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女として・・。
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:女として・・。
投稿者: 影法師
(又来てしまった・・。)
志麻子はドアの前に佇みながら、自らの行動に躊躇いを感じていた。
此処にはもう2度と来るまいと我が身に誓ったのはつい先日の事、それなの
にそれさえ守れぬ自分の弱さ嘆いた。
今このドアを開いたら、2度と元には戻れなくなる気がしていた。
(今ならまだ間に合う・・早くこの場を去りなさい、そうすれば全てが終わ
るのよ。)
志麻子の中で、必死に彼女の過ちを制する者が言った。
その言葉に、志麻子は一瞬自我を取り戻せた。
急ぎ体の向きを変え、その場を去ろうとした瞬間、その方向から足音が聞こ
えた。
(まさか・・・)
志麻子の予感が的中した。
顔を合わせてはいけない男性と、出合ってしまった。
志麻子は一瞬顔をそらせたものの、それは意味の無い行動であった。
相手からは、志麻子の存在が認識されている。
志麻子が顔をそらしたのには、別の理由が存在した。
相手の勝ち誇った様な表情が、それを物語っている。
「なんだ、言った通りじゃないか、来ると思ったよ。」
彼は、この事を既に予測していたと言い放った。」
それは紛れもない事実である。それを知られるのが嫌で、顔を背けたのだ。
前に此処から立ち去る際、志麻子が彼に向かって言い放ったのは、それとは
逆の言葉だった。
「ここにはもう2度と来ないから・・。お願い、忘れて!」
それを口にして、ドアを開いて勢いよく出たのは志麻子自身だった。
それに対して、彼はそれを否定した。
「強がるなよ、そんな事無理に決まっているよ。あんたは又ここに来る、必
ず。」
志麻子には、彼のその言葉が、悔しい気持ちを通り越し、自身のプライドを
傷つけられた思いだった。
(馬鹿にしないで、私はそんなに弱くない。自分の事は誰よりも判っている
のよ。)
その時は、本当にそう思えたのだ。
だが・・それは間違いだった。
何故ならば・・彼の言う通り、志麻子は又この場所に来てしまったのだ。
彼女を横に眺める様に、彼が鍵をカギ穴に差し込むと、(ガチッ)と鍵の外
れる音が聞こえた。
「入れよ・・、ずっとそこにいるつもり? それとも、帰るだけの自信があ
るならどうぞお帰り下さい。」
彼は志麻子の心の中まで見抜いてしまっていた。それが彼女には何とも悔し
かった。
買い物に行っていたのだろう、ビニールの袋を提げた彼が、その品物を台所
に置いた。
「どうせ来たのなら、あんたがやってくれよ、そのつもりで来たのだろ
う?」
志麻子は、部屋の中に入ると、台所の隅に掛けられていたエプロンを手にす
ると、それを巻き、流し台の前に立った。
永い間やって来た事だけに手慣れた手つきで、夕餉の支度を済ませた。
その間殆ど二人は会話を交わす事は無かった。
「やっぱり慣れているだけに、手際が良いね、早いものだ。」
小さなテーブルに2人前に料理が並べられた。
彼は、
「それじゃ、早速御馳走になります。」
そう言うと、上手そうに並べられた料理を口に運んで行った。
「ここに来るって言ってあるのだろう?」
志麻子に彼が問いかけた。
志麻子はその問いに対し、首をたてに振る。
「なら急ぐ事は無いか・・。食べないの?」
彼が志麻子の食事を心配している。
「食欲あまり無いの・・。」
志麻子がそう答えると、
「無理にでも、食べておいた方が良いと思うよ。」
彼がそう言い返す。
志麻子は箸を取ると、少しずつだが、食べ物を口に運んで行った。
30分程で食事を終えると、志麻子はテーブルを方つけ、流し台で汚れもの
を洗い始める。
その間に、寝室として使用している4畳半の畳の上に、彼が夜具を延べ始め
た。
洗い物を済ませた志麻子は、部屋に戻ると、早くも彼は寝る支度をはじめて
いた。
「明日も早いからね・・。」
彼の着替えをその場で見つめている志麻子に向かい、
「何しているのだよ、早く支度しろよ、そのつもりなのだろう?」
志麻子は彼の言葉に首を振ってみたものの、
「俺はどっちでもいいのだよ。」
投げやりな言葉に、志麻子は覚悟を決めた様に身につけている服に手を掛け
た。
志麻子は微かに震える手の動きで、心の中を知られるのが恐ろしかった。
(志麻子、ダメよ、又同じ過ちを繰り返すつもり・・ダメ・・志麻子、目を
覚ましなさい!)
ピンク色のスリップに身を包んだ志麻子は、心の中の叫び声を聞いていた。
彼が蒲団の端を持ち上げて志麻子を待った。
志麻子の脳裏に、つい先日同じ場所での出来事が思い起こされた。
同じ布団の上で激しく抵抗する志麻子、女の力では彼には到底及ばない。
蒲団の上に押さえつけられ、自由を奪われた。
声を出して叫べるものなら・・そうしていた。
だが・・二人の関係がそれを許さない。
それは、志麻子自身にも、彼の身にも大きなリスクが伴うからだ。
出来る事は・・この理不尽な行動を何とか逃れるだけ・・。
だが・・それは儚い思いであった。
有ってはならない事が・・志麻子の肉体に注がれた。
「ダメ・・ダメ・・そんな事いけない・・」
彼は志麻子と、正に男と女の関係になろうとしていた。
二人は絶対に交わってはいけない。
だが、目の前でそれは行われた。
志麻子の願いを無視するように、彼の欲望は果てしなかった。
一度外れた・・箍は2度と元には戻らない。溢れだした水は・・全て流れ出
さない限り止まらないのだ。
志麻子の肉体にその楔が、何度も打ち込まれていった。
そして・・その中で志麻子は何かが弾けた・
決して有ってはならない事が、志麻子の身体の中で変化した。
それは、彼にも判る程だった。
「あぁぁ~いぃ~、逝っちゃう・・アァァ~、逝く~~!」
志麻子は強く彼の背中を抱きしめていた。シーツを激しく濡らしなが
ら・・。
そして・・その瞬間から志麻子は、母からひとりの女に変わった。

                     <終>
                  

2009/11/30 01:32:09(mmdqhGgp)
2
投稿者: (無名)
影法師さんが以前仰っていたように、読み手側に人物像などを想像させる…その手法好きなのかもしれません♪
やはり投稿文に惹かれます。
単発もとても良いのですが…連載も待ち遠しいです。
あれだけの過去の大作はお忙しい中大変でしょうが…期待しています☆
よろしくお願い致します。
09/11/30 16:48 (obyYYlbX)
3
投稿者: サイト歴10年
?????大きな栗とリス????
10/02/02 15:01 (fUVGpw3D)
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