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最近のわたし‥
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:最近のわたし‥
投稿者: 美由紀 ◆cXTwkfn09g
「もう一度してくれませんか‥」
「ダメ。」
「そうですよね。すみません。」
「うん。」
「K村さん,何か話してくれませんか。」
「何かって言われても。何が良い?」
「う~ん‥ダメならダメで良いです。亡くなった奥さまの事‥昨朝,似てるんだって言ってくれましたよね。なんか嬉しかったんです。」
「嫁さんの話しか‥また泣いちゃうかも知れないよ(笑)」
「お願いします。」
「座ろうか?」
「はい。あ,コーヒーとか飲みましょうか。」
二人で並んでソファーに座りました。
「俺さ‥高校中退なんだよ。」
「そうなんですか?」
「うん。信じられないかも知れないけど,昔はその‥やんちゃって言うか悪かったんだよな。」
「暴走族とか?」
「うん。捕まって保護観察までついてさ。」
「え~全然見えない。」
「車とかバイクとか好きでさ‥知り合った警察関係の人に前の仕事,紹介してもらったんだ‥」
私の知らないK村さん‥
「車の修理工場でさ‥あの頃は本当バカだったよ。仲間以外はみんな敵だと思ってたから。その工場に初めて行った日に,前々からいた奴にケンカ売ってさ。」
懐かしそうに話すK村さんが少年の顔に見えました。
「仕事はできないくせに大威張りでさ,誰も相手してくれなくなったよ。当然だけど‥仕事行くのも段々嫌になってさ,工場長のおじさんだけがたまに話し掛けてくれるだけだった。もうヤメようかなって思って何度も社長に辞表出したよ。その度に紹介してくれた警察のおじさんが家に来ては説得されたんだ。」
なんか寂しそうな顔でした。
「そんなある日だったよ。工場長が突然,車検の手続きとか事務仕事やらないか?って言われて,工場でも孤立してたからあまり深く考えないで,返事したんだ。」
遠くを見る様なK村さん‥
「慣れなくてさ‥30分で終わる仕事を夜遅くまで残ってやってた。初めの頃は,あのバカまた一人でやってるよ。って笑ってた工場の奴らが,ある日遅くまで大変だな。がんばれよ。って声掛けてくれたんだよね。正直嬉しかった。そしたらさ,いつも俺の事を恐がって話した事もなかった部品課のお姉ちゃんまで,話しかけてきたんだ。」
たぶん‥
「それが嫁さんだったよ。」
やっぱり‥
「整備工場なんて男ばかりじゃない。そんな中に一人でも女の子がいるともうアイドルだよ。大して綺麗でも可愛い訳でもないけど間違いなくアイドルだったよ。」
楽しそうに話すK村さん‥きっと幸せだったんだろうな‥
2009/02/20 22:11:51(N12HvoEa)
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