10年程前の話。
当時35歳。バツイチ子持ちの彼女と付き合って3年目。勤務先の同系列会社で5ヶ所の掛け持ち勤務していた。人手が足りず募集しても続かない使えないポンコツばかり。彼女の自宅へ半同棲状態だったにも関わらず家へ帰れるのは深夜。ヘトヘトになって会社のソファーで寝てしまうことも少なくなかった。
ある日、いつものように忙しくバイクで配達の仕事をこなしている時。時間はPM9時頃。昔同僚だったUと12年ぶりに偶然会った。向こうは仕事終わりで弁当を買っての帰り道。立ち話の中で俺の配達担当地区内に住んでいると言った。寿退社だったUだが旦那のモラハラが原因で離婚。身内のいないUには子供も引き取れず一人暮らしだと。近くだから一緒に晩飯でもと言われたが仕事途中だったので携帯番号だけ交換して別れた。
後日こちらから電話。仕事を手伝ってもらうつもりで。肉を食わせろと言われ焼肉屋でビジネストーク。結局断られてしまうのだが以後何かにつけて電話をかけてくるようになった。毎回仕事が忙しいと手短にあしらっていた。月末になり財布の中身も寂しくなった頃「風呂貸すから弁当買ってくれ」とメールがあった。こちらも疲れがピークとなり、会社へ寝る予定にしていたので「風呂貸すから」の言葉に釣られて缶チューハイと焼肉弁当を買ってUの自宅へ向かった。季節は冬。冷えきった体にユニットバスが心地よかった。
食べながら色々と話をし時頃は0時過ぎ。
俺「そろそろ帰るわ」
U「寒いのに・・・風呂も入ったしバイクは風邪ひくやん」
俺「今日も会社で寝る。近くやから大丈夫やろ?」
U「泊まって行けば?炬燵もあるし。明日早番やから5:30には起こすけど(笑)」
俺「じゃ炬燵で(笑)」
炬燵の暖かさに負けた。その夜は何も無く俺は炬燵でUはベッドで朝を迎えた。
この「泊まり」があって以来Uから自宅への誘いメールが増えていった。