この時期になると学生時代スノボで骨折したサ－クルの
後輩、幸子を思い出す。
毎週、スノボに仲間と行っていて、確か３月末の時期に
運悪く幸子が右足首を骨折してしまった。
幸子は、ちょっとポッチャリだが、色白で私の好みだった。
一人暮らしでアパ－ト暮らしだった。家も比較的近かったことや
私が自宅から通っていたことで車持ちだったこともあり、
私が大学の送迎や、整形外科の送迎をしばらくの期間
面倒をみてあげた。
松葉杖でギブスでかなり歩行も大変だった記憶がある。
ギブスをしているとそのお風呂も、その部分だけは
洗えないのでビニ－ル等を巻いて入っていたようだ。
当時、私は幸子とは付き合っていなかったので
アパ－トの風呂までは同行してはいなかった。
送迎となると、玄関前まで失礼していたが
そのうち、彼女から、部屋でカフェのお誘いもあり
自然と送った後、あがることが多くなった。
幸子の部屋は整然としていて、女子の甘い匂いがした。
まあ化粧水とかの匂いかと思うが心地よかった。
洗濯機もあったが、中の洗濯物も幸子がいるので
漁ることもできず、ただ洗濯機を見つめるだけで我慢した。
部屋に着くと幸子は必ず、ギブスの周りをタオルで
拭いていた。
あるとき幸子が「早く温泉でも行って足をつかりたい・・」
ような話をした。
あまり気にしていなかったが、「そうか！この足は
あの骨折依頼洗えていないんだ！」
と思った途端、幸子の足は今、どんな匂いなんだろう・・
と思うようになった。
それ以来、送迎の際も、幸子の顔を見ても
あのギブスはどんな匂いなんだろう・・・と思うようになった。
季節は４月の下旬になりかなり初夏を感じる日もあった。
そんな日に、いつも通りアパ－トまで車で送り、部屋で
お茶をした。
幸子がいつもギブスの中を緑のタオルで拭いていた。
幸子がトイレに行った少しの時間に、その緑のタオル
の匂いを嗅いでみた。
驚くような匂いが脳を突き刺した。
すえたような腋臭のような匂い。
「幸子の足は、こんな匂い？まじかよ・・」
でも幸子のギブスの中の蒸れた匂いだし、すえた
匂いが鼻についたがクセになる匂いだった。
幸子がトイレに行っていた２－３分の間にそのタオルを
鼻に近づけること７－８回。
最後は鼻の穴にタオルを差し込んだら匂いが鼻に
残った。
幸子が戻ってきても残り香があり幸子の顔が見れなかった。
それ以来、幸子タオルを隙をみては嗅いでいた。
幸子とも夕ご飯を食べて帰ったり二人の距離は自然と
近づいていた。
ようやくギブスがとれた時は付き合い始めていた。
幸子の足のすえた匂いのほかに、体の匂い全ても
自然に鑑賞できるようになった。
２年ほどつきあった幸子は、この時期になると思いだす。
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