私が23歳の時の話です。
ある縁で知り合って少しHな遊びをする仲になった80代のおじいちゃんに、めちゃくちゃレトロな連れ込み旅館(?)に連れていってもらったことがあります。
場所は東京の下町にあり、外観は昭和って感じでした。
派手な看板は無く、ガラス製の20センチくらいの表札みたいのが出ているだけ。二階建ての普通の家みたいでした。
なぜここに行くことになったのか。旅館の人とおじいちゃんが知り合いで、ここでおじいちゃんの趣味の写真を撮っていいことになっているみたいで、その時は私が誘われました。
玄関に入ると七福神の置物があり正面には急な階段がありました。
客室は二階で、階段を上る時、ミシっミシっと音が鳴りました。
部屋は和室の六畳。布団が敷いてあり、小さなちゃぶ台があります。
旅館の人がお茶とお菓子を運んできて、余計な話はしないで「ごゆっくり」とだけ言うと階段を下りていきました。
おじいちゃんはカメラの準備をして、私はメイクとウィッグの準備をしました。服はおじいちゃんが持ってきた下着と花柄のワンピースを着ました。
うっかりビューラーを家に忘れて、つけまつげを付けるのに手間取り、30分くらいしてからやっと撮影が始まりました。普段はつけない前髪パッツンの黒髪ウィッグをレトロな和室に合わせたんですが、なんだか自分じゃない不思議な雰囲気になりました。