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熟事務員 Ⅱ ⑬
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:熟事務員 Ⅱ ⑬
投稿者: ルコック
熟事務員 Ⅱ⑬


予定よりも 随分遅れて バスが旅館に到着した。
ガイドさんからは、明朝までの時間割?の説明があった。

遅れた分 入浴時間を短縮されたことを、トイレ トイレと何度も予定外の所でバスをとめた奴等にかぎって「折角の温泉なのによぉ」「風呂にもゆっくり入れねーのかよぉ」と、文句を言いながらバスを降りていった。

そんな奴等が降りて行くのを 座席に座ったままで待っていると、
「俊くん、お風呂は?」
と、悦ちゃんが聞いてきた。


「湯冷めしたくないんで、寝る前にでも…。」

悦子
「そうね。」
「その方が良いかも。」
「行こ。」

ロビーに着くと 板東と長老が待っていてくれた。

悦子
「(板東さん達も)皆 同じ階よ。」
「(部屋に)行こう。」

皆でギュウギュウのエレベーターに乗った。

都合の良いことに、朱美さん達と同じフロアらしい。
俺達の部屋を通り越して 廊下の奥の部屋に向かって行った。

部屋に入って荷物を片付けて、やれ浴衣が短いだの 半纏が薄くて寒そうだの と言いながら支度をしていると、
チャイムが鳴り 「俊くん居るぅ?」
と、悦ちゃんの声がした。

呼ばれるままに俺が出ていくと
「これ。しずちゃんも お風呂行ったから、着替えとか 移しとく?」
と、部屋番号の彫られた大きなキーホルダーの付いた鍵を 小声で 俺に渡した。

浴衣だの 着替えを手にした板東が
「ん?。どうした?」

悦子
「うん。」
「しずちゃんがね、鍵も持たずに お風呂行っちゃったからさぁ。俊くん お風呂行かないって言うから 預かってて貰おうかと思って。
「それとね、席 取っとくからさ。って。」

板東
「なんだぁ!?。コイツが1番危なくねぇかぁ?。パンツ無くなっても知んねぇぞ!!」
そぅ からかいながら、ガハハハと笑っていた。
「席 いつものトコ 頼んます。」
と、風呂に行った。

俺は浴衣と半纏に着替えると、悦ちゃん達の部屋に入った。
靴下やら下着やら 着替えの入ったReebokの袋を、悦ちゃんの鞄に入れて、鍵をしめて部屋を出てエレベーターに乗った。

宴会場のある2階を通り越して、1階までおりた。広いロビーの中には お土産屋さんが2店ほどあったのを、先刻確認していた。
早々に妻へのお土産を買って部屋に戻った。
お土産を仕舞って、スマホのチェックをしていると、長老が帰ってきた。
その長老と他愛もない話しをしていると
「エレベーター、来ねぇ来ねぇ。」
「すぐにも出た方がいいな。」
と言いながら帰ってきた板東に促されるままに 俺と長老が続いた。

板東の言うとおり、エレベーターは 相当待たされた。
またギュウギュウギュウ詰めのエレベーターで2階に降りた。

宴会場に入ると、一番奥の壁際のテーブルで悦ちゃんが手を振っている。

結構な広さの宴会場だった。
テーブルとテーブルをくっ付けることはせず。
各テーブルごとに通路が設けてあった。
お偉いさんや先に来ていた人達に頭を下げながら、テーブルまで行くと、朱美さんが立ち上がって
「(壁際の)こっちの方が良い?」

板東
「すみません。その方が ありがたいっす。」

結果、一番の下座に 例のパートさんたちが 向かい合ってすわり、その隣に 板東 俺。
その対面に 朱美さん 悦ちゃん。
通路を挟んだ隣のテーブル 悦ちゃんの隣に長老。
長老達のテーブルは 割りと お歳を召された方々が座っていた。

全員が揃うと、進行役から案内があり、社長 副社長の順に お決まりの挨拶があって。
進行役が 女将とコンパニオンさん達を招き入れた。
女将とコンパニオンさんの代表者の挨拶のあとに、工場長の音頭で乾杯となった。

乾杯から30分位たっただろうか。
腹も満たされたらしく、カラオケ大会がはじまった。
毎年 トップバッターは、大島さんが歌う 山根なんとかが恒例だった。

カラオケ大会が始まると同時に、課長以上が 〔日頃の労をねぎらう〕といった体で 酒を注いで回る。

社長が まず 1番に注ぎに回ったのは 俺達のテーブルだった。しかも俺~。
そんなに 晴男さん効果は絶大なんか? と思わされた。

そこに歌い終わった大島さんが、瓶ビール片手にやって来て、何やら耳打ちしながら悦ちゃんの肩をポンと叩いていた。

社長と大島さんが それぞにビールを注いで帰ると、朱美さんと悦ちゃんがトイレにたった。

入れ替わり立ち代わり 酒を注ぎに来るのを嫌っての事かと思っていたが 少し違っていた。

俺がトイレに行くのと入れ替わりに 朱美さんが1人で戻ってきた。

俺が宴会場を出ると、チョッとしたロビーの様な所の隅が喫煙所になっている、別に宴会場でも吸えない訳では無いが、そこの丸椅子に座って話しをしている 大島さんと悦ちゃんが見えた。
俺がトイレから出てきても まだ話しをしていた。

暫くして 戻ってきた 悦ちゃんに朱美さんが
「随分(話が)長かったわね、何だって?」

悦子
「ん?、二次会。断ったら しつこくてさぁ。」
と、他の人の手前か 珍しく言葉尻を濁していた。

「失礼しまぁす。」
と、今度はコンパニオンさんが酒を注ぎに来た。
どうやら板東が どっかの席から連れて来たらしい。
「皆さん二次会は行かれるんですかぁ?」
などと、酒を注ぎながら 結構なテンションでまくし立ててくる。

悦ちゃんに
「ゴメンね、この人(俺)病み上がりだからさ、あんまり飲ませないで あげてね。」
と、いきなり 少し強い口調で釘を刺されて、コンパニオンがたじろいでいた。

暫くすると、進行役から案内があり、専務の音頭で 中締め となった。

と、すぐに 大島さんが歩み寄ってきた。

悦子
「だから、(二次会)行かないって!」
「しつこいわね、まったく!」

大島
「分かったよ!」
と、半ギレで帰っていった。

気が付くと、板東と長老と例のパートさん2人が連れ立って宴会場を出て行くのがみえた。

朱美さんもそれに気付いたらしく
「えッ、そういう事なの?」

「4人で…。では あり得ないっしょ。」
と、俺が突っ込むと

悦ちゃんに
「そんなの分かんないわよ、私達だって3人だもの。」
「ねぇ(朱美ちゃん)」
と、切り替えされた。

またギュウギュウのエレベーターで、その板東達と一緒になった。
当然 同じフロアで降りる。
が、板東達4人は、俺達の部屋に入っていった。
俺は それを見送る様に廊下を進んだ。

朱美さんが部屋の鍵を開け、俺と悦ちゃんが続いた。
部屋には既に布団が3組敷いてあった。
その奥の障子の手前に座卓と座椅子があった。
俺は座椅子にもたれて足を伸ばした。
当然と言えば当然だか、しずちゃんの姿はない。

悦ちゃんが 冷蔵庫から缶ビールを3本だして、
「アイツ(大島)、しつこくってさぁ。」
「二次会、顔だけだせ!」
「話があるから、付き合えって。」
と、ブツブツ言いながら座椅子に座ってビールをあけた。

朱美さんは朱美さんで、荷物や上着を入れる所の扉をあけて何やらゴソゴソやっていたかと思うと、布団の脇をこちらに歩きながら
「あの娘(しずちゃん)ったら、何処 いったのかしら?」
「大っきな鞄は置いてあるけど、中は ほとんど 空よぉ。」

悦子
「そんな 人の鞄 見るもんじゃないわ!」

朱美
「だってぇ。開いてるんだもの、これ見よがしに ガバッてぇ。誰だって覗くわよぉ。」


「だったら それ 『朝まで戻りません。遠慮なく どうぞ!』ってメッセージじゃないっすか?、彼女なりの。」

朱美
「あッ、そうかぁ。何だか洒落た事すんのね?」
「そんなに 気の利く娘だったんだぁ。」

悦ちゃんが プッと吹き出した。
また2人で頭を抱えてしまった。

朱美
「なんでぇ?。」
「私 何か可笑しなこと言ったぁ?」
と言いながら、今 来た所を戻りだした。

何か忘れたのかと見ていると、入り口に消えた。
カチャン。
と、内鍵をしめる音が聞こえた。



2017/11/22 00:22:24(l1XhOmK6)
7
投稿者: ルコック
熟事務員 Ⅱ ⑱

まあ ビックリした。
帰ってこないと思っていた しずちゃんが帰ってきて、しかも俺に話があると言う、何とか やりすごそうとカマをかけたつもりが図星だったとは思わなかった。

もっとビックリしたのは この状況。
3人で寝るのは幾らか期待もしていたが、4人で寝る事になるとは。近頃の若い娘はサッパリ解らん。

結局 布団の継ぎ目で朱美さんと悦ちゃんの間で寝ることになった。
どちらかが寝返りを打つ度に掛け布団を取られる。
取られては取り返す。取り返しては 頭の後ろで手を組んで天井をボーッと見上げて、『さて どうしたもんか?』と、あーだ こーだと考える。
そんな事を繰り返していた。

悦子
「…寝られない?」


「なんだかね。」
「しずちゃんの布団に潜り込むタイミングが分からなくて。」

悦子
「でた!、工藤節。」
「そんな事 出来ないくせに。」
「…何時?」

俺は枕元のスマホをで確認した。
「そろそろ4:00になるよ。」

悦子
「お風呂でも行こうか?」
「入れるんだよね?」


「…たぶん。」
「行ってみますか?」

宴会場と同じ2Fにある大浴場におりた。
エレベーターを待ってるあいだでも 中でも、お尻を撫でたりしていたのに、いやに反応があっさりそている。
廊下や各所に設置されたカメラが気になるのだと言う。

悦子
「俊くん鍵持ってるのよね?」


「結局 しずちゃんには渡さなかったからね。」

悦子
「どうしよう?。何処で待ってれば良い?」


「俺のが早いんだろうから、宴会場の前の喫煙所にいるよ。」

悦子
「そう。ありがとう。」
「じゃぁ、また あとでね。」

と、大浴場の入り口でわかれた。

そそくさと頭と身体を洗い、頭にタオルを乗せて 湯船に浸かった。
寝不足も手伝って ボーッとする頭で 結局また『どうしたもんか?』と悩んでいた。

これといった妙案も浮かばず、風呂からあがって、洗面台のあたりをウロチョロしていると、5:00近かっただろうか?、板東がやってきた。


「おはよ。」
「パートさんたち どうした?」

板東
「1:00頃だったかな?、部屋にかえったよ。」
「お前こそ しずちゃん どうした?。探してたぞ。」


「悦ちゃん達の部屋で寝てるよ。」
「お前の事だったよ、話しってのは。」

板東
「俺が なんだって?」


「惚れちゃったんだと、お前に。」
「悦ちゃん達が、当たって砕けちゃえ!、ってさ。」

板東
「なんだ、そりゃ?」


「まぁ、明日になれば解るって。」
「明日っても、今日だけどな。」
「んじゃ。お先。」

板東
「おいおい。なんだそれ?」


「話しくらいは聞いてやってくれ。ってこと。」
「よろしくぅ。」

喫煙所で煙草を吸って悦ちゃんを待った。
板東には あぁ言ったものの、何かが 吹っ切れなかった。
中途半端に しゃしゃり出てしまった事を後悔していた。
そんな事を考えてると、『おまたせ。」と悦ちゃんが来た。

悦子
「どうする?、このあと。」


「部屋帰って着替えて、すぐに降りてくるよ。」
「何か中途半端な事してんじゃねぇか?。って。」
「風呂で板東に会ったんだけど、なんだかね。」

悦子
「何だって?、板東さん。」


「話しだけでも聞いて、きちんと返事してやってくれ。って…。」

悦子
「そうね。」
「良いんじゃないの?、しずちゃんに頼まれた事をしてあげただけなんだから。」
「後の事は当人同士で。」

そんな話しをしながら部屋にもどった。

大広間での朝食は それぞれバラバラだった。
俺と板東と長老とが1つのテーブル、ひとつ飛ばして 朱美さん 悦ちゃん しずちゃん と、例のパートさんの5人。

身支度をしてロビーに降りた。
受付で冷蔵庫の精算をする者、お土産屋さんで買い物をする者、ラウンジで珈琲を飲む者、様々だった。

俺と板東は一足先にバスの座席に凭れていた。
2人とも 既にウトウトしていた。

悦子
「俊くん。飲む?」

どうやら ラウンジで珈琲をテイクアウトしてきたらしい。
通路を挟んで、朱美さんが同じように板東にすすめていた。

発車時刻、ガイドさんから案内があり、朝市に向けてバスが発車した。





17/12/05 22:59 (xaIt7Ihq)
8
投稿者: まさ ◆zEGpD4VZDY
いつも楽しみにしています!
続きをお願いします!
17/12/11 07:15 (rUFsh5SB)
9
投稿者: ルコック
まささん はじめ楽しみにして下さっている方々 ありがとうございます。


熟事務員 Ⅱ ⑲

そこは 朝市とは言うものの、『観光客向け』の色が濃い様に俺には見えた。
実際 土曜日も手伝ってか 観光客で賑わっていた。

朱美さんが言うように『アメ横』の様な 人の流れに順じながら歩いていると、後ろから『悦子さぁん』と、しずちゃんの声が聞こえた。

小走りに駆け寄ってきた しずちゃんが ピタッと悦ちゃんに引っ付いた。

悦子
「ちょっとぉ!、貴女はあっち。」
と、少し離れた板東を指差した。
「板東さぁん。」
と、手を振りながら板東を呼んで
「この子さぁ、(私達の)邪魔するのよぉ。」
「見ててくんない?」
「迷子になりそうで危なっかしいし。」
「ほらっ!」
と、しずちゃんを押した。
そして 何食わぬ顔で 俺に腕を組んで
「板東さん。お願いねぇ。」
と、手を振っていた。

板東を取り巻いていたパートさん達は 怪訝な顔つきをしているし、板東は 意味ありげに 俺をキリッと睨んだ。

人の流れに身を任せながら見てまわった。
皆 一様に、何とか水産だのと書かれた お土産袋を手にしはじめた。
朱美さんも 他聞にもれず 何か品定めをしている。
それに気付いているハズの悦ちゃんが、組んだ俺の腕を引くように 歩いている。


「(朱美さん)いいの?」

悦子
「いいの、いいの。」
「旦那や家族のお土産なんだから。」
「選ばせてあげましょ。」

なんだか俺には 嫉妬まじりに聞こえた。
結局 朱美さんが俺達に追い付くことはなかった。

俺と悦ちゃんがバスに戻ると 板東が早々と帰ってきていた。パートさん達は まだらしかった。

その板東が
「おい、あれは幾らなんでも露骨すぎねぇか?」
「パートさん達も どっか はぐれちゃったし。」

悦子
「だけとさ、しずちゃんなら不倫なんかには ならないわよぉ?」
「ポッチャリは お嫌い?」

板東
「(ポッチャリ)そんな事ぁないけど、不倫とか あんた等には言われたくないなぁ(笑)」

悦子
「なら良いじゃない?」
「あとは 宜しくね。」

と通路ごしに話しをしてると、朱美さんと合流したらしいパートさん達もバスに戻ってきた。

ガイドさんからの案内では、途中のトイレ休憩のみで 金沢に直行するらしい。
昨日とは うってかわって ほぼ全員が寝息をたてている。
俺も その内の1人で、トイレ休憩を一度 それもボーッとしていて ほとんど覚えていない。

金沢に着いたのは11:00に少し前だったと思う。
昼食をとるレストランの前でバスが停まった。
自由散策のあと 12:30~の昼食 との案内がガイドさんからあった。

さすがに 一時期 しきりにニュースで 金沢の駅が取り上げられただけの事はある。
皆が駅を目指した。
駅前に着いても、駅舎をバックに写真撮影をする人達で ごった返している。
結局 俺達も仲間内で撮ったのだが。

さて、どぅしたもんか?。
右も左も分からない。
今回は、そもそも観光目的ではなかったので、下調べなど何もしていない。
朱美さんや悦ちゃんなどは、『きっと誰かが調べてくる。あたしゃ、ついてけばいいや。』
と、のほほん としてたらしい。

結局 駅前の土産物店や雑貨屋さんや洋服屋さん などをブラブラと物色して時間を潰した。

朱美さんと悦ちゃんの あとをついて歩きながらも、俺は 板東としずちゃんの事が頭から離れなかった。

チンケな責任感からくるものなのか?。
あの、ボン ボン ボンとした身体に魅せられたのか?。
その両方だったんだと思う。
何か気になってしかたなかった。

何とか時間を潰し、レストランに戻った。
既に何人か戻って来てる人もいた。

宴会場の時の様に、悦ちゃんが一番端 隣に朱美さん。
悦ちゃんの前に俺が座った。
幸いテーブル席だったので、靴を脱いで、足で 2人の脛や脹ら脛を擽ったりしながら開始をまった。

そんな事をしていると、板東たちがやってきた。
俺の隣に板東 その隣にしずちゃん。
しずちゃんの前 悦ちゃんの隣に、『ここ、いいですか?』と言いながら 殆ど絡みのない 例のパートさん達とはべつのパートさんが2人並んで座った。

聞けば、しずちゃんは、自由散策のあいだ ずっと板東に ベッタリ だったらしい。
そんな 楽しそうな しずちゃんの1人舞台の昼食だった。

昼食を終え、あとは ひたすらバスに揺られて帰るだけ。

今回の旅行の2日目は、描いていた妄想とは裏腹に 何事もなく終わろうとしていた。

バスが帰路に着くとすぐに、ガイドさんから案内があった。
渋滞が予想される事、最後のトイレ休憩は軽食を取れる様に長めに予定している事、などだった。
で、昼食後の お昼寝タイムとなった。
天井からテレビモニターが降りてきた。
『天使にラブソングを…』の上映が始まった。
映画が始まるとすぐに、通路ごしに 板東が悦ちゃんに 何やら耳打ちをしている。
と、すぐに 板東と悦ちゃんが入れ替わり、板東が俺の隣に座った。俺に話があるらしい。


「どうした?。しずちゃんの事?」
「ゴメンな。迷惑かけちゃったな。」

板東
「実は俺、付き合ってる女性 居んだよ。」
「…岩渕さん。」


「岩渕さん。て、あの岩渕さん?」

板東
「そ、あの岩渕さん。」
「さっき、飯食ったあとに、『どぅゆうつもり?』って言われちゃってさ。しずちゃんの事。」
「で、工藤や悦ちゃん達が…。って言っちゃったんだけとさ。」


「そう!。あの 岩渕さんと。」
「知らなかったとは言え、ホント ゴメン。」
「岩渕さんには 休憩の時にでも 俺から謝っとく。」
「なんなら 悦ちゃんとか とも。」

板東
「ありがと。」
「悪りーな。」


「悪いのは こっち だから、ゴメン。」

板東
「いや。ハッキリ言わなかった俺も悪いから。」
「ただ、しずちゃん。」
「彼女は何も悪くないじゃん。どうしたもんかな?って。」


「一緒に謝るか?、しずちゃんに。」

板東
「そうだな。頼む。」


「じゃぁ、長めの休憩の時にでも。」
「…にしても、岩渕さんとねぇ。」

岩渕さん とは、
バツ1の女性で、俺達よりも ひと回り近く 年下のハズ。
とは言っても このバツ1 が、いささか厄介で。
岩渕さん本人はもとより、元の旦那さんも この会社に勤務していて この旅行にも参加している。
要は、社内恋愛のすえの結婚、の すえの 離婚。

が、元の旦那は未練タラタラ。
ストーカーまがいの事も 度々 されているらしい。
その元の旦那が 何かと板東と仕事で絡む事が多い。

何年か前に『別居してるらしい』とか『(離婚が)本決まりらしい』とかの噂が有るのは俺も知っていた。
その噂が現実となり、『旧姓の岩渕に戻ったので…』と、岩渕さん本人から聞かされたのが、1年位前だったと思う。

仕事でも 元の旦那とも絡む事が多く、離婚を経験している 板東に、岩渕さんが何かと相談しているうちに…。
と言う、よくあるパターンだったらしい。

次のトイレ休憩の案内をガイドさんが始めた時に、板東と悦ちゃんが また入れ替わり 俺の隣に座った悦ちゃんが
「何?、しずちゃんの事?」


「そう。」
「でも、トイレの後に謝らなきゃならい人が居るから、詳しい事は、トイレから帰ったらね。」
と、『漏れちゃう、漏れちゃう』などと誤魔化しながら、バスを1番に降りて、先にトイレを済ませて、岩渕さんをトイレの前で待った。

「岩渕さん。」
と、トイレから出てきた岩渕さんに声をかけた。
「チョッと いいですか?」

岩渕
「あら!、工藤さんから声かけて貰えるなんて 珍しいですね。何ですかぁ?」


「ホントは、こんなトイレの後に、それも時間の無い時にする話しじゃ無いことは分かってるんですけど。」
「失礼だって事も。」
「でも、まずは お詫びをと思いまして。」

岩渕
「えっ?。何ですか?」


「伺いました、奴から。」
「知らなかった事とは言え、失礼しました。」
「しずちゃんが 結構 本気みたいだったんで、つい。」
「でも、奴はしずちゃん以上に真剣で、『岩渕さんを傷つけたくはないし、悲しませたくもない。』って。」
「けしかけたのは私なんで、奴が悪い訳じゃないんです。」

岩渕
「…判ってます。」
「何だか ビクビクしちゃって、コソコソしてた私達も悪いので…。」
「工藤さん達に どうこう とか無いですから。」
「ただ、工藤さん流 って言うんですかね、何処までが冗談で どっからがホントなんだか分からない ところ。」「朱美さんも悦ちゃんも楽しそうで、チョッとうらやましいなぁ、って。」
「彼にも そういう所 少し位有ってもいいかなぁ?、って。」


「それが奴の良いとこ だと思いますけど。」
「俺、奴と違って、根が高田純次なんで。」

岩渕
「高田純次なんて言ってる割には、先刻から 『奴、奴』って。周りを気にして 名前は出さないで いてくれてますよね?」
「そんな気遣い まったく無かったですから 夫だった人は。」


「でも奴は もっと(気が利く) でしょう?」
「だから しずちゃんにも無下には断れなくて…。」
「俺は奴のそんなとこに つけこんで…。」

岩渕
「…大丈夫ですって。」
「ただ出来れば、私は まだ怒ってた 事にしておいて下さい。」
「見せつけられた分、私にも少し 意地悪させて下さい。」


「分かりました。」
「奴には そう伝えておきます。カンカンで相手にして貰えなかった って。」
「ホント。すみませんでした。」

俺と岩渕さんが話しをしてる光景は 確かに珍しいらしい。

バスに近づくにつれて、二度見をする人 追い越しざまに振り返る人。
中には『なんだ工藤、今度は岩渕かぁ』と、からかう人もいた。
そんな人は、「そうなんすよ、普段あんまり話し出来ないんで、お茶 誘ってんすけどね。」
と、受け流したりしていた。

その度に岩渕さんは ケタケタと笑っていた。

「それじぁ。」
と、バスの前でわかれた。

バスに戻ると、すぐに板東が通路から身を乗り出し 悦ちゃんにも 構わず 聞いてきた。
「どうだった?」


「とりあって くんなかったけど、ひたすら謝った。」

板東
「その割には 笑ってなかったか?」


「ああ、お茶 誘ったら 笑って誤魔化された。」

板東
「謝りに行った奴が お茶なんか誘うか普通。」


「だから、俺は高田純次だって。」
「高田純次なら やりかねねぇだろ?」

板東
「いぃや。お前のいい加減さは 高田純次 以上だよ!」

そんなやり取りだったが、板東は 何となく 察した ように 俺には 思えた。

俺と板東の話が終わるのが 待ちきれない様に
「なに なに、何の話し?」
と、悦ちゃんが聞いてきた。

周りには聞こえない様に、小声で 事の経緯を 悦ちゃんに教えた。

「そう。そうだったんだぁ?」
と、板東を見ていた。
「しずちゃんには チャンと板東さんから話してあげて。」
「私達で けしかけといて無責任だけど、しずちゃん 本気みたいだから。」
「ちゃんと フッてあげて。」
「ゴメンね。お願い。」

板東は 黙って頷いていた。

最後のトイレ休憩。
俺と 板東と しずちゃんと 朱美さん と悦ちゃんと、5人で それぞれ 好きな軽食を食べながら、
悦ちゃんが「しずちゃん、実はね…。」
と、話し始めた。

すると朱美さんが
「あのね。帰ったら、て言うか、会社もどったら すぐに
家 帰らないとダメ?」
「悦ちゃんと3人で お茶 して帰ろっか?、って話してたの。」
「どお?、しずちゃん?」

しずちゃん
「3人でてすか?、大丈夫ですよ。」

朱美
「そう、良かった。俊ちゃんは奥さんが迎えにくるし、板東さんも何か有るんだって。だから3人で。」
「じゃぁ、バス 降りたら待ってて。」

しずちゃん
「はい。」

「こんな所で本当の事を聞かされたら、何処で癒せば良いのよ。」
「泣きながら バスに揺られるなんて 可哀想でしょ。」
「女どうしに 任せなさい。」
という 朱美の気遣いだった。ありがたかった。

バスが会社にもどる頃、朱美さんが
「俊ちゃん、ゴメン。勢いであんな事 言っちゃったけと、帰りは?」
「奥さん 無理なんでしょ?」


「板東、乗せてってくんない。」
「しずちゃんが どうにかなっても すぐ 動けるし。」
「朱美さん達が 憎まれ役 かってでてくれたんだ、俺らも そん位の 心づもり で居た方がいいよな?」

板東
「そうだな。」
「乗せてくよ、俺が。」
そう言うと スマホを取りだし メールを打ち始めた。

バスが会社に戻り、ガイドさんと進行役から話があり、解散となった。

解散となると すぐに板東が俺に荷物をあずけて
「悪りぃ。工藤 これ頼む。」
「朱美さん、俺が戻るまで 帰らないで待ってて。」
と言い残し バスを降りた。

俺と朱美さんと悦ちゃんとしずちゃんと、4人で待っていると、板東が岩渕さんを連れて戻ってきた。

板東
「しずちゃんゴメン。」
「俺 今 岩渕さんの事を真剣に考えてる。」
「だから、君の思いには応えてあげられない。ゴメン。」
「隠れるみたく コソコソとしてた、俺が悪い。」
「岩渕さんとの事は 工藤にも言ってなかった。」
「皆のこと、振り回してしまって ゴメン。」
「しずちゃん、ホント ゴメン。」

しずちゃん
「悦子さん、当たったら ホントに砕けちゃいましたぁ。」
「岩渕さん?、何で私より先に泣いちゃうんですかぁ?、
ズルくないですか?、それぇ。」
と、今にも泣きだしそうだった。

朱美
「そうだ。悦ちゃん家。」
「悦ちゃん家 行こうか?」

悦子
「そうだね、そうしよっか?」
「付き合ったげるよ、朝までだって。」

俺は 情けない事に しずちゃんに かけてあげる言葉も見つけられず、黙って 頭を下げて 3人を見送った。

17/12/12 00:13 (y89XJeaA)
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