普段は気の強い姉だが、感受性が高い人なので、涙を流すことはよくあった。しかし、あれほどの号泣はそうそうあることではありません。
その日から、姉の居場所は一階の居間とかではなく、姉自身の部屋になり、そこに籠るようになってしまった。
姉の妊娠を伝えられなかった僕は、『姉が大病に襲われたのではないか?』とそんな心配をするになっていました。
同じ家に居ても、顔を合わすこともなくなり、僕も気を使うように姉が部屋から出た時には顔を合わせないように出ていくのを控えることをしていました。
気がつけば、同じ家に住んでいるのに、一ヶ月以上まともに姉の姿を見ることがなかったのです。
その日、会社から帰ると、キッチンに姉が座っていて、先に夕食を食べていました。このところ、毎日パジャマ姿の姉はこの日も同じ格好です。。
しかし、細い身体の姉のお腹の部分が大きいのを発見してしまいます。そこで初めて姉の妊娠を知ることになったのです。
夕食は、その姉の身体のことには一切触れず、進みました。『大病じゃないか?』と心配していた僕も、まさかの妊娠を知り、何も言えませんでした。
その夜。姉が部屋に入ってきました。姉が籠り始めたため、もう一ヶ月以上なかったことです。
『忙しいんなぁ~?』と声を掛けてくれる姉。その声は、一ヶ月前と何も変わらない、元気な姉の声でした。
『忙しいなぁ~。』と口では返事をしますが、お腹の膨らんだ姉をまともに見ることが出来ずに、自然と視線を外してしまいます。
それでも姉が部屋に入って来て、いつものようにベッドに腰掛けると、僕もその姉を見ない訳にはいきません。
『子供が出来てしもたわぁ~。』と先に言われました。見ると、姉はパジャマを持ち上げて、そのお腹を僕に見せています。
年齢と共に多少の余分肉がお腹周りについたとはいえ、基本ガリガリの痩せ形の姉です。見せたお腹は、決して余分肉ではない膨らみをしていました。
『ほんと、失敗したなぁ~。』と一人言をいい、僕の次の言葉を待った姉。しかし、『そうかぁ~。』と言う僕の返事は求めていたものではなかったようです。
このあと、姉は一人で語り始めます。『高校生の男の子なんよぉ~。』と父親はパート先の17歳の子だそうです。
『知らない間にゴム外されてたわぁ~。可愛いええ子やと思ってたんやけどなぁ~。』と姉は被害者のようです。
やりきれないのか、妊娠したショックなのか、僕の部屋を訪れた姉は終始うなだれていて、元気がありません。
そんな姉の口から、『こんなんだったら、あんたの子供を妊娠してあげた方がよかったわぁ~。』と言われるのです。
若い弟との幼稚ともとれるお医者さんごっこ。そして、パート先での若い高校生との関係。姉の身には、これが同時期に訪れていたのでした。
『そいつは~?』と1つ姉に確認を入れました。『頭に来て、しばいてやったわぁ~。もう辞めておらんわぁ~。』とその高校生が居ない確認がとれたのです。
次の瞬間、僕は姉を抱き締めようとしていました。姉の身体に手を廻して、姉が胸に飛び込んで来てくれるものだと待ちます。
しかし、姉は自分から飛び込んで来ようとはしませんでした。そして、『なにするん~?』と小さな声で聞かれ、思わぬ展開に僕も困ります。
それでも、『アホやなぁ~。姉ちゃん好きやから、抱くん決まってるやん~?』と言うと、『そうやな~。』と言って、ようやく僕の中に飛び込んでくれたのでした。
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