フィリピンの首都マニラの歓楽街、エルミタ。その一角にある『LAカフェ』はフィリピン人娼婦が集う「援助交際スポット」である。怪しげに光を放つネオンの看板の下にある扉を押して中に入ると、香水とタバコの臭いが入り混じった濃密な空気に包まれ、むせ返りそうになる。広い1階のフロアは、娼婦と、彼女らを品定めする外国人観光客でごった返している。
2階フロアでは生バンドがロック調の乗りのいい曲を大音量で演奏しており、その一角には、客待ちをする十数人の娼婦の一群がある。彼女らはひそひそと瞬き合いながら、男性客の視線を察知すると、必ず意味ありげな微笑みを送り返してくる。男性客が娼婦と目を合わせ、手で招くとテーブルにやってきて、交渉がスタートする仕組みだ。
この店を「仕事場」にしているA(27)はミンダナオ島のダバオ出身で、18歳の時から娼婦として働いてきた。気の強そうな目をした、小柄な美人である。彼女に“男”の写真を見せると、その大きな瞳に驚きの色が浮かんだ――。(「週刊新潮」2015年4月23日号掲載。※データは全て当時のもの)
※元投稿はこちら >>