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小悪魔の囁き
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:小悪魔の囁き
投稿者: 摩天楼
私には年の離れた彼女がいた。管理栄養士を目指し大学生になった彼女とは携帯電話でのメールがほとんど。短い文字の繰り返し。布団に入り眠りに着く直前の二月。彼女から「もうすぐバレンタインだけど。欲しい物ある」「チョコでいいよ」「在り来たりでしょ。他に何か無いの」彼女が側に居てくれれば幸せだった時期。彼女とコンドーム無しでセックスしたのは、出逢って間近の一回だけ。酔っていた私が「セックスがしたい。生でしたい」「無理」即答。その後の返信が途絶え。しばらく時が過ぎ「ピンポーン」玄関のチャイムが鳴る。「宅配かなぁ」同時にメールが届いた。「いま玄関先に居るんだけど」彼女からだった。「バァーンッ」勢いよく扉を押し開けると、「キャアァッ。ビックリしたぁっ。家に居たんだぁっ」私の目から涙が流れた。彼女にフラれたと思い落ち込んでいた時。部屋に来ると持っていたレジ袋を床に落とした。「ひっどいっ。汚いっ。っていうかっ。貴方っ。クッさいっ。お風呂に入ってるのっ」「シャワーだけど」「私が綺麗にしておくからっ。お風呂入って来てっ。まったくっ。私が居ないとダメなんだからっ」私が浴室から出てくると、流し台の周囲に置き去りのカップラーメンの器。缶酎ハイの空き缶。ツマミの空き袋が綺麗に片付けられていた。部屋に行くとテーブルにはピンクの蒲鉾。ホウレン草。刻み葱が盛られ湯気が立ち上る。うどんが置いてあった。タオルで髪を拭く私を睨む彼女。「食材を買ってきて良かったっ。冷蔵庫の中っ。お酒しか入ってないじゃないっ」うどんを食べていると、「これバレンタイン」ピンクの包装紙にブルーのリボンが結ばれた小さな箱をテーブルに置いた。甘い物が苦手な私に「ウィスキーのチョコ。一個だけ買うのに迷ってたら。店員さんが選らんでくれた。女同士で彼氏の愚痴で盛り上がっちゃった」私達はキス。「突然に生ってっ。あの言葉聞いてっ。私オナニーしちゃったっ。チョコ買った時の店員さんがねっ。その話したら。そんな事を言われたんですねっ。羨ましいっ。私も帰ったらオナニーします。って笑ってくれたっ」コンドーム無しで二度目のセックス。セックスが終わると彼女が「はあっ。物凄くっ。幸せっ。来年のバレンタインにはっ。元気な赤ちゃんを見せてあげれるねっ」缶ビールを飲んでいる私の耳元で「トツキトオカッ」私の手が止まった。「トツキトオカってっ。彼女はっ。まだ学生っ」私の顔からは血の気が引いていた。「冗談だよっ。今日は安全日っ」安心した私は缶ビールを一気に飲み干した。「でもねっ。赤ちゃんが出来てもっ。良いかなってっ。来月のホワイトデーが楽しみっ」言葉が出てこない私に追い討ちをかける彼女。俯く私の顔を覗き込み「責任取ってくれるって言ったよねっ。来月のホワイトデーにはっ。指輪っ。楽しみに待ってるからねっ」唖然とする私。「ウィスキーチョコのっ。お返しがっ。指輪っ」「楽しみっ。楽しみっ」「それってっ。何倍返しだよっ」最後まで読んでいただき有り難うございました。




2021/03/14 14:15:44(bqzY5Jsj)
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