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障子の影
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:空想・幻想小説
ルール: あなたの中で描いた空想、幻想小説を投稿してください
  
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1:障子の影
投稿者: ◆AU/OjWxByc
僕は梶浦太郎。僕が子供の頃に見た話をしようと思う。あれは春だったか、夏だったか。そこだけはぼんやりしているが、はっきりと覚えていることがある。『あれ』だけは一生どころか、永遠に忘れそうもない。自分の知っている人が知らない顔を、影を見せた初めての衝撃だけは。

その時、僕は親戚の法事でG県とN県の間にある田舎に来ていた。この田舎に来たのは初めてではなく、小さい頃からよく来ていた。
のどかな田園風景が広がるこの場所では地元の子供たちともよく遊んだ。仮面ライダーごっことかもよくやった。

そして、親戚はこの土地に影響力を持つ分家で法事は本家で行われた。僕もその分家の1人になる。本家の名前は西嶋家。
西嶋家は戦国時代の有名な武将に仕えた武士の子孫で事実上、この土地の支配者だった。

しかし、時代が変われば支配者としての威厳はなくなり没落もありえたが、そうならなかったのは莫大な富に加えて新たな事業を始めたことで威厳と影響力を維持していた。その事業は製糸業、問屋、土地の売買、製薬業などだった。中でも製薬業は僕が慕っている人の祖父が始めた事業だ。戦時中はその製薬でこの土地のみならず、日本全国を癒した。こうして巨万の富を築いた。

製薬業を営んだその人は、この土地に来て僕が慕う人の祖母と出会い、やがて結ばれた。事実上、僕が慕う人はこの土地のお姫様と言っても過言ではない。さらにその人の祖母は武士の子孫であると同時にこの土地の神社の巫女でもあった。
当然、その人のお母さんもその人も巫女をやっていた。そして、親子2代で女教師で巫女という経歴を刻もうとしているからまさに聖職者だ。その人の名前は西嶋かほ。巫女服で神社の境内を箒で掃除していたのが初対面だった。

かほさんは祖母、母親の3代で美人だった。最初にあった時はかほさんが14歳の頃だった。年上の少女ながら上品かつ清楚な雰囲気があった。正直言うと一目惚れだった。地元の友達と一緒に神社に訪れた時にニッコリと微笑んだ表情は今でも忘れない。
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2021/04/05 23:45:30(mIUlQppu)
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