プルルプルル‥
部屋の電話が鳴りました。
｢もうこんな時間‥｣
｢そうだね‥俺,行くから。｣
｢K村さん,またゆっくり話してくれますか？｣
｢うん。また‥｣
｢ありがとうございます。｣
｢うん。誰かに遭わない様にしないと‥｣
｢私,先に‥｣
ドアを開け,廊下を見渡します。
｢大丈夫みたいです。｣
｢またね‥｣
K村さんの後ろ姿を見送り急いで支度をしました。
希望者に別れ,ゴルフを楽しむ組と島へ渡りマリンスポーツを楽しむ組‥ゴルフをやらない私はK村さんと別々でした。
似てるんだ‥
背中で感じた男の人の泣く姿‥
浜辺で寝そべり考えるのはK村さんの事ばかりでした。
早くホテルに帰りたい‥
先輩は良いな～
ゴルフが好きなのでK村さん達と一緒のはずでした。
早くホテルに帰りたい‥
夕食の時でした。
なんか意識してしまってK村さんの隣に座れません。
｢昨日の子が‥｣
男性社員の話し声が聞こえてきます。
｢飯食ったらまた行こうよ‥｣
食事が終わり,解散となりました。
｢エステでも行ってみようか？｣
先輩に誘われました。
K村さんは‥
やっぱり一緒に行ったのかな‥
二人でタクシーを拾おうと店の前で待っていました。
｢どこ行くの？マッサージ？｣
｢あれ～みんなと女の子のとこ行かなかったんですか？｣
｢うん。お金なくて‥(笑)｣
｢え～一晩でいくら位なの？｣
｢7,8千円位だよ。安いよな‥｣
｢そうなんだ～じゃ行けば良かったのに。｣
｢何も毎晩タイ来たからってヤラなくても‥みんなは妻帯者だからここぞと言う感じだけど,俺はね。｣
ずっと気になっていたK村さんが‥
｢エステ行こうと思って。K村さんも行く？｣
｢ははは‥綺麗になるかな？俺はマッサージでも行きたいと思って。｣
｢一緒に行こうよ。｣
半ば強引にK村さんも乗せてタクシーに乗り込みました。
｢ゴルフどうでしたか？｣
気が付いたら朝以来始めてK村さんと話した。
｢暑かったよね～でもこっちのゴルフ場は凄いんだよ,美由紀ちゃん‥○○さんなんかキャディー4人も連れちゃって‥｣
｢そうなんですか？｣
｢うん。お殿様気分だよ。君は日傘係,君はイス係,君は扇子で仰ぐ係って。｣
｢K村さんは？｣
｢俺は一人だよ。じゅうぶんでしょ。ゴルフやりに行ったんだから。｣
｢でも私見ちゃったんだ～｣
｢何を？｣
｢K村さんがキャディーさんに,あ～んしてもらってるの。｣
｢何ですか？｣
｢はは‥ヒミツ(笑)｣