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インターネットの女27
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:インターネットの女27
投稿者: 影法師
「主任、関西支社の太田さんからです。」
女子社員が受話器を保留状態にしながら、私に伝えた。
同期の太田は、一年前関西支社に移動となった。
その太田が珍しく連絡を寄越した様だ。
「おお、太田か? 久しぶりだな。 どう? 大阪暮らしは?」
「ぼちぼちでんがな・・だんはん・・」
砕けた口調のいつもの太田だ。
「珍しいな・・お前が連絡くれるなんて?」
「どうしているかな・・と思って、少しは楽になれたか?」
アイツ流の優しさだ。
「ありがとう、少しはな。」
「一人暮らしだろう? 飯、チャンと食ってるか?」
沙織と同じ様な事を言う。
「心配か? なら、誰か嫁さんでも紹介してくれるか?」
「その調子なら大丈夫そうだな、安心したよ。」
「すまない、お前には感謝しているよ。いろいろ相談にのってもらい、本当
に助かったよ。」
「何、同期のよしみだよ。気にするな。それより一つお前に見てもらいたい
ものがあるんだ。」
太田が改まった口調で言った。
「パソコンそばにあるか?」
「パソコンか? あるけど・・。」
「じゃ、チョッと見てくれるか? ネットだよ。」
(ネット? インターネットの何を見せようと言うのだろうか・・?)
太田のその言葉が気になった。
「準備OKか? ローカルニュースだけど・・」
太田が私にその新聞社名を知らせた。
某新聞社のホームページにアクセスし、太田の言う通りに進めていった。
「写真が小さくて良くは判らないけど・・如何・・ここに写っているの、奥
さんじゃないか?」
太田が話すその記事に目を向けた。

『ガンバレ、ママ!  過疎村に子連れ移動販売車』

そんな見出しの囲み記事だ。
小さな写真が掲載されていた。ミニバンの前で接客する女性と、その傍らの
女の子。
記事は、難病を抱える子供と一緒に移動販売車で過疎の村々を廻る女性を紹
介していた。
見た瞬間、私はすぐそれが沙織だと判った。
そばに居るのは、少し成長した美咲だ。
記事には沙織の旧姓(木村沙織さん)と書かれてある。
「どうだ・・名前も奥さんと同じだろう?」
「偶然見つけてな、気になったのでお前に話しておこうと思ったんだ。」
太田の言葉が耳に入らないほどに、私はその写真に釘付けとなっていた。
「ありがとう・・太田、間違いない。妻だ、それと娘の美咲だ。」
「そうか・・間違いないか、じゃ、後はお前が考える事だ。俺には何も言え
ない。如何するかは、お前自身が決める事だ。でもな・・?
一人のお節介者としては・・・いや、ヤメヨウ。お前にはもう判ってるはず
だ。お前が何をするべきか・・。悔いを残すようなことだけはするなよ。」
太田はそう話すと、黙って受話器を置いた。
私はパソコンの画面を見つめながら、胸に、熱いものがこみ上げてくるのを
感じていた。
翌日、私は3日間の休暇を取り、その新聞社のある四国へと向った。


2007/10/04 10:36:28(gOySFO1G)
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