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婦人科クリニック
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:空想・幻想小説
ルール: あなたの中で描いた空想、幻想小説を投稿してください
  
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1:婦人科クリニック
投稿者: まりこ
都内某所にある婦人科クリニック。

今日も自分の名前を呼ばれるまでベンチ待つ患者たちで埋まっている。

診察室は3つ。その中の1つに呼ばれて入る患者は決まってなかなか出てこない。

たまたまその診察室から戻ってきたときに出くわすと、気だるそうな姿をしていた。

どんな診察、治療をされたかなんて気軽に聞くことはちょっと躊躇する。

そこから出てきた人は誰もが人目を気にするかのように、どこか他人を拒絶する雰囲気があるような、話しかけることを思わず躊躇ってしまうのだ。

それでも中には肌の色艶がよく、まるで運動後の心地いい疲労のような満足気な表情の人がいるのも事実。でもやっぱり人をどこか避けている感じがしていた。

このクリニックの評判はかなり良い。
ネットで検索してもマイナスの話は一切なく、なんならこのクリニックを推す人が跡を絶たないでいる。

病院には様々な理由で人が足を運ぶ。
婦人系のクリニックとあって深刻な理由で訪れる人もいることを思えば、誰もが深入りは避けるというものかもしれない。

そんな表向きの解釈を利用して、今日も女性たちの本能が揺さぶられるのだった………。



ある患者が名前を呼ばれ、あの診察室に入っていった。

38歳、某企業のキャリアウーマン。
彼女も評判を聞きつけてこのクリニックへと足を運んできたひとりである。

ストレスの多い仕事柄、年に数回カンジダを繰り返していた。
珍しくはない症例ではあるが、煩わしいこの病状に悩む女性は少なくない。
彼女も今まで数回病院を移り、このクリニックで実に5ヶ所目になっていた。

これまでのことを医師に説明をして、繰り返すこの病気を何とかしてほしいと懇願するのだ。

どこの病院でも疲労や免疫力の一時的な低下による発症だからと、同様の説明と診察、薬を処方されて終わる。そして事あるごとに再発を繰り返すのだ。
ある医師には環境を変えることを提案された。
それは遠回しに転職をしろと、言われるものだった。
今の仕事を手放せるならとっくの昔にしている。
頑張ってやっと手に入れた今の立場、そう簡単に誰かに譲るなんてできるわけがない。どうして分かってくれないのだろうか………。
理解のない病院、医師にはさっさと背中を向けて、やっと辿りついたクリニックだった。

ここでは真摯に向き合う医師がいた。
ちゃんと話を聞いて、何が最善なのかを考えてくれている。
そして、ある治療法を提案されたのだった。


医師………治療法がないわけではありません、この治療で完治する方は多いですよ。

肝心なことは、途中で諦めて投げ出さないことです。

覚悟を決めて、できますか?





治療法を聞いて、絶句してしまった。

どんな苦痛を伴うのかと身構え聞いていたら………
両手で顔を隠したくなるのを我慢しなければならないなんて。

カンジダはカビの一種に感染して不快な症状がでる。
放置して悪化をすれば不妊症になることは知っていた。
再発を繰り返さないための治療法は、ある意味で勇気を必要とする。

膣の中は雑菌に負けないように酸性に保たれている。
それは様々な要因でバランスが崩れると、病気が発症する。

雑菌を寄せ付けないために、患部に薬を一定期間を要して塗り続けないといけないらしいのだ。

酸性の膣には薬が強くないと負けてしまうが、それだと粘膜がやられてしまう。
だから弱めた薬を数回以上、塗り続けないと効果がない。
セックスにおいて膣内はアルカリ性になるらしく、それは子宮へと進む精子が死なないためだと。
そして、薬はまさにアルカリ性になってからが真の効力があるのだと。
この治療法はつまり、快感を大いに伴うことになる。
質の悪いことに多量の分泌液が排出されることで、薬をある程度定着させるのに時間を必要とするのだと。

自分がどんな状態になるのかは容易に想像ができた。

だからこの治療に二の足を踏む女性がいるのだ。

治療だと理解はしていても、醜態を晒すことに………恥ずかしいを越えている。

選択を迫られている。
これまでのことを思い返して、覚悟を決めた。


「よろしくおねがいします」


医師………デリケートな治療でもあります、最善を尽くします。
この治療を受ける皆さんに言っていることですが、もちろん外部には漏れませんから心配しないで下さいね………。



心の準備以外はできている。

美容エステで恥部の処理を終えて、今日はシャワーを浴びて来ていた。

あとはまな板の上の鯉になるしかない。


医師………では、あちらに行って下着だけで結構です、脱いで診察台に寝て待っていて下さいね。
用意ができたら横にあるボタンを押して下さい。



重い足取りで隣へと続くドアを開けた。

そこには産婦人科にある特有の診察台、脱いだ衣類を入れるカゴが目に入った。

意外に思ったのは白い壁ではなくて、天井までが綺麗な壁紙が貼られていることだった。
場違いなほど美しいのは、リラックスしてもらうためなのだろうと理解はできる。

あまり救われる気持ちにはならないが、ストッキングとショーツを脱いで小さく畳んでからカゴに入れる。
唾を飲み込んで診察台に乗ると、恐るおそる左右にある場所に足を乗せた。

教えられたように横にボタンあった。

一瞬、躊躇したが思い切って押す。

しばらくした後、先程の医師が部屋に入ってきた。

素早く目隠しのカーテンを引いてくれたおかげで僅かではあるが、お互いの顔が見えなくて安堵する。


医師………リラックスしてくださいね、防音対策のある部屋ですから心配はありませんから。
それでは、始めますね~。


医療用の手袋をした医師の手が、内ももに触れた………。
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2024/04/09 09:33:15(3Z1BVfAx)
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