タイミングがなかなか取れずしばらく義母を抱けずにいた。
ある日、仕事の打ち合わせで下請けと待ち合わせをすることになった。
「ゆうさんの現場、途中に○○美術館がありますよね?そこでいいですか?」
下請けの営業がそう言ってきた。
すっかり義母の車が止まっていた事すら忘れていた私は
「いいですよ」といい美術館の駐車場へ向かった。
下請けの営業と落ち合い周りを何気なく見渡すと
トイレの陰に隠して停めてある車を見つけた。
下請けが帰った後ナンバーを確認すると、やはり義母の車だった。
「こんなところに車停めて誰と会ってるんだ?」
車に近づいた
しかし義母の姿はなかった。
それから1時間ぐらい駐車場でサボっていたら上司から電話が鳴った。
「どこほっつき歩いてんだ!早く帰ってこい」
酷く御立腹なので座席のシートを起こし、まさに今出ようとすると
赤色の軽自動車が義母の車の横につけたまま。
「ん?」
まじまじと見ると義母は素早く車に乗りこみ仕事着に着替えていた。
「はー。さてはまた仕事と嘘ついて遊びに出たな」と思い
赤色の軽自動車の運転手を見るとそれは以前、義母が仕事を手伝っていた会社の社長だった。
しかも娘の車だったのだろう。中にはぬいぐるみがあった。
私は義母に電話してみた。すると着替え終わったのか4コールぐらいで出た。
「‥もしもし。‥どうしたの?」
息を整えながら話す義母。
「横見て。」
そう言うと手を振る私に気づき
「ブツッ‥‥‥プープー」
義母が慌てて電話を切った。
それから義母は映画さながらのカーチェイスみたいに
信号は無視するわ、一時停止も止まらずがむしゃらにその場から逃げた。
私は途中まで遊び半分で追いかけたが
御立腹の上司がいる事を思い出し会社に帰った。
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