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青い、あいつ 6
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:青い、あいつ 6
投稿者: 菊乃 ◆NAWph9Zy3c
ガラスのテーブルの上で、ブーブーとけたたましい音を立てて震える携帯。

開くと、メールが三件。

全部あいつからだった。


もちろん、返信なんかしない。面倒くさい。迷惑メールより迷惑だ。


そもそも返信する内容ではなかった。別に知りたくもないあいつの近況報告に、返す言葉なんてない。

無視しても、無視しても、構わず連絡してくる。寂しいやつだ。



まぁ…それでもたまには会う。こっちから連絡もする。

必要があれば。


まだまだ使えると思うから。





「何?メール?」

シャンパングラスを二つ、持ちながら歩いてくる男、名前はヒロキ。あたしの彼氏。

一目惚れだった。こんな男と付き合えるなんて、昔のあたしからしたら考えられない。


「うん、友達から。正直ウザいんだよねぇ…それよりはやく飲もう?」


気が付けば、お酒を飲める歳をとうに過ぎていた。



注いだ金色の液体の中を、真珠のように綺麗な玉が走る。

絶対に失いたくないもの。

「乾杯」


カチン、とシャンパングラスのぶつかる涼しい音が部屋に響いた。





オンナは顔がすべてだ。


母親はお世辞にも綺麗とは言えず、父親も禿げ散らかったデブオヤジ。

その娘が美人になるはずがない。



カエルの子はカエル。

みにくいアヒルの子は、そもそもアヒルの子じゃなくて白鳥の子だし。



仕方ないことと分かってた。それでも綺麗になりたかった。




最初に手術をしたのは高三の夏休み。

怖くはなかった。この顔がどうしても嫌だったから。

何年もまともに娘の顔を正面から見ていなかった親は、顔が変わっても気づかなかった。


そのあと何年かかけて、顎、鼻筋、目頭・目尻、それから脂肪吸引、豊胸手術、と全身くまなく手を入れ、メスを入れ、人工的にした。


法外な費用がかかった気がするが、全部あいつが出したので、正直よく覚えていない。





「な…ちょっと…どうしたの?」

ヒロキは何も言わずにあたしの身体をぎゅっと強く抱き締め、いろいろ入ってる胸に顔をうずめる。 甘えん坊なのだ。


ヒロキの髪を撫でながら、ふと顔をあげると窓ガラスに抱き合う二人の男女が映っていた。


一人はヒロキ。 もう一人は…


誰だ、あれ。



もう自分でも誰だかわからない。


誰だ、あれ。




うーん…なんか二重が不自然かも。
またメンテナンスが必要かもしれない。


どんどん汚くなる内側を隠すために。



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2009/03/03 19:27:25(FZi8QHZp)
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