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哀愁街道
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:哀愁街道
投稿者: 摩天楼
私は今は亡き妻と入籍し娘が産まれると同時に、生活費を稼ぐためトラックの運転手となったが、大型免許が無かった私は四トン車で出来るだけ長距離を走り続けていた。勤めていた所は、十数台のトラックしかなく、貰い仕事がほとんど。手積み手下ろし過積載が当たり前の小さな会社でしたが、それでもトラックを飾るのが好きだった社長と知り合う事が出来た。私が乗ることになったトラックは走行距離五十万キロを超えていたが、黒キャビンに舟形バイザー。メッキホイールが装着されていて、私は気に入っていた。
ある都市へ向かっている途中のコンビニで、私が雑誌を立ち読みしていると、「ウィーン」入り口の扉が開いた。口髭と顎髭に薄毛に汚れた作業服。見た目にも一般の方なら近づかないだろう。入って来た女性は私を見るなり目の前まで来ると、「私の好み」と言い駐車してあるトラックを指差し、「あのトラックって貴方のですか」その女性は酔っていて、関わりたくないと思った私は不機嫌そうに「ああ」ぶっきらぼうに答えた。女性は一歩足を引いたが、その足を戻し「あの。私。指を切ってしまって。絆創膏を買いに来たんです」「そうか」不審者を見る目で私は女性を睨み付けた。さらに「消毒液も買うんです」必死で言葉を繋いでいるようで、身振り手振りが大きい。その姿を見ながら「そんなのコンビニに売ってんのか」と聞くと、「はい。最近はチョッとした薬関係も。あっ。ずっと前から」私は小バカにされているように感じた。「包丁を使っていたら指を切ってしまって」「駄目だろう。酔って包丁を使ったら」「はい。すみません」「別に俺に謝る事じゃねぇよっ」私は持っていた雑誌を棚に戻し、女性が手に取った絆創膏と消毒液をカゴに入れた。「腹が減ってるのか」「はい。お腹も空いていますが。お酒も飲みたいです」「指は大丈夫か」「もう大丈夫です。血も止まりました」「そうか。これは俺が買ってやる」すると女性は、「あの。トラックに乗せて貰えませんか。トラックに乗ってみたかったんです」「面倒な事になったなぁ」と思いながらも、「チョッとだけならいいぞ」店内には店員の他に数人の客がいたが、女性は「ヤッタッアッ」と叫び私に抱きついた。気まずい空気の中で、女性は牛丼二個に缶酎ハイと缶ビール。それと数個のツマミをカゴに入れ、店員に嫌な目で見られながら会計を済ませた私は、女性を乗せ夜の国道を走り始めた。分厚いシートの揺れ。重いエンジンの響き。大きなハンドルを握る私の両手。初めての経験に嬉しそうに缶ビールを飲んでいた。大きなアクビをした女性は「チラチラ」と私の横顔を見ながら、「髭に触りたい。唇を指で撫でたい」などと呟きながら眠ってしまった。
私は道の駅にトラックを止め外に出た。「これからどうすれば」と考えながら夜空を眺めタバコを吸っていた。
助手席のドアが開き「パタン」と静かに閉める音が聞こえた。女性はトラックを一周し私の背後から「ラブホテルみたいなトラックですね」私の自費で装着した荷台の両サイド色違いの十個づつのマーカー。二連クリア丸型テール。キャビン屋根の緑のバスマーカー。荷台の前面に会社名を刻んだアンドンとフロントメッキパネルに取り付たウィング型のアンドンには白バラの柄に「摩天楼」の文字をアクリル版に加工し、それぞれ枠の中から蛍光灯で色鮮やかに写し出していた。女性は「牛丼は食べましたか」と声を掛けてきた。私は「まだ腹が減ってねえんだ」「偶然ですね。私もです」元気よく振る舞う女性を見て、初めて私は笑顔になり「どうして弁当をカゴに入れた」「ああっ。初めて笑ってくれたあっ」「うるせえ」「お酒飲まないんですか」「飲まない」「これから。まだ走るんですか」「お前を家まで送れなくなる」「私。家に送ってほしいなんて頼んでません」そう言う女性を私は睨んだ。俯いた女性は「今日は私の誕生日なんです。でも彼氏に別れを告げられ。仕事でもミスしてしまって。一人で居たくないんです」女性を見つめながら胸の鼓動が速くなっていた私は、運転席のドアを開けコンビニの袋を持ち出し、「どこで飲む。そこのベンチでいいか」と聞くと「トラックの中じゃダメですか」「構わないけど」女性に触れようと思えば、触れる距離に居たが私は思い止まっていた。
お互いにお酒が入り打ち解けた雰囲気になり、私は「キスしてもいいか」と聞くと「良いですよ」と「待ってました」の勢いで女性から唇にキスをしてきた。私の手に触れ胸から顔へと指を移動し、両手で顔を挟み鼻と鼻が触れ「はあっ」荒い息を吐いた。「お酒臭くないですか」「多少は」「嫌いですか」「別に」私達は唇と唇を重ねた。唇を離した私が「ヒゲ痛くないか」と聞くと、「平気です」私達は再び唇を合わせ舌と舌を絡めた。女性は「普段はこんな事しないんです」「そうなのか」「臆病な女なんです」「人生は長い。そういう事もある」私は寝台に移動し「イヤになったら言え。無理強いはしない」と女性に伝えた。ご無沙汰しております。最後まで読んで頂き有り難うございました。



2021/01/27 19:25:52(EMS2VvZO)
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