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少し肌寒い陽気だが空気が綺麗なせいか気持ちいい…
管理人小屋は夜は無人らしいが、隣接する屋敷に老夫婦がいるらしい。
もっともこんな辺鄙な場所には肝試しに来る酔狂なグループもいないだろう。
それでも私らは行きは様子見も兼ねベンチコートで出掛けた…
下は下着のみ、
スニーカーも脱ぐつもりなので靴下も履いてない。
昼間会った父娘の棟が林道の先にうっすら見えた。
だが、なぜか電気が消えている。
寝るにはいくらなんでも早すぎる。
私らみたいに夜の散歩か?…
そうなら鉢合わせの可能性もある。
せめて所在を確認しておいた方がいいんじゃないか?…
私らはとりあえず建物内に居るのかだけでも確認しようと、足音に注意しながら建物に近づいた。
「夜中にあの父娘が寝てる棟の庭でするとかいいかもね…」
それはいい…
私らは顔を見あわせ笑ったが…
どうやら入浴中のようだった。
それでか…
外にはいないことがわかったから、ひとまず安心はしたが、セリナが声を潜めて囁いた…
「一緒に入ってない?」
確かにそんな感じ…
二人の声が微かに換気口から漏れている…
「…」
私らはその場から退散することにした。
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