大学に入学した当初、8歳年上の姉のアパートで数カ月間一緒に暮らし
た。
姉は郷里の商業高校を優秀な成績で卒業すると、上京して金融機関に勤め
ていた。
子どもの頃よく面倒をみてくれた姉は、昔と変わらず優しかった。
一緒にいるところを見た大学の友人に「片桐夕子に似てる」と言われた
が、奥手だった私は片桐夕子が誰だかを知らなかった。

前期試験が終わり、夏休みに入った頃だったように記憶している。
姉とアパートの近くの銭湯に行ったときのことだ。
アパートには風呂がないので銭湯に通っていたが、一緒に入りに行くのは久
久し振りだった。
脱衣場のテーブルの上には週刊誌が開いたまま置いてあり、そこには乳房を
を露わにした女のヌード写真が載っていた。
モデルの名前を見ると片桐夕子とあった。
友だちが言ったとおり、たしかに顔立ちから表情に至るまで姉によく似て
いた。
片桐夕子がポルノ女優であることも、そのとき初めて知った。

顔を上げると、番台のオヤジが女湯の方を見ながらニタニタしていた。
オヤジに週刊誌のヌード写真に姉をダブらせていたのだろう。
隣の女湯で姉がポルノ女優のように全裸を、乳房や尻ばかりか当時は前張りや
りや手で隠していたヘアまでも、オヤジのイヤらしい視線に晒しているの
かと思うと勃起してしまった。
勃起が収まってパンツを脱いだとき、チンポの先からガマン汁が垂れて大いに
いに慌てたことを覚えている。

姉を初めて女として意識した瞬間だった。
だが、姉を性的対象として見るようになると、一緒に暮らしていることが何
何だか息苦しくなり、夏休み明けに姉のアパートを出て自立した。
姉は29歳で結婚するまで同じアパートに住んでいたので、ずっとその銭湯に
に通っていたと思う。
全裸の姉を毎日のように間近で見られる番台のオヤジが無性に羨ましく、やがて
やがて姉がオヤジの目の前で裸になるシーンは、一人暮らしの中で私のオ
ナネタになった。

脱衣場で、オヤジの露骨な視線を浴びながらブラを取りパンティを脱ぐ姉。
入浴
姉。
入浴を終えて洗い場から出てきたとき、番台に座るオヤジに乳房とヘアを真正面
真正面からジロッと見られてしまう姉。
そんな全裸の姉をイヤらしい目で番台からジッと凝視しているオヤジに自
分を置き換え、目の前に広げた片桐夕子のヌード写真に姉をダブらせなが
ら射精した。

その姉も四十二歳の若さで他界し、私は今年で還暦を迎えた。