈美子は悶絶した。
21/03/19 22:24 (h2RR1O5a)
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