私には父親がいません。母が女手ひとつでそだててくれました。そんな一人息子もまともには育たずに、男性を愛するようになり女装をするようになりました。
父親に甘えたことのない私は年の離れた男性を愛するようになりました。
父親の愛情を求めるように。
ある発展場で知り合った「たくやさん」とは最初は男モードで知り合い、女装をしてる事を伝えるとA面でもB面でも会うようになりました。
私に父親が居なかった事、父親の愛情が欲しかった事を伝えると優しく抱きしめてくれました。
たくやさんは51歳の会社員で既婚者。
奥様は54歳で子宝には恵まれなかったようです。
私はたくやさんの事を「パパ」と呼ぶようになり、たくやさんも私の事を自分のこどものように接していてくれたと思います。
パパとは食事に行ったりお酒を飲みに行ったり楽しいお付き合いが続きました。
半年くらい経った頃、パパから紹介したい人がいると言われ、待ち合わせ場所に行くとそこには奥様がいらっしゃいました。
奥様には私の事を「会社の部下」と紹介していました。
それからは自宅にも遊びに行くようになり、奥様とも打ち解けるのにそう時間はかかりませんでした。
ある日パパから
「今度の連休にママが友達と旅行に行くから、晩御飯作ってよ」
と言われました。まるで娘に甘えるように。